2019年05月29日

奮闘記・第1082回 研修会のツボ/東京都

●2019年● 東京都足立区

足立区社会福祉協議会

【2】サービス提供責任者の仕事術
〜サ責として大切なポイントをつかみ業務へ活かす〜


足立区社会福祉協議会主催の研修は連続して2回行われており、1回目はすでに 第1081回として報告済みである(上げたてのホヤホヤ)。

今回は訪問介護の要である、サービス提供責任者向け研修のご報告である。この研修は足立区で働くサービス提供責任者及び訪問介護員を対象に、13:30〜16:30の3時間で行われた。


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●参加者同士で語り合う●



サービス提供責任者の仕事術 〜サ責として大切なポイントをつかみ業務へ活かす〜



■研修で行ったこと
(1)介護支援専門員のPDCAを理解する。
(2)サービス提供事業所のPDCAを理解する。
(3)利用者支援に必要な帳票類の取り扱いについて。
(4)訪問介護計画書の作成。



今回は、日中開催であったが、サービス提供責任者は、介護支援専門員と違って、自らがヘルパーとして働かなければならないこともあり、人材不足のおり、相変わらず研修に参加したくても参加できない環境にあることもあり、参加者は12名であった。

もちろん、佐藤は、参加人数が少ないからといって手を抜いたりしない。少なければ少ないだけ、親身一体となった研修を行っている。うん?もちろん多くても手抜きはなしだ!w ということで、まずは自己紹介である。

皆さんにはいつものように1分間スピーチをして頂きつつ、佐藤は参加者の話に耳を傾けていた。

皆さんの言葉から聞こえて来たのは、なんと、サービス提供責任者になって数日しかたっていない!やら、5月になったばかり!などなど、多くのサービス提供責任者が新人のサービス提供責任者であるということがわかった。もちろん、手抜きはしない(くどい?)。

そこに、陰の声が“おいおいおいおい、そんな新人さんばかりで大丈夫なのか”。いやいや、どうしてサービス提供責任者は成り立てでも介護の経験は豊富な方ばかりだから大丈夫であろう。


はじめに簡単に介護保険制度の流れを説明した。ここで、サービス提供責任者にとって重要なことは、介護支援専門員との関係性なのだ。

多くの法人が、複数の事業所を持っており、居宅介護支援事業所と、訪問介護事業所が同居しているなんてことが少なくない。

そこで、各居宅介護支援事業所の介護支援専門員が、計画作成のルールに則り、サービス提供をしてくれていれば良いのだが・・・。

居宅サービス計画原案の作成もそこそこに、サービス担当者会議を開催してサービスがスタートしているというようなケースもまだまだ多いのである。まぁ上司も先輩もやれてないところでは、そりゃぁやりようもない。

そこで、ここからは、介護支援専門員の支援の流れと、サービス提供事業所の支援の流れについて資料をもとに説明を行った。


(1)介護支援専門員のPDCAを理解する

@受付(エントリーの段階)。
ここでは、利用者に介護保険制度と居宅介護支援について説明する。

A初回面接(利用者の選択に資する援助)。
利用者及び支援する側の双方がスクリーニング(選別する段階)を行うために、双方がお互いに必要な情報を提供し合い、吟味する。

BAにおいて、問題無し。
契約を目的とした面接に移行する。介護支援専門員は、利用者に居宅介護支援の方法(居宅サービス計画の作成法を含む)を説明し、利用料金などを伝え同意を得る段階である。

Cアセスメントを行う。
利用者情報を得て、生活全般の解決すべき課題を抽出する段階である。

D居宅サービス計画をまとめる段階。
課題・長期目標・短期目標・サービス内容・サービス提供種別を選別する。

Eサービス提供事業所に連絡を入れて空き情報を把握し、提供可能な事業所をピックアップする。
その情報を、利用者に案内して利用者が事業所を選択し、居宅サービス計画原案に事業所名が記されることになる。

Fサービス提供可能な事業所に、居宅サービス計画書原案(1)(2)(3)を提示する。

Gサービス担当者会議を開催し、居宅サービス計画書原案(1)(2)(3)について説明する。
サービス提供事業所より専門家による見地からの意見などを伺いながら居宅サービス計画の承認を受ける。

H居宅サービス計画に沿ってサービスが提供される。

I毎月モニタリングを行い計画の妥当性や、利用者の状態の変化などを把握する。

J要介護認定の期間終了前には再アセスメントを行い計画を更新する。
→Fにもどる。このプロセスは、終結まで循環して継続する。


(2)サービス提供事業所のPDCAを理解する

@受付「サービスの申込みにおける調整」を行う段階。
ヘルパーの空き情報を確認して、サービス受託の可否を判断する。

A介護支援専門員へ、サービスの可否を伝え、可能な場合には、居宅サービス計画の提示を依頼する。

B事前訪問の準備。
介護支援専門員から基本情報の提供を受け、利用者宅へアポイントをとり、事前訪問の日程を決める。

C初回面接を行う。
訪問介護の特徴について説明し、サービスの導入の意向を確認する。意向が把握できたら、契約を目的とする面談へ移行する。

契約書及び重要事項説明書・個人情報の取り扱いなどについて書面を用いて説明し同意を得る。

Dアセスメントを行う。
提供されたサービスについて、利用者のしていることや、できること、できないことなどを把握して、訪問介護員が行う援助方法などを相談したり助言したりする。

E事業所へ戻り、訪問介護計画書原案を作成する。

Fサービス担当者会議へ参加して、他の事業所と支援方法について共有する。会議録を作成する。

G可能であれば訪問介護計画書を説明し、同意を得て交付する。

Hサービスを開始する。

I定期的にモニタリングを行い、利用者状況を把握する。
介護支援専門員へ定期的に状況を報告して情報を共有する。毎月、介護支援専門員へ実績を報告する。国保連へ実績報告を行う。

J短期目標の期間終了時には、モニタリング及び評価を行い、居宅サービス計画の変更の有無を検討しその内容を介護支援専門員へ伝える。

K利用者の要介護認定の期間終了時には、モニタリング及び評価を行い、目標の達成の度合いなどについて報告をする。

L介護支援専門員の居宅サービス計画の更新に伴い、再アセスメントを行い、訪問介護計画書を更新する。
→Fへ戻る。サービスの終結までFからLを継続する。


本来は、この(1)(2)の各事業所の展開法が正しいが、現在多くの介護支援専門員がしている居宅介護支援のプロセスの多くは、サービス担当者会議の席上で「初めて」居宅サービス計画が提示されたりしている。一方のサービス提供事業所も、「事前に原案を頂き、利用者宅を事前訪問すること」を知らない方もいる・・・ふう。

まぁ、この仕組みが正しく展開しない限り、サービス提供責任者側もその責務を全うできないという現実もあるのだけれど。現状無い物ねだりに近いかな。

そうそう、一方では、国が通所介護や通所リハビリに対して、個別援助計画の加算条件として、事前に利用者宅を訪問し、調査(アセスメント)を行うことを推奨し、具体的な帳票を示してからは、通所系サービスは事前訪問をしているようではある。

でも「推奨」って便利なことばだよな・・・。

また、サービス提供責任者自身が、訪問介護の指定基準を理解していないという現実もあり、なかなか難しい所でもある。

そもそも、サービス提供責任者の業務内容については、管理者がその方をサービス提供責任者に任命する時に、しっかりと説明をする責務があるのだが、この管理者も雇われ管理者であり、その管理者自身が指定基準を十分に理解していないという可能性も否めない。

そこで、佐藤は、参加者1人ひとりが、自分がいる事業所の指定基準を把握する必要があることを伝えた。まぁこの繰り返しであるのだが、時代が令和になっても一向に変わらないだろうな。

(3)利用者支援に必要な帳票類の取り扱いについて

ここからは、利用者支援に必要な帳票類とその取り扱いについて事例を用いて説明を行った。

《利用者支援に必要な記録の種類》
(利用者ごと管理する)
 @基本台帳(フェースシート)
 A居宅サービス計画(介護支援専門員や相談支援専門員等が作成する計画)
 B訪問介護のアセスメントシート
 C訪問介護計画書
 Dモニタリングシート
 D評価表など。
 E経過記録(上に示した業務と責務を遂行したという経過がわかる記録)
 Fサービス提供票(伝票)サービス実施記録兼介護記録



これらの帳票は、利用者の要介護認定の期間毎に更新していく。
そこで、要介護認定が更新された場合には、それまでの@ABCDEFをひとまとめにして後方へ移動する(あるいは別封筒に保管)。

その上で、利用者のフェースシートを更新しファイルの前面におき、再度新たなA〜Fを作成するように伝えた(Eの経過記録は必要な情報もあるだろうから、取り扱いについて事業所で決めれば良い)。

今回の参加者は、その多くが、サービス付き高齢者住宅に訪問する、訪問介護事業所のサービス提供責任者であった。

と書くと聞こえが良い(?)が、実は、サービス高齢者住宅の職員を兼務しているサービス提供責任者なのだ。

当然、働くヘルパーも、ある時間はサービス高齢者住宅の職員として働き、個別の利用者の、居宅サービス計画に則り、排泄介助や入浴介助、家事活動の支援に入っているのである。

まあまあ、一般の訪問介護事業所の皆さんには、なかなか、難しい環境なのだが、今回は、自分の働く環境や、自分のしている事について他の方と情報を交換したり、大変さを共有することができて、新たな気づきを得ることができたようだ。

(4)訪問介護計画書の作成

ここでは、佐藤が作成した「須藤さん」事例を用いて、訪問介護計画書の作成方法について説明を行った。

平成27年の介護報酬の改訂に際して、国がサービス提供事業所に求めたのは、利用者の「生活機能の維持向上」である。

そこで、佐藤は、生活機能(心身機能・活動・参加・環境)を意識して作成した「居宅サービス計画書」を用いて「生活機能」について説明したのであった。

実は、この事例の説明は、なかなか、高度な内容で有ったのだが、研修終了後のアンケートには「ICFについて理解できた」「ICFの説明が聞けて良かった」などの感想が寄せられており、佐藤はこの説明を行って良かったと思ったしだいである(意外なところのレベルが高合ったりする)。こうなると、時代が変わることを期待したいな。


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●生活機能分類を支援に置き換え説明する●



いよいよ訪問介護計画の作成である。

ここでは、心身機能・活動・参加・環境のそれぞれに「課題(短期目標)訪問介護の目標・具体的なサービス内容・備考」の項目を設けた、訪問介護計画書の帳票を使用した。あらかじめ、佐藤が「課題と訪問介護の目標」を記載しておき、皆さんには、具体的なサービス内容を考えて頂いた。


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●演習用紙を配布する●


●素敵な文章が書かれていた●.jpg

●素敵な文章が書かれていた●


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●事例を解説する佐藤●



ところがだ、ここまで皆さんが熱心に研修に参加してくださったので、介護計画の演習時間が少なくなってしまったw。それでも皆さん考えつつ、頑張って書いてくださった。

最後に佐藤が作成した、訪問介護計画書を読み上げ、今回の研修はこれにて終了である。


佐藤は、久しぶりにサービス提供責任者の業務と責務について説明を行ったが、現場のサービス提供責任者の皆さんは仕組みも自分の役割もわからないまま、仕事に就いている方が多いということを再認識した。


●参加者を見守る田嶋さん●.jpg

●参加者を見守る田嶋さん●



さて、訪問介護のサービス提供責任者は、介護福祉士か、ある一定の資格を持った方しか担当することができなくなりました。

そこで、法人では、施設や、通所介護で働く働いていた資格保持者を、サービス提供責任者に任命することが増えて来ました。

でも、その方々、介護技術の専門家であっても、いきなり在宅を訪問するヘルパーやサービス提供責任者の責務を果たせるとは限りません。そこは、法人内で、その方々働きやすい環境を整備する必要があるのでは無いでしょうか。

さてさて、これにて研修は終了です。

足りないところは、佐藤のブログ「寺子屋の休み時間」や、佐藤の書籍をひもといて頂けると(佐藤が)喜びますw。

季節外れの夏日もいったん落ちつくようです(でないと困る!)。それにしても気温の差が激しい季節。体調を崩さないようにご自愛くださいませ。ではまた!


(To Be Continued!)

posted by さとうはあまい at 15:17| 東京 ☁| Comment(0) | 研修会のツボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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