2007年12月14日

奮闘記・第099回 読んでみた!/東京都

●本の分野● 日本史

『古代出雲への旅』を読む


(2007年11月某日・都内)


 この本の内容は『古代出雲への旅』は幕末、島根(出雲)に実在した「記録者」の風土記社参詣記を、現代の「著者」が古代出雲の今に残る、あるいは残らない風土記の原風景を読みとこうとする試みです。

 著者は「日本書記」「古事記」とならぶ貴重な古代史の資料ともなる、「出雲国風土記」についての興味、疑問をもちます。その疑問を解決すべく、島根県で調査研究をするための調査を行いました。

 とある日、島根県立図書館で、資料を閲覧、古い文献を紐解くときに、たまたまであったのが、この出雲国平田町在住の小村和四郎重義が残した「風土記社参詣記」でした。

 そもそも、「出雲国風土記」とは何か。それは、奈良時代(元明帝時代・713年)に太政官(司法・行政・立法を司る最高国家機関)が、全国の国司に、各地域で産出する鉱物・動物・植物・土地の地味の良し悪し、山川・原野の地名の由来、古老の話す伝承などもまとめて報告せよとの官令を出しました。

 この各地域から出された報告書がのちに「風土記」と呼ばれるようになったのです。まぁ風土記そのものの問題はかなり大きいので語れませんが、全国でも数カ国しか現存せず、出来上がりも何十年単位で開きがあり、「なんだかなぁ」という感じです(笑)。

 出雲では、この「風土記」が現存し、出雲だけではなく、日本の古代史としても貴重な資料となっています。まぁ政治的作られたには変わりがなく、「日本書記」「古事記」と同じく、信憑性に問題がある部分はあるのですが、価値は否定できません。出雲での編纂は、官令が出されてから20年後に完成しているそうです。

 佐藤がこうして島根県を巡り、その由来や由緒の資料や説明を読めるのも、根っこのところには、電車もバスもない時代にも、島根を歩き回り調査研究し、それを保存、活用していく、研究者、記録者の存在できる文化が島根にあるのでしょう。現代のわれわれにもありがたいことです。島根県はとりわけ親切。出雲だけではなく、松江、浜田、益田なども、他県と比べてもわかりやすく書いてあるもの。

 では、なぜ小村和四郎重義は、風土記社参詣記を残すことになったのかは、和四郎自身が、通称「桃樹翁」(もものきのおきな)と呼ばれた平田の国富家の金築春久を介して、「出雲国風土記」に出会ったといいます。なになに、和四郎の旅のきっかけもまた先達の文書にあるのです。

 この和四郎は、「風土記」の塾の体をなしていた、「桃之舎」にかよい金築先生の講義を熱心に受けているうちに「風土記社参詣」の旅をしたくなり、金築先生に相談。金築先生は自分自身が書き込みをした貴重な出雲風土記を和四郎に持たせてくれました。

 現代の著者、関氏は、和四郎が残した「風土記参詣記」を読み進めるうちに、自分自身が、和四郎が通った道を調査研究したくなったそうです。そして、この「風土記参詣記」を片手に、現代の出雲国を調査、検証の旅の出ました。その記録がこの本です。

 ふ〜ん。何処の時代にも、崇拝する人物の足跡をみてみたいという人間はいるものだなーと思いながら本を読み進めました。

 佐藤自身も、司馬遼太郎先生の歴史小説を読み進める中から、幕末に活躍した人々に興味を馳せ、小説やエッセイに出てくる地を訪れたり、出雲の旅で出会う、古事記の場面に興味をもち、多くの神社仏閣を訪ね、様々神様ともで会うことができたのです。

 そして、このような旅を重ねる中で、自分の足跡を残すためにブログに記載するようになったのです。まだまだ、未熟で、和四郎のような丁寧な記録を書くことはできません。でも、今は写真という武器があるわさ、へへん(笑)。

 佐藤は、この本を読んでいるうちに、佐藤がまだまだいっていない神社の存在を知りました(そっちかい)。というわけで、来年はさらに、「えっ? こんなところまで行ったの〜(行くよ)」と思われるところまで出没したいと考えていま〜す(ええっ)。

 もちろん、これからも「読んでみた」のコーナーでは、旬な書籍や忘れられた書籍で面白いと思うものを紹介し、佐藤の偏見のもとに、書籍のなかの登場人物や場所を訪ねる、見聞の旅もしていきますよ、はい(笑)。ブログを見てくれている人の参考になるといいなぁ〜! ではでは。


『古代出雲へのたび 幕末の旅日記から原風景を読む』  関 和彦・著
  中公新書、2005年刊、780円(税別)

図1 読んだ読んだ読んだ〜.jpg

図1 読んだ読んだ読んだ〜

(withパイレーツ)


(To Be Continued!)
posted by さとうはあまい at 19:14| 島根 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読んでみた! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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