2018年12月22日

奮闘記・第1073回 研修会のツボ/東京都

●2018年● 東京都町田市

町田市・町田市介護人材開発センター・共催
法令遵守研修 訪問介護におけるアセスメントのポイント

〜自助・共助・公助の観点から〜



皆さまお久しぶりですね! ずいぶん寒くなりました。今回のブログは先だって町田市で行った研修会のツボです。


この日、朝から、あちこちの神々様に今年1年の感謝を述べてまわり、最後に会場近くにある母智丘神社を参拝した。この母智丘神社(もちおじんじゃ)は、伊勢神宮の外宮の神様である豊受姫大神を主祭神とし、大歳神様と併せてお祀りしている神社で、創建は大正8年、五穀豊穣の神である。

会場の町田市健康福祉会館には、何回も来ているのだが、すぐ近くに神社があるとは知らなかった。

今回は「ひゃ〜参謀」が小耳にはさみ、


「親方! 近くに良い神社がありますよ」


と案内された。ほんとうに近くだった。

細い参道を通り抜け境内に入った。そして、参拝をしていると、今通ってきた参道から風が巻き起こり佐藤の後ろから体を撫でながら空へ吹き抜けていった。神社を参拝していると、たまにこのような現象に遭遇する。良いことがあるといいなぁ・・・。


●会場近くで見つけた母智丘神社に参拝●.jpg

●会場近くで見つけた神社に参拝●


●会場入り前に肉ダイニングで夕食を頂く●JPG.jpg

●会場入り前に肉ダイニングで夕食を頂く●


●会場の町田市健康福祉会館●.jpg

●会場の町田市健康福祉会館●



夕食後会場入りし、時間が迫ったので、我々は近くのセブンイレブンで飲みものを購入して、会場へ向かった。駐車場前に開発センタ−の切れ者のセンター長・石原さんが待っていてくれた。

なんでもセブンイレブンに我々を認め、待っていてくれたとのこと(やはりただものではない)。このような心遣いは有り難いねぇ。


こうして、石原さんの案内で会場に入ると、そこには以前大変お世話になった上 静子さんが座っていたのだ! おお!!

佐藤は懐かしさから、上さんに駆け寄り握手をした。上さんは、介護福祉士の育成に力を注いでおられ、私が親しくして頂いていたのは、介護福祉士実務者講習会が盛んな頃であった。彼女はその他にも初任者研修など様々な講師を勤めていた。現在も介護保険関係の仕事をされているとのこと。素晴らしい! 私も頑張らないと。

さらに、なんと! 是枝祥子先生までも駆けつけてくれたのだ。彼女は現在はこの「一般社団法人町田市介護サービスネットワーク 町田市介護人材開発センター」の代表であり、知る人ぞ知る、東京都介護福祉士会の初代会長であり、大妻女子大学名誉教授なのだ。

佐藤が特別養護老人ホームで働いていたときに、小笠原祐次先生を囲んでの福祉寮母の会という研究会があった。その会に参加させて頂いたことがきっかけで、その後様々なご縁を通して、折に触れて佐藤を助けてくださった師匠のお1人であり、数年前、某・かいごの○〇のイベントで、佐藤のTAを見に来て頂いて以来かな? 佐藤は、是枝先生との再会を激しく喜んだ次第である。

●なんと!是枝先生にお会いできました●.jpg

●なんと!是枝先生にお会いできました●



目的
介護保険法改正が行われ、サービス提供責任者の役割も多大になりました。「地域包括ケアシステム」の深化・推進が求められ、地域支援事業・介護予防・認知症施策の推進、地域共生社会の実現をめざし、訪問介護事業所、ケアマネジャー、高齢者支援センター等に加えて住民が参加、協働するネットワークの構築も求められています。そのためには各サービス事業所のアセスメント力が求められてきます。適正なサービスを提供していくために、訪問介護でのアセスメントは何を基本に聞き取っていけば良いのか学びを深めることを目的とします。

ふむ。今回の研修の主な対象者は、訪問介護事業所のサービス提供責任者である。町田市には、市が推奨している訪問介護のアセスメントシート及び訪問介護計画書がある。

今回はその帳票を使用して帳票の書き方を踏まえながら、訪問介護が行うアセスメントについて案内するのだ。

さて、研修は18:30から20:30まで。会場には仕事を終えたサービス提供責任者や介護支援専門員の方々が集まってきた。まずは区役所の担当の責任者から熱きご挨拶を頂き、その後、訪問介護事業所連絡会の会長さんよりご挨拶を頂く。どこでも同じなのだが、人材不足が話題となっていた。

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●主催者からの熱きメッセージ●



研修で行ったこと
(1)居宅サービス事業所のサービスが果たす役割について
(2)町田市推奨のアセスメントシートの記入方法


今回は訪問介護アセスメントについての研修である。佐藤は研修には3種類の資料を作成した。

1.基本資料
2.介護支援専門員が作成する帳票
3.サービス提供責任者が作成する帳票

である。佐藤はこのような計画作成にかかる研修には、事例をひとつ作って説明するようにしている。もちろん、訪問介護計画とは、居宅サービス計画に沿って作成されるものなので、ケアマネが作成する帳票も作成しているのだ。

ただし、その帳票を一度に渡してしまうと、だいたいがその帳票を観ることに夢中になってしまい、私の話を聞いてもらえないことが多い。それでは寂しいので、資料は小出しにすることにした(笑)。


●会場の外は寒いけれど、会場では熱く語る佐藤●.jpg

●会場の外は寒いけれど、会場では熱く語る佐藤●



1.居宅サービス事業所のサービスが果たす役割について
まずは、基本資料とサービス提供責任者が作成する帳票である。はじめに基本資料を用いて、「居宅サービス事業所が果たす役割」を説明した。

居宅サービス事業所は利用者の「心身機能の維持向上」「活動の維持向上」「参加の促進」これらを果たすことで「介護者の負担の軽減」につながるとしている。

ちなみにこれ図表になっており、しかも平成27年の介護保険制度改正前に社会保障審議会で示された図なので、皆さんは十分に理解されているはずなのだが会場は静まり返っていたのがねぇ・・・。

そこで資料にもあるのだが、佐藤はホワイトボードを利用して、その内容を解説した。

「心身機能の維持向上」とは、利用者の健康状態に対する支援である。

訪問介護のサービスで言うところの、あいさつをして体調を伺う。服薬確認。栄養状態の把握(食事内容、水分量)排泄状況、排便の有無。体温測定や血圧測定を行い、数値を記録するなど。医療連携に関する支援である。

「活動の維持向上」とは、日常生活動作すなわちADLに対する支援である。

訪問介護の行為ごとの区分等(老計第10号)に示されている一連の行為に関する支援である。もちろん、掃除・洗濯・調理・買物などの家事活動もこの活動に入る。ただし、要介護1や2の方々はこの何気なくこなしている動作が思うようにできないのである。さすれば、その方々の家事活動はどこに入るかというと、「参加」に入るということになる。

「参加の促進」とは、他者との交流、生きがい、楽しみ、役割の提供などである。

訪問介護のサービスで、軽度者に対する家事活動の支援は役割の提供である。したがって、介護予防のときに流行った、本人ができることは本人にして頂き、できないところをヘルパーが行うなど、一見自立のようだが、いわゆる放置のような支援ではない。

役割の提供とは、ヘルパーと本人が相談しつつ、本人がしていることやできることを認め、ヘルパーがそのしていることやできることを本人に依頼する。そして、本人の側に付き添い、依頼した内容を本人にして頂けるように励まして、できたときには、協力動作に感謝を伝え、さらにうまくできたときには、その成果を共に喜び、労をねぎらうという支援なのである。

「家族介護者の負担の軽減」(環境への支援)
在宅へ訪問して行う訪問介護のサービスは、家族とのかかわりが重要なポイントになっている。家族の価値観、その方の価値観に沿った妻、夫、息子や嫁、娘など、介護者の今までしてきた介護に添うように支援すること。その結果、情報収集を行うときには、今までの在宅介護の流れを壊さないよう意識して支援に必要な情報を収集するのだ。

そう、ここで示された「心身機能」「活動」「参加」「環境」というのは、ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)、つまり、国際生活機能分類の中の言葉である。

この言葉を意識する必要があると言うことを伝え、いよいよ本日のメインであるアセスメントに付いてである。

●今日は座学が中心であった●.jpg

●今日は座学が中心であった●


●会場に60人ほど参加して頂いた●.jpg

●会場に60人ほど参加して頂いた●


2.町田市推奨のアセスメントシートの記入方法
ここでは、基本資料に書く内容を示し、佐藤が事例として書き込んである帳票を用いて案内していった。

そもそもアセスメントとは何か。多くの方が、情報を収集することと捉えているようだが、アセスメントとは情報収集だけではない。

確かに現状把握は重要である。ただ、現状を把握しただけではアセスメントをしたとは言えない。アセスメントとは集めた情報を分析することなのである。

介護保険の利用者はアセスメントの段階が3回ある。

1回目は、認定調査である。ここでは、利用者の現状から要介護度を導き出している。
2回目は、介護支援専門員によるアセスメントである。介護支援専門員には、このアセスメント時に情報収集する内容を国が
定めている。それがいわゆる「課題分析標準項目」である。介護支援専門員は、ここから居宅サービス計画書を作成している。
3回目は、各サービス提供事業所によるアセスメントである。こちらには国が示した項目は無い。

ただし、通所介護には平成27年の法改正のときに「興味関心シート」と「通所介護計画の帳票」などが示されている。各サービス事業所はここから個別援助計画書を作成しているのだ。

ここ町田市では、訪問介護に対して、このアセスメントシートと、訪問介護計画書及び評価表の推奨版を出しているのである。市区町村では、監査に入りいろいろと指導はするが、なかなかそのような帳票を示すところは希有であると聞く。その分町田市のやる気が伝わって来るというもの。

佐藤は、アセスメントシートと解説を示しながら何処に何を記入すれば良いかを説明していった。


●研修風景●.jpg

●研修風景●



そして、いよいよ情報分析の段階である。アセスメントシートの裏面には、「情報」「情報の解釈(根拠)」「課題(必要な介護)」の欄が設けられいる。

「情報」には、健康状態・日常生活の状況・楽しみ・生活環境・生活習慣の項目がある。これって、まさしく「(国際)生活機能分類」ではないか。素晴らしい!!

でもここには、各項目は記載されているが、その他は白い空欄が広がっているのよねぇ・・・。佐藤の経験上、介護職も介護支援専門員までもが、白い空欄が広がっている所には、何を書いて良いのかわからなくなるみたいなのだ。

そこで、もしかしたら、佐藤が書き入れた内容が、何かのヒントになればと思い、事例を作成しているというわけ。まあ、書き方見本として参照して頂ければと思う。

情報の空欄には、各項目別に書く内容が示されているので、情報収集をしていく段階で重要だと思った情報を項目別に整理して記入していけば良い。この時の記入のポイントは、No.を付けて書いていくということ。

この情報欄で付けたNo.は、その後の「情報の解釈」や「必要な介護」の所で、同じNo.として流れていくからである。

例えば、日常生活の状況(ADL・IADL)(活動)

【情報】※bヘその上の健康状態から連動しているためBとなっている。
B腰や膝の痛みのために、移動につかまり所が必要。室内歩行器・屋外は押し車を使用している。痛みと付き合いながら本人のペースに沿った支援が必要。
Cトイレは自立。移動に時間がかかり漏れる程度の失禁はある。パッドを交換し、必要時には着替えている。

【情報の解釈(根拠)】
B自分のペースで動きたい気持ちが強い。
C自分でも早めに意向と思っているが間に合わないことがあるとのこと。

【課題(必要な介護)】
《活動の課題》
@歩行器を使用して転ばないで生活する。
A失敗しないためにも早めにトイレに行く
《必要な介護》
B転ばないように注意喚起が必要。移動時にはそばに付き添い、転倒しないように見守る。
C支援の前にはトイレ誘導が必要。

となるのである。そうそう、佐藤は訪問介護サービスの課題についても案内している。
訪問介護の課題となるのは、居宅サービス計画の「短期目標」である。

なぜならば、居宅サービス計画は、生活全般の解決すべき課題→長期目標→短期目標を導き出し、その短期目標を改善するための必要なサービス内容を決め、そのサービスを担当するサービス種別を決めるのである。

したがって、訪問介護の課題は、「短期目標」となり、モニタリングのときには、この短期目標の達成の度合いをモニターすることになるのだ。

佐藤は、この段階で、事務局に手伝って頂き、介護支援専門員が作成する帳票を配布して頂いた。ここで、問題となるのは、介護支援専門員が作成する「居宅サービス計画書」の課題が、必ずしも、国際生活機能分類を意識して作成されていない所である。

もちろん、佐藤が国際生活機能分類を意識し、作成した居宅サービス計画を示している。

したがって、心身機能の短期目標、活動の短期目標、参加の短期目標、環境(家族や地域)の短期目標が明記してある。そこで、この課題(必要な介護)欄の課題には短期目標を転記して、その下に具体的な援助方法を記入すれば良いということを伝えた。

ここまできたら、会場からため息混じりに「すごいね!」という声が聞こえてきた。そう、実際ヘルパーのしている介護は凄いことなのだ(笑)。

さてさて、もう残り時間が少なくなってきた。本日はここまで。

佐藤は、このアセスメントから導き出した、訪問介護計画書も作成してあり、すでに皆さんの手には渡っている。今回はそこまで説明ができなかったが・・・。

研修後記
指定基準・第24条には、サービス提供責任者は、「利用者の日常生活全般の状況及び希望を踏まえて、指定訪問介護の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容等を記載した訪問介護計画を作成しなければならない。」とある。

そこで、町田市推奨の訪問介護計画書の帳票に示されている、「援助目標」「長期目標」「短期目標」には、このアセスメントシートから導かれた、訪問介護の長期目標と短期目標を記載してある。その文面を転記しておく。

《長期目標》
@薬を確実に飲み、体重が目標数値まで減量できるように励ます。
A痛み具合を相談しつつ、現在していることやできること維持できるように支援する。
B本人の意向に沿った掃除を行い、バランスの良い献立を考え調理できるように励ます。
Cその時々の困りごとを解決できるように相談助言を行う。

《短期目標》
@体重を意識しながらバランスの良い食事を摂り、確実に服薬ができるように支援する。
Aトイレに間に合うようにお誘いし移動時には側に付き添い転ばないように支援する。
B一緒に掃除ができるように支援する。また、一緒に献立を考え調理する。
C他の支援者たちと情報を共有し、統一した支援を行う。

となる。もちろん、ここに示した数字は、@心身機能 A活動 B参加 C環境である。

さてさて、最後に理事の沼田裕樹氏(日本社会事業大学)より、皆さんに励ましのあいさつが有った。

この帳票の作成に自分の事例をあてはめて、まずは作って見ましょう。難しそうと思ったら前には進まない。でひチャレンジしてみてください云々。

そうそう、その通り、皆さんは現役のサービス提供責任者。実施の利用者さんが目の前にいるんですもの。ヘルパーさんや、利用者さんや家族を頼りに、どうぞ、これからも活躍してくださいませ。ど素人ではなく、プロフェッショナルですから、難しいからやらないはできませんもの。

参加して頂いた皆さま、町田市介護人材開発センターほか、ご協力頂きました皆さま、有り難うございました。

佐藤も、介護業界で学ばせて頂いたことを、次世代に伝えて行けるよう、まだまだ頑張ります。皆さまもご自愛ください!


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●外は真っ暗。石原さん、皆さまお疲れ様でした●



(介護保険改革、来年から議の本格化により、とうとうケアプラン有料化がテーマのひとつになります・・・って、もともとタダで作ってたわけじゃない。これからケアマネはコミュ力を発揮するかが問われますな!To Be Continued!!)
posted by さとうはあまい at 20:33| 島根 ☁| Comment(0) | 研修会のツボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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