2019年08月11日

奮闘記・第1088回 研修会のツボ/新潟県

●2019年● 新潟県新潟市


新潟県ホームヘルパー協議会

令和元年度 新潟県訪問介護職員資質向上等事業
サービス提供責任者研修



皆さま、お久しぶりです。いや〜、ハハハ、暑い。今回は文字通りホットな今回は先月行われた研修会の報告です。

さて、新潟県では、訪問介護事業所で働くサービス提供責任者を対象として、サービス提供責任者研修を実施してきている。新潟県ホームヘルパー協議会さんでは、その研修を新潟県からの委託事業所として毎年開催しているのだ。

佐藤は、約10年余り、サービス提供責任者の職には、まだついていない訪問介護員を対象に「訪問介護の展開・訪問介護計画作成」の研修を担当してきた。

こちらの研修は、参加者の移動を考慮して、新潟市と長岡市で同じ内容を4日間かけて行っていた。ただ、その研修は年々参加者が少なくなった(サ責がそれだけの期間、現場を空けられない)こともあり、残念だが昨年度で一旦終了することになった。

今年、今まで役員の方々が講師を務めていたサービス提供責任者研修を、役員も現場を持っていることから、3日間から4日間とし、佐藤が講師の依頼を頂いた(会場は新潟会場のみ)。

この件については、昨年まで事務局をなさっ頂いた勢能さんから、新潟県からの委託によって、正式に次期事務局から依頼について相談は頂いていた。その勢能さんも昨年度で事務局を退職された。ちなみに勢能さんはすでに新潟ユニゾンプラザ内のとある事務局にて活躍されており、また会うこともできた(嬉しかった💛)次第である。

今年度に入り、事務局にしてトップの石黒さん(新潟県ホームヘルパー協議会前会長)から、正式依頼を頂いた。早々に参加者が定員をオーバーし、70名を超えたとのこと。嬉しい次第であった。

さて、この研修は4日間研修である。しかし、参加者の都合を考慮し、前期を2日間、後期を2日間として、あいだに1週間の期間を入れ、開催された。

佐藤は、前期は、研究所の一匹狼「ひゃ〜参謀」を同行させ、研究所の名車・カナメイシ君にて会場へ入った。後期は、他の研修との絡みから、上越新幹線にて移動し、今度は佐藤が一匹悪・・・いや狼となり、会場入りした(ということで後期の研修の写真は少な目だが、総数としてはてんこ盛りであるw)。

この研修の目的は『介護保険制度における、在宅サービスの中心となる訪問介護サービスの質の向上のため、現に訪問介護事業務を行っているものを対象として、高齢者の多様化するニーズに対応した介護の提供のために必要な知識・技術に関する研修を行うことを目的とします。』とのこと。

佐藤は、新潟の研修前に、市内の新潟総鎮守・白山神社への参拝が慣例となっており、研修の無事を祈念した。

この日は東京は梅雨の真っ最中であったが、新潟は初夏の陽気に包まれており、境内の池には、古代ハスが、ピンクの花弁を誇らしげに開いていた。

また、手水舎の水面には、色とりどりの紫陽花の花が浮かべられ華やかさが添えられ、神門と境内には、たくさんの風鈴がつり下げられて涼やかな音色を響かせている。

いやいや、各地域の神社も頑張っているね。御朱印などもそうだがいろいろ工夫がなされている。これはほんとうにまさしく、夏の白山さんって感じ。まずは拝殿にて手を合わせ、おみくじをひき。その後大黒様のお社で手を合わせて再度おみくじをひいた。結果は「繁盛大黒」様が大吉をくださいました(笑)。

ちなみに、写真は怒涛のように載せていきますw。


●白山神社の茅の輪くぐり●.jpg

●白山神社の茅の輪くぐり●


●境内にも風鈴が飾られていた●.jpg

●境内にも風鈴が飾られていた●


●今年も見事な花を付けた古代ハス●.jpg

●今年も見事な花を付けた古代ハス●



ささ、研修会場の新潟ユニゾンプラザへ行きませう。

会場では、担当となる石黒さんとお手伝いをしてくださる役員さんに参加者を出迎えて頂いた。佐藤は用意されたテーブルにて研修の準備をしていると、先に書いたように、前・事務局の勢能さんがあいさつに来てくださったのだ!

我々は再会できたことをともに喜び、近況を語り合った。もちろん、「ひゃ〜参謀」も懐かしそうに(といっても昨年も会っているのだがw)会話していた。各地の会場でこのような気遣いは非常にありがたいねぇ・・・。


●研修会場は大賑わい●.jpg

●研修会場は大賑わい●


●いよいよ研修がスタート!●.jpg

●いよいよ研修がスタート!●


●昼食は恒例の1Fレストランにて頂く●.jpg

●昼食は恒例の1Fレストランにて頂く●


●グループ内にて話し合いに参加する●.jpg

●グループ内にて話し合いに参加する●


●問い合わせに応じる佐藤●.jpg

●問い合わせに応じる佐藤●



また、会場には、すでに訪問介護員の研修時に参加していて、佐藤のことを覚えていてくれた方もおり、「先生、また、よろしくお願いしますね💛」とか、「少しスマートになられたみたい。体は大丈夫ですか?」と老体を気遣ってくれた。

もちろん、佐藤は元気ですよ、ハハハ、たぶん。皆さんに再会できて、こちらこそ、うれしいですね。今回もよろしくお願いしますねぇ。こうしてあちらこちらで会話が弾む中、研修がスタートした。

■研修で行ったこと
【研修内容】
●前期
【1】介護保険制度・訪問介護事業の制度全般について理解を深める。
   ケアマネジメントと訪問介護(指定基準をもとに理解を深める)。 
【2】サービス提供責任者の役割・具体的な訪問介護計画作成業務を修得する。
   サービス提供責任者の業務と責務・老計第10号について。

なお、「指定基準」とは、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」の略である。

●後期
【3】接遇・マナーの向上を図る(ストレスマネジメント)。
   自己理解・他者理解を深め、自分の他者とのかかわる傾向性を理解する。
【4】事例検討
   各自の事例を共有しながら、お互いに学びや気づきを深める。
   今回の研修学んだこと。今後の取組についてまとめる。

前半の1日目である。

【1】介護保険制度・訪問介護事業の制度全般について理解を深める。
主に、居宅サービス事業所の指定基準と、訪問介護のサービス行為ごとの区分等(老計第10号)を示しながら、サービス提供責任者に課せられている責務と業務について説明を行い、訪問介護のサービス内容について解説を行った。

はじめに「ケアマネジメントと訪問介護の理解」として、介護支援専門員の役割とサービス提供責任者の役割を案内していった。


●討議に耳を傾ける●.jpg

●討議に耳を傾ける●


●他のグループ内容を見学する●.jpg

●他のグループ内容を見学する●



(1)介護支援専門員とは、元々は保健・医療・福祉の各分野の専門職であるということ
介護支援専門員も、もとは保健・医療・福祉の専門職であり、いわゆるマネジメントの専門家では無い。その人々が、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、介護支援専門員の実務研修を受講することで、介護支援専門員の証を受け取ることができるのである。

佐藤は約10年間この実務研修を担当したが、当然のことであるが、参加者の元資格が様々であることもあって、各サービス内容を詳細に理解しているかというと疑問があった。そこで、介護支援専門員になった方々には、その後、専門研修などの研修が定期的に行われているのである(この研修内容や範囲にはもろもろ不満があったが、それ自体を変えることは難しいから、内容を工夫していくしかなかったが)。

そしてまた、実務研修はその名の通り、実務に就くために必要な技術を指導する場所なのであるが、指導する先生の専門性も様々だ。いや、様々ならばまだいい。

指導者は大学の先生が多いせいか、医療面はその分野の専門家である医師や看護師が担当することが多い。もちろん、各先生方は、ケアマネジメント分野についてはテキストに基づいてしっかり指導している、とは思う。ただ、実際の実務の面はというと、実践経験が無かったり、少なかったりで事例を用いての案内に弱い部分もある。

それどころか、ケアプランを作ったことがない人が作り方を教えて居たりする。いくら派閥力学が働いていても、そこはねぇ・・・。

でも、いくら現役でもいい加減なプランを作って来た方よりはいいかも知れない。所詮は、その現場で、その利用者さんと会って見なければ、すべて机上の空論やアドバイスになりかねないからなぁ。

まぁそこで実践の部分は先輩の主任介護支援専門員が担当しているのだが、それはそれで・・・。最近は取るのも、更新するのも、(地域さはあるにせよ)随分厳しくなった感のある主任介護支援専門員の資格ではあるが、以前はゆるゆるであった。コネはあるが能力は・・・。今はかなり変わっているから、そういう方々には厳しいかも知れない。でもせっかくなったんだから頑張ってほしいな。

さらに国や介護支援専門員協会は、介護支援専門員の育成は、主任介護支援専門員が行うことが相応であるとして、介護支援専門員の育成は、その地域の主任介護支援専門員が担当するようになったのである。これ自体はよいことだと思う。目的の大部分は、経費節減であったとしても、だ。

問題は、そこでの間違った慣例が、まだ定着していることも少なからずあることだ。

それが、居宅サービス計画書原案の提示が、サービス担当者会議の席上であること、居宅サービス事業所が「事前訪問」をしていないこと、この2点なのだ。これじゃ、経験がある介護支援専門員が教えても、旧態依然で意味がない気もしないでもない(笑)。だって法令遵守じゃないのだからね。

リハビリでは「ご利用者の日常生活における活動の質の向上」を図るために行われる、リハビリテーションマネジメント加算により、S(Survey調査)・P(Plan計画)・D(Do実行)・C(Check評価)・A(Action改善)のサイクル構築と、リハビリテーションの継続的な管理に対して加算が設けられ、事前訪問としての、S(Survey調査)が導入され、リハビリテーションの提供を促進している。

リハビリも、「とにかく専門資格を作ればいい」くらいの感覚で作られた資格(草創者の方々の本を読めばわかる)であったが、進んだり、後退したりしながらも、今日の前進に至っている。これは関係者の努力によるものであろう。介護や福祉も「そこの点」は学ばねばならないだろう。




さて、この問題の2点については、居宅サービス事業所のケアマネジメントの担当者(サービス提供責任者や相談員)が指定基準及びマネジメントの理解に欠ける所にもその原因があると考えられる。

そこで、佐藤は資料をもとに、居宅サービス計画書原案がどのように作成されるのかをひもときながら、どの段階で、居宅サービス計画書を提示して頂き、事前訪問がなぜ必要なのかを説明した。

(2)居宅サービス計画の作成手順を理解する
介護支援専門員は概ね下記の要領で居宅サービス計画書を作成する。

T.生活全体の解決すべき課題を抽出する。
@利用者の現在の状態を明らかにする。
A現状についての困りごとを明らかにする。
Bその困りごとを今後どうしたいのか、どうなりたいのかを明らかにする。
C困りごとや要望を伺い、それに介護支援専門員の意見や提案をすり合わせ協議する。

U.課題に対して長期目標を設定する。

@課題に対して、ゆくゆくはどうなりたいかを相談する。
A長期目標は将来的に達成可能な内容とする。
B生活機能分類(心身機能・活動・参加・環境)を意識して作成する。※注意1

V.長期目標を達成するために短期目標を設定する。
@長期目標に対して、すぐにはどうなりたいかを設定する。
A短期目標は長期目標を細分化して達成可能な内容とする。
B生活機能分類を意識して作成する。

W.短期目標を達成するために必要なサービス内容を導き出す。
@短期目標を更に細分化して、必要なサービス内容を導き出す。
Aサービス内容はひとつのサービス事業所に偏らずすべての事業所にあてはまるように意識する。

X.サービス内容に適したサービス種別を選別する。
@各サービス内容の提供に適したサービス種別を導き出しその理由を説明する。
 (ここでは、利用者が希望していたサービス種別と異なる場合もある。)
Aサービス内容はひとつのサービス事業所に偏らず全ての事業所にあてはまるように意識する。
※例えば、心身機能のサービスは、体調に関することで、医療系のサービスを想定するが、福祉系のサービスでも、体調チェックなどを行うし、活動の支援である、移動の見守りは、医療系のサービスが滞在している間は必要なサービス内容でもある。また、参加では、全てのサービス種別において、本人の意向を確認するとか、相談助言などがある。さらに、環境として、家族や地域との連携は不可欠なのだ。

居宅サービス計画書原案は、こうした過程を通って作成されるのだ。

おのずと、Xの段階まで来なければ、サービス種別は選定されないのである。もちろん、利用者や家族の意向や要望、介護支援専門員の専門的な視点から、初回面談の段階から、このようなサービスが必要であるという予測を立てることは可能で有ろう。しかし、そこには根拠が伴わないのだ。

さて、介護の「王道」通り、居宅サービス計画書が作成されたとした場合は、WからXの段階で、居宅サービス事業所に、問い合わせがくる(はず)。これが、相談受付である。サービス提供責任者には、指定基準において、この相談受付の段階で行うことが責務として標記されている。

それが指定基準の第28条「管理者及びサービス提供責任者の責務」にある、「サービスの申込みにける調整」である。サービス提供責任者は、介護支援専門員からの問いあわせ時には、ヘルパーさんの空き情報を確認して、そのサービスが提供可能かどうかを吟味して、受託の可否を介護支援専門員へ伝えるのだ。

さらに、可能な場合には、「利用申込み書」などを渡して必要事項を記入して頂き、併せて居宅サービス計画書原案の提示を求めるというわけだ。

参加者からは、ケースバイケースだけど、なるべく事前訪問に伺うようにしているという話し聞くことができた。そう、お互いに情報交換を行うことで様々な不安を解消できるのである。

(3)利用者ファイルの綴じ方について
次に、「個別の利用者ファイルの綴じ方について」説明を行った。介護保険は、利用者の申請により、介護認定を受け要介護度のついた方が、ケアプラン(居宅サービス計画書)に沿ったサービスを、要介護認定の期間に限り利用できる仕組みである。

言い換えれば、利用者が要介護認定の更新手続きをしなければ、サービス提供は、期間の終了時に終わりとなる。

そうであるならば、利用者ファイルは、要介護認定の期間ごとに更新する必要がある。そこで、佐藤は、利用者ファイルに綴じる必要がある物を示し、それらは、更新時にはすべてひとまとめにして、他封筒に収納するか、同じファイルの後方に納めるようにすること。

ここで重要なことは、居宅サービス計画書の更新とともに、利用者のフェイスシートやアセスメントシートを更新することである。

いつまでも、利用者ファイルの先頭のページに「当初の受け付け時のフェイスシートを綴じておかないように」と説明した。


●1日目の研修の終了を知らせる石黒さん●.jpg

●1日目の研修の終了を知らせる石黒さん●


●本日の夕食は、もちろんグリル神田ですよw●.jpg

●本日の夕食は、もちろんグリル神田ですよw●


●市内にある弘願寺の弘法大師像、デカい!●.jpg

●市内にある弘願寺の弘法大師像、デカい!●


●朱鷺メッセをバックに市内を散歩する●.jpg

●朱鷺メッセをバックに市内を散歩する●



●ホテルにて朝食を頂く●.jpg

●ホテルにて朝食を頂く●



前半の2日目である。

【2】サービス提供責任者の役割・具体的な訪問介護計画作成業務を修得する。サービス提供責任者の業務と責務・老計第10号について。
サービス提供責任者の役割については昨日の時点で指定基準に併せて説明したので、2日目は主に『老計第10号』について説明した。

国は、平成30 年度介護報酬改定においては、訪問介護について、身体介護に重点を置いて報酬を引き上げるとともに、生活機能向上連携加算の見直し、「自立生活支援のための見守り的援助」の明確化、訪問回数の多い利用者への対応を行うことにより、自立支援・重度化防止に資する訪問介護を推進・評価することにしている。

そこで、身体介護における「自立生活支援のための見守り的援助」の明確化を行い、「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」(平成12 年3月17日老計第10 号)の改正を行った。

これは、介護保険制度始まって依頼の改正であり、訪問介護事業所にはこの改正に沿ったサービス提供が求められている。そこで、サービス提供責任者が、改正のポイントを熟知している必要があるため、下記内容について説明を丁寧に行った。

佐藤は、改正老計第10号において、今回特に明確化された、「1−6 自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助(自立支援、ADL・IADL・QOL向上の観点から安全を確保しつつ、常時介助できる状態で行う見守り等)」について、説明しやすいようにNo.を付けて解説を行った。


●ほらほら、ヘルパーのしていることを言葉にしてみて●.jpg

●ほらほら、ヘルパーのしていることを言葉にしてみて●


●新潟ユニゾンプラザからの風景●.jpg

●新潟ユニゾンプラザからの風景●



明確化された1−6 自立支援・重度化防止のための見守り的援助(自立支援・ADL・IADL・QOL向上の観点から安全を確保しつつ常時介助できる状態で行う見守り等)」
※No.は佐藤が加筆.

@ベッド上からポータブルトイレ等(いす)へ利用者が移乗する際に、転倒等の防止のため付き添い、必要に応じて介助を行う。
A認知症等の高齢者がリハビリパンツやパット交換を見守り・声かけを行うことにより、1人でできるだけ交換し後始末ができるように支援する。
B認知症等の高齢者に対して、ヘルパーが声かけと誘導で食事・水分摂取を支援する。
C入浴、更衣等の見守り(必要に応じて行う介助、転倒予防のための声かけ、気分の確認などを含む)。
D移動時、転倒しないように側について歩く(介護は必要時だけで、事故がないように常に見守る)。
Eベッドの出入り時など自立を促すための声かけ(声かけや見守り中心で必要な時だけ介助)。
F本人が自ら適切な服薬ができるよう、服薬時において、直接介助は行わずに、側で見守り、服薬を促す。
G利用者と一緒に手助けや声かけ及び見守りしながら行う掃除、整理整頓(安全確認の声かけ、疲労の確認を含む)。
Hゴミの分別が分からない利用者と一緒に分別をしてゴミ出しのルールを理解してもらう又は思い出してもらうよう援助。
I認知症の高齢者の方と一緒に冷蔵庫のなかの整理等を行うことにより、生活歴の喚起を促す。
K洗濯物を一緒に干したりたたんだりすることにより自立支援を促すとともに、転倒予防等のための見守り・声かけを行う。
L利用者と一緒に手助けや声かけ及び見守りしながら行うベッドでのシーツ交換、布団カバーの交換等。
M利用者と一緒に手助けや声かけ及び見守りしながら行う衣類の整理・被服の補修
N利用者と一緒に手助けや声かけ及び見守りしながら行う調理、配膳、後片付け(安全確認の声かけ、疲労の確認を含む)。
O車いすでの移動介助を行って店に行き、本人が自ら品物を選べるよう援助。
P上記のほか、安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うもの等であって、利用者と訪問介護員等がともに日常生活に関する動作を行うことが、ADL・IADL・QOL向上の観点から、利用者の自立支援・重度化防止に資するものとしてケアプランに位置付けられたもの。

もはや、現在の訪問介護のサービスには、【指定介護予防訪問介護のサービス】は現存しない。だが、平成18年に介護予防のサービスがスタートしたときの介護予防訪問介護のサービスには、下記のような言葉が流行したのだ。

それが、

「利用者のしていることやできることは、本人にして頂き、ヘルパーは本人のできない部分を行います」

というものだ。

まさにエライ先生がたが、現場に「たまに」顔を出して、利用者さんも先生方も、「特別な顔」でニコニコしながら、歓談できるような関係でなければ、こんなきれいごとは言えないし、書けないだろう。

これを文章通りに受け取れば、ヘルパーは提供された時間に、利用者は自分のしていることやできることを行えば良いし、ヘルパーはできない部分のみを行えば良いという解釈になってしまうだろう(実際そうなった)。

その結果、ヘルパーからは、

「○○さんは、自分ができる▼■をしない」

などという報告が上がってきたのだ。

まぁ、誰が流行らせたのかは定かでは無いが(当時は誰もがみんな知っている、とも)、この流行言葉はヘルパーのサービス内容には不適切であったとしか言いようがないのだが。

本来の介護予防訪問介護のサービスとは、

「ヘルパーは、利用者のしている事やできることを、そばに寄り添い見守り、本人ができることを依頼し、本人がするように励まし、頑張っている姿に労をねぎらい、依頼に応じてくれたことに感謝を伝え、さらに、本人のできない部分を、本人の要望を伺いながら、本人がした気持ちになれるように支援する。さらに支援中は本人が怪我や転倒しないように注意喚起を行い、安全を見守る」

という内容が正しいのである。どう? 似て非なるものでしょう?

そこで、今回示された老計第10号の1−6であるが、そこには、「利用者と一緒に」という文言が随所に出てくる。その「利用者と一緒に」ヘルパーがしている「声かけ・見守り」を、計画のサービス内容には具体的に示す必要が出てくるのである。

ヘルパーが支援の中でしている「声かけ・見守り」とは、「本人のできることを依頼し、協力動作に感謝を伝え、労をねぎらい、励ます」あるいは「本人の頑張っている姿に敬意を示し、していることやできることを称賛し、さらに側に寄り添い、できるように励まし危険を回避できるように見守る」などである。

参加者は、佐藤が言葉で伝えた内容を一生懸命書き取っていた。


●本日はお肉を頂いた(ユニゾンプラザ1F・八彩茶屋)●.jpg

●本日はお肉を頂いた(ユニゾンプラザ1F・八彩茶屋)●



午後からは佐藤が作成した「新潟さん事例」を用いて、訪問介護計画の作成演習に挑戦である。

事例は、脳梗塞後遺症、左麻痺の方。本人は料理をするのが好きな方。ヘルパーは本人が福祉用具を使用して、少しでも自分がしたいように調理を行う手助けをするという老計第10号の1−6のサービスだ。

事例は、基本情報・課題整理総括表・居宅サービス計画書・訪問介護のアセスメント表・などを提示し、参加者には佐藤が示した訪問介護計画書のひな形を用いて、具体的なサービス内容を考えて頂いた。

ひな形は、4つの枠組みを設けてあり、心身機能・活動・参加・環境(家族・地域)に対する、それぞれの課題に、訪問介護の目標を示してある。

演習は、まずは自分で考える。次にグループで考える。最後に発表するという順番で行った。皆さんは熱心に事例と向き合い、具体的なサービス内容を思い思いの言葉で表現していた。

中には、分類が難しいとつぶやく人もいたのだが、それは当たり前のことであろう。ただ、わからないと投げることなく、知ろうと思う気持ちが大事。その方も、グループ演習で他者と語り合うときには、自分の考えを伝えていたから。良かったぁ(笑)。

さて、解答例として提示した具体的なサービス内容のみを記載しておこう💛
これがすべてではないが、ヘルパーは少なからずこのような支援をしていると思うのだ。

《心身機能に対する具体的なサービス》
@あいさつ後、感染予防のために洗面所にて手洗いうがいを行います。
A居間にて、再度あいさつをして体調を伺いますので、体の調子をお知らせください。必要に応じて、娘さんに相談します。
B服薬カレンダーを見て、服薬が継続できていることを把握します。飲み忘れている場合には、飲めるように助言します。

《活動に対する具体的なサービス》
@これからする事を説明し、同意を得ます。作業に入る前には、トイレにお誘いします。身支度に乱れがあるときには、お伝えし整えられるように支援します。
A移動時や、作業時には、そばに付き添い転ばないように注意を喚起し、転ばないように見守ります。

《参加に対する具体的なサービス》
@通所リハビリの献立表を参考に一緒に献立を考えます。
A食材を取り出し、テーブルにおいて、本人のできそうなことを相談します。
B野菜は、洗って切りやすいように渡しますので、片手まな板を使用して切って
ください。怪我をしないように注意喚起し、頑張っている姿を励まし、上手くできたことを共有します。また、協力動作には労をねぎらい感謝を伝えます。
C調理終了時には、好みの器に盛り付けられるように支援します。

《環境に対する具体的なサービス》
@地域の情報を収集し、必要な情報を提供します。
Aその日の支援内容を娘さんとの連絡帳に記入して連携をはかります。


さて、具体的な訪問介護計画書を作成したところで、前期の研修は終了である。佐藤は、皆さんから前期に提出して頂いた。事例(約60名分)を持ち帰り、後半までの期間に、1つひとつに目を通し、書いてある内容を添削して赤字を入れ、後半の研修に持参した。


●皆さんちょっと体をほぐしましょう●.jpg

●皆さんちょっと体をほぐしましょう●


●事務局の皆さんも真剣に事例を読み込む●.jpg

●事務局の皆さんも真剣に事例を読み込む●


●さてさて、まずは自分で考えてみましょう●.jpg

●さてさて、まずは自分で考えてみましょう●


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●グループをめぐりながら直接助言する佐藤●


●朱鷺メッセ・ばかうけ展望室から眺める弥彦山●.jpg

●朱鷺メッセ・ばかうけ展望室から眺める弥彦山●



3日目である。

【3】接遇・マナーの向上を図る(ストレスマネジメント)自己理解・他者理解を深め、自分の他者とのかかわる傾向性を理解する。
その約10日後、佐藤は再び新潟に移動した。今回は荷物の「ひゃ〜参謀」は置いて来たが、その代わり研究所の悟空やパイレーツが同行しております(笑)。

今回は、サービス提供責任者に求められる、指導者(スーパーバイザー)の能力についてから入り、その後は、1人ひとりが持参した事例検討を行う。

まずは資料を用いて、スーパーバイザーの役割について。その後、ストレスマネジメントという考え方をご案内。その後は、佐藤の研修ではおなじみの、自己理解・他者理解を深める研修である。

サービス提供責任者とはいえ、すべての方が、他者を指導できるかというと、そうではないのだ。しかし、サービス提供責任者となったからには、指導者としての振る舞いを身に付けて頂く必要がある。

そこで、まずは、自分とは何者で何ができて、何ができないのか、自分自身と向き合う時間を作ってみた。次に、2人で、自己紹介をしつつ、幼かった頃の楽しい思い出話しを語り合うという演習を行った。

そして、例のごとく、お互いが相手に抱いたイメージ、「あなたは、このような人に見えました」という感想を伝えあって頂いた。なかなか、日頃自分が思ったことをストレートに他者に伝える機会などないだろうし、他者から面と向かって「あなたはこのような人に見える」なんてこと言われたことも少ないであろう。まぁ「あんたは〇〇なんだよ!」とキレられたたりは・・・・ないよね。介護職は(笑)。

伝え合いの時間には、あっちでワーワーこっちでワーワーそれはそれは賑やかに語り合いが行われたなぁ。さすが、対人援助職の皆さんである。そう、本来は話好きで人好き。他者を思いやる気持ちがひしひしと伝わってきた。

余談だが、かつて介護・福祉業界に「お金を稼ぐためにやって来た」というツワモノがいた。しかし、そういう割には、仕事の基本は「話好きで人好き」のまさに介護・福祉向きの人間であった。そもそもまともな人間なら、お金を稼げる業界とは言いにくい(笑)。

さて、その後は、ヒューマンスキル開発センターさんが開発した、交流分析のツール「エゴグラム・ストローク表」を作成し、解説を参照して自己分析をして頂いた。皆さんは解説の通りだと感心されていたが、何事も表裏一体、他者と関わるときには、なるべく良い面を用いてかかわるように意識すると良いであろう。

その後、11時過ぎからは、提出して頂いた事例から、佐藤が選抜した事例を用いて、事例検討のデモンストレーションを行った。もちろん、事例提出者には、開講前に協力依頼した。

■事例検討の手法
(1)発表。
(2)質問をため込む。
(3)質問に答える。
(4)振り返り、共有・助言など。


事例検討の目的は、事例を通して、発表者はもちろん、他の参加者もその事例を通して、お互い気づきや学びを深めることだ。決して、こうした方が良いのはないかとか、そんなことはダメだよ、などと他者のしていることや行いを否定するような場になってはいけないのだ。

そのために、発表者は、警戒心を取り除き、あくまでも正直にオープンに積極的にかかわる気持ちが大切。

そして、参加者には守秘義務が課せられており、事例検討で出された内容は口外しないことが求められている。

デモンストレーションは、40分かけて行った。提供した方も、参加者もそれぞれ学びや、ヘルパーとしての気づきなどがあったようである。

午後からは、各グループ内で事例検討を行った。
1人ひとりの事例発表に約40分ずつ行ったが、各グループ内では、それはそれは有意義な検討が行われていた。

佐藤も、その都度、グループ内に留まり、事例検討の仲間入りをさせて頂いたが、まさしく今行っている出来事なので、それはリアルに展開されていくのだ。ただ、発表者は、自分が発表することで、自分が提出する際に抱いていた困りごとは、自分たちからの一方的な見方であったことに気付いたり、発表途中から、改善策を思いつくなど、面白い展開となった場面も見られた。

それは、参加者がお互いに、多かれ少なかれ、同じような事例に遭遇していることにより、新たな気づきや、助言を得ることにより、解決のヒントが得られる体験からくるものではないかなと思う。


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●幼い頃の思い出を語り合う●


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●演習を見守る仲間たち●



4日目いよいよ最終日である。

【4】事例検討
午前中は、今研修の振り返りと、今後の動向について資料を用いて解説した。社会保障審議会では、次回の介護報酬改正に向けて議論が行われていること。

そこでは利用者負担が1割から2割への議論と、要介護1及び要介護2の生活援助が地域支援事業へ移行するという議論や、居宅サービス計画書作成に付いて利用者負担を発生させるということなどが議題にのぼっていることを説明した。

それらを踏まえて、今訪問介護事業所がすべきことは、要介護1及び要介護2の方に提供している「生活援助」を老計第10号の1−6へ移行するように取り組むことではないかと伝えた。

その後は、まだ事例発表をしていない人についての検討会を再開した。もちろん、佐藤は各グループをまわり、追っかけ質問をしたり、助言などをしてまわっていく。

中には、話に夢中になってしまい、検討というより、座談会になっているグループもあったが、参加者がそれそれが前向きに議論しているので、それはそれで良かったと思う。

すべての人の事例検討をした後は、サービス提供責任者研修を通して、学んだことや気付いたことをまとめて頂いた。まずは自分で考え、次にグループで話し合い、まとめて頂いたのだ。

最後に、各グループで話し合った「学んだこと・気付いたこと」を1つずつ、ホワイトボードへ書き出して頂いたが、下記がその内容である。

1)身体介護と生活援助の見極め方が理解できた。
2)利用者の困りごとや要望を聞き取りながら提案をしても良いことがわかった。
3)情報収集の大切さとモニタリングの意味と意義がわかった。
4)「困りごと」を明確にすることを実銭していく。
5)本人・家族の価値観に沿うことの大切さが理解できた。
6)事前訪問時に、事業所の説明と、訪問介護のサービス内容を説明するのは、ケアマネではなくサービス提供責任者の役割であることがわかった。
7)アセスメントの重要性(帳票の余白の部分に書く内容がわかった)。
8)地域の情報をもっと知ることが大切。
9)サービス提供責任者の重要性と、ホームヘルパーが責任と誇りを持てる仕事であることを再認識できた。
10)利用者の能力を奪わない介護、質(介護技術の提供)を買って頂く。


 ●他者の発表に耳を傾ける●.jpg

●他者の発表に耳を傾ける●


●聞こえる位置に席を移動する●.jpg

●聞こえる位置に席を移動する●


●気づきや学びを共有する●.jpg

●気づきや学びを共有する●



さてさて、これにて、4日間の研修は終了。

ご多忙の中、参加して頂きました皆さま、また、同様にご多忙のおり、研修会を支えて頂いた石黒さんをはじめ新潟県ホームヘルパー協議会の皆さま、有り難うございました。また、勢能さんも顔を出してくれて有り難う!

今頃、参加した皆さんも、猛暑の中張り切っていると思います、とはいえ、今年の猛暑も半端では有りません。ご自分の体を大切にすることと、ヘルパーさんのお体も気遣いながら夏を乗り越えてくださいませ! またお会いできるのを楽しみにしております。重ねてご自愛ください。


(To Be Continued!)


posted by さとうはあまい at 00:54| 東京 ☀| Comment(0) | 研修会のツボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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