2007年01月29日

今週の応援現場70日目 福島編

2007年1月27日 土曜日


於:福島県総合社会福祉センター

訪問看護に生かす対人援助技術




 今日は福島県へ出没しました。早朝、新幹線に乗り込み、福島駅へ到着。例年ですと、福島は雪で覆われるている時期らしいのですが、暖冬の影響でしょうか、雪は遠くの山にあるだけでした(訪問をしている人々には雪はないほうがよいですよね)。

 本日は福島県内訪問看護ステーション連絡協議会さんからの依頼です。テーマは「訪問看護に生かす対人援助技術」参加者の方は80名を超えていましたので、1テーブルに3人がけという状態で、参加者にとっては大変な状況だったのではないでしょうか。


◆研修方法

1、訪問看護をしていて、「楽しいこと・うれしいこと」「困ったこと」を表現する。

2、自己理解・他者理解。交流分析を通して自分のパーソナリティーを把握する。

3、自分が他者とかかわるときの傾向性を認識する。

4、パーソナリティーと他者との関わり方についての自己分析をする。

5、楽しいこと・うれしいことを維持・向上するための決意をする。

6、困ったことを解決するための具体的な行動変容の決意をする。

図1 楽しいこと・うれしいこと.jpg

図1 楽しいこと・うれしいこと


図2 困っていること.jpg

図2 困っていること



 まずは、皆さんに、訪問看護をしていて、楽しいこと・うれしいこと・困っていることを書き出していただきました。

 次に、テーブルをはさんで前後の方と向き合いグループ討議をしていただきました。当然のことですが、他者の前で自分の考えを伝えることは難しいことです。さらに、知らない人ですと他者の考えを積極的に聞くことも大変なことです。

 ですから、皆さんは発表の段階では他者を眺める余裕もなく、自分の書いたメモを読み上げるのに必死で、他者が話すときには、発表者の顔を見るのではなく、他者の発表を聞いてメモを取ることだけに必死になっていました。

 そこで佐藤は、皆さんに対して他者の話を聞くときには、他者の話す内容に興味を持って聞くようにすること。グループ討議が発表会にならないようにすること。グループ討議は相談援助技術を発揮する場であることを伝えました。

 やがて、討議は活発になされて、スタートから15分立ったころには、佐藤が「そろそろやめていいですよ」とマイクを通して叫んでも、皆さんには聞こえないくらいにぎやかになっていました(人と関わるには積極的な技法と、時間的空間が必要なのです)。

 グループ討議から出された内容は、楽しいこと・うれしいことでは、利用者が元気になってきたとき。利用者から「待っていたよ」といわれたとき。床ずれがよくなってきたとき等が出されました。

 困ったことでは、利用者・家族に「看護指導」をおこなっているのだが、なかなか理解されずに同じことを何回も話さなくてはいけないとき。訪問は一人でしているので当然一人での対応となるので、「これでよいか?」と判断に迷ってしまうことがある、等が出されました。

 次に自己理解・他者理解を具体的にするために、株式会社ヒューマンスキル開発センターの「自己成長への旅立ち」を活用しながら自己分析に取り組んでいただきました。

図3 自己理解・他者理解.jpg

図3 自己理解・他者理解



 佐藤は、皆さんに対して、ホワイトボードに図を書きながら、自分で思っている自分と、自分の考え方や行動、表現のしかたを、他者が外側から見聞きした場合では自分の思っている自分と他者が思っている自分では、ズレが生じていることの説明をしました。皆さんはうなずきながら、真剣にノートに書き写していました。

 午後からは、午前中に作成した「心理的テスト」の解説をおこないました。このときに、佐藤が過去におこなった、佐藤自身のテストの結果を披露。佐藤がどのようにして行動変容をしていったかを説明しました。

 皆さんは、時に真剣にうなづきながら、時に爆笑しながらも、改めて、他者とのかかわりに重要なポイントをつかんでくれたようでした。

 佐藤は、皆さんに、対人援助をしていると、自分が、他者のために役に立つことをしたいと考えてはじめた援助が、いつの間にか相手に受け入れてもらえずに「困ったこと」として自分が捉えていないだろうか。このあたりを考えていただくために、皆さんから出していただいた困ったことを振り返りました。

 すると、皆さんは、「利用者・家族が理解してくれない」と嘆いているのは自分であり、理解してくれないと捉えるのではなく、利用者・家族が理解してくれるように説明方法を変えたり、繰り返して伝えたりすることが必要だということに気がついたようでした。

 大切なことはそこなんですよ! 対人援助をするときに必要なのは、他者に対して、対人援助をしている自分が、自分の「ものごとの捉え方・考え方・行動のしかた」を対象者によって変えていくという心がまえなんですよね。

 最後に、皆さんに書いていただいた「楽しかったこと・うれしいこと」を、今後さらに維持向上するための具体的な方法と、現在「困っていること」を解決するための具体的な方法を考えていただきました。

 佐藤は、皆さんがノートに書いているあいだに会場をまわりながら、書いている内容を拝見させていただきました。皆さん、今後、他者に対して、自分がどのようにかかわれば良いかを、具体的に文章として表現されていたので素晴らしいなーと思いました。

図4 維持向上を考え中.jpg

図4 維持向上を考え中



 今日は珍しく時間配分がよかったようで質疑応答をとる時間ができました。
質問として、「自分が苦手意識を持っていた利用者との関わりのなかで、やがて利用者から苦情をもらいってしまい、自分がその利用者宅へいけなくなってしまったこと。さらに、利用者から、「まだあの人はいるのか」といわれていて非常につらい状態であるがどのように考えればよいか」ということでした。

 佐藤が、利用者から、「まだあの人はいるのか」と気にかけてもらえる存在でいて良かったじゃないですか。といったとたん。「そうか。利用者が私のことを気にかけてくれているんですね」と気づかれ笑顔になれました。

 このように、対人援助をおこなう過程において援助者自身のこころがキシキシと痛むときには、自分のなじみのものごとの見方、とらえ方、行動の仕方を少し変化させてみることです。こうすることにより、こころの痛みは軽くなるかも知れません。

 福島は美味しい果物の産地です。美味しい果物があるということは当然美しい花が咲くのではないでしょうか。ですから、時には、その美しい花を眺めながら、自分自身に「あんたも、なかなか張り切っているではないか」とご褒美をあげても良いのではないかしら。

(つづく)
posted by さとうはあまい at 19:06| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 訪問看護 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする