2018年05月29日

奮闘記・第1057回 研修会のツボ/長崎県

●2018年● 長崎県長崎市


長崎県社会福祉協議会 福祉人材研修センター

「介護記録の書き方研修会〈指導編〉」



皆さま、お元気でしょうか。東京は、昼間は暑く、朝夕は寒かったりもしますが、風邪をひかないように気をつけないといけませんね。さて、今回は、先だって長崎県での研修会のツボです。

佐藤は、例のごとく、前日に長崎入りして、例のごとく、レンタカーを借りて県内を移動しあちこち見聞しました。その見聞内容は、後日順次報告するとして、以下は、「介護記録の書き方研修か(指導編)」についての報告です。


●前日から長崎入り(長崎空港)●.jpg

●前日から長崎入り(長崎空港)●



●今年も来れました長崎諏訪神社(大吉)●.jpg

●今年も来れました長崎諏訪神社(大吉)●



長年、佐藤は介護記録の書き方研修会を請け負っているが、今回の依頼はぜひ指導者に対して、記録の書き方について指導できるように、その指導方法を伝えて欲しいというものであった。

そこで、研修内容に指導者としての心構えを入れて頂き、記録の書き方については、介護職がしている援助の場面を切りとり、言葉を紡いで作成する、ダイアローグ方式を用いた演習問題を作成した。しかし、これはあくまでも佐藤の事例である。

後には、参加者自身が各事業所の利用者や職員を題材とした演習問題を作るようにと案内しておいた。もちろん、佐藤の事例の演習問題については、解答例も作成し、提供したことはいうまでもない。


●会場の長崎県総合福祉センター●.jpg

●会場の長崎県総合福祉センター●



■研修で行ったこと
(1)指導者としての構え。自己理解、他者理解。
(2)介護記録の必要性と、その根拠。
(3)まずは「している援助」を文章化してみよう。
(4)記録の書き方指導編。


佐藤の研修会は、ほとんどがグループ形式である。なぜならば、グループ内で参加者同士がお互いに情報交換を行い、意見を交わしていく中で、新たな気づきを得ることができるからだ。しかも、他事業所の人材と関わる機会は大きな意味を持つ。

そこで、まずは各グループ内で、「1分間スピーチ」を取り入れて自己紹介をして頂いた。職業柄、自己紹介能力は重要である。

いつまで経っても、相手の名前を覚えられない、相手に覚えてもらえないのは、どこか職業人として、「欠けているもの」があると考えたほうがいい。まぁ相手のほうが欠けている場合も少なくはないのも事実だが、相手にあまり期待し過ぎてはいけないのだ。

スピーチでは、自分の氏名や所属等を伝えた後で、自分が働いている事業所の「売り」を語って頂いた。

佐藤はタイムを測りながら、皆さんが次のかたにバトンを渡せるように導いていった。こうして各グループ内での、自己紹介が終わる頃には、それまで漂っていた緊張の空気が緩やかに解け、会場は、ほんわかとした空気に包まれた。


●主催者からの挨拶でスタート●.jpg

●主催者からの挨拶でスタート●



●書籍の案内●.jpg

●書籍の案内●



1.指導者としての心構え
参加者は介護の専門家ではあっても、リーダーや指導者としての専門家ではない。そこで、「指導者として、自分自身が他者と関わるときに、どのように関わっているのか」それを客観的に捉えて頂けるよう、(株)ヒューマンスキル開発センターが開発したエゴグラムとストロークの帳票を使用し、皆さんに自己分析して頂いた。


●グラフの作り方を説明する●.jpg

●グラフの作り方を説明する●

●個別に解説を行う●.jpg

●個別に解説を行う●



「エゴグラムから指導者に必要なスキルとは」
指導者は、客観的な視点を持つことが大事なので、「アダルト=Aを高めること」。そのためには自分が作成したグラフでAの点数が低かった方は、意識して低い部分を高めるように気にかけること。

「ストロークから指導者に必要なスキルとは」
ストロークとは、自分あるいは他者の存在を認めること。ディスカウントとは値引きであり、自分の存在や他者の存在を値引くということ。

そこで、自分が作成したグラフにおいて、「自分自身を肯定的に捉える」という部分が少ない方には、まずは自分自身が自分の存在価値を認めることが大事であると説いた。

自己肯定感を増やすためには、夜寝る前などに1日を振り返る機会を設け、今日の評価を行うこと。可能であれば紙に書き出してみる。その際には「できなかったこと」だけではなく「できたこと」をたくさんあげるように意識することが大事であると伝えた。

その上で、育成段階では、山本五十六(1884−1943)さんが残した名言を用いて、指導者としての心構えを伝えた。


●お昼にお弁当を頂く●.jpg

●お昼にお弁当を頂く●



●窓から、浦上川と稲佐山が見える●.jpg

●窓から、浦上川と稲佐山が見える●



2.介護記録の必要性とその根拠
佐藤はあらかじめ資料のなかに下記のような枠組みを設けておいた。

・介護記録がないと困ること。
・実際していること。
・今後自分(組織)が取り組みこと。

はじめに「介護記録がないと困ること」及び「実際にしていること」を書いて頂いた。佐藤は皆さんが書いている間にグループを巡り、記入している内容を把握しに行った。その上で皆さんの書いた内容をまとめるため、ホワイトボードに四角い空欄を4カ所書いた。

そう、この4つの空欄は、ICF(国際生活機能分類)である(心身機能・活動・参加・環境)。

心身機能:利用者の健康状態に関する情報。血圧、体温、病気など痛みの訴え、食事量。排泄の有無・入浴の有無等々。たしかに利用者支援をするのに健康状態に関する情報共有は必要なことは確かである。ただし、これは看護師や栄養士が管理している情報なのであるが(これがダントツ!)。

活動:次に多かったのが、活動(日常生活動作)に関する情報であった。利用者の自立を支援する介護職には、各利用者のしていることや、できること、できないことを共有することは必要不可欠なことである。

参加:他者との交流や意欲の向上のためにしている支援内容について。特に意欲の向上のために介護職がしている支援内容いついての記録が必要なのだが、このことを記載したかたがいなかったのが残念であった。

環境:これは生活機能ではないが、生活機能に影響を与える背景因子である。それは、家族や地域の方々との関わりやボランティアさんなどとの関わりの記録である。こちらも意識して残す必要があるとしている方が少なかったなぁ・・・。また福祉用具点検の必要性を記録すると書かれたかたもいた。

そこで、ここでは看護と介護の違いを説明。介護は、日常生活動作の維持・向上をめざしている。そのためには、介護職は利用者と関わり(ストローク)、様々な言葉を発しているはずなのだ。それをうっかり、「声かけ」や「確認」「見守り」という文章に「まとめ」てしまう傾向がある。そう、うっかりである。

そこで意欲を向上させるための言葉として「すごい」「素晴らしい」「さすが」などがあり、介護職はこれらの言葉を巧みに使用できていること。また、協力動作(○○してください)を依頼し、協力してくれたことに対して、感謝の意(ありがとう)を伝えている。

これらの関わりが利用者のやる気につながっているのだ。そうであれば、これらの具体的な言葉を記録しておかないと、職員同士で共有などできないではないか。

また、家族との関係性を維持するために、面会があったときには、本人の最近の様子を伝えたり、家族の困りごとを伺ったりしているはずだ(でなきゃ何をしているのか?)。

また、面会終了後の利用者の感想なども伺っていると思う。それらを記録する必要もあるだろう。

もちろん、地域での生活を維持するためには、外出時の様子やボランティアとの関わりも職員同士で共有する必要があるのでないか。

結果、指導者として、このICF(国際生活機能分類)を意識して、介護記録の書き方を指導する必要があることを伝えた。

蛇足だが、介護職だけではなく、「プロフェッショナル」と言われる職業人は、皆、記録が細かく要求されている。時間があるとか、ないとかは問題ではなく、「必要なこと」をやれるのがプロなのだ。時間がなければ、できなくてもよいなら、その人はプロとは呼ばれないだろう。

3.まずはしている援助を文章化してみよう
いよいよ、後半は皆さんが主役。佐藤が書いた問題をもとに介護記録に挑戦して頂いた。ここでは、参加者の協力を得て、ダイアローグを再現したのだ。

参加者には、登場人物(介護職員)佐藤は利用者のセリフを読み上げた。こうすることにより、皆さんにはその場面をより身近に感じられたのでは無いだろうか。少なくとも、他人ごとでは無くなる(笑)。


●参加者の協力を得る●.JPGJPG.jpg

●参加者の協力を得る●



●山口さんが記録写真を撮る●.jpg

●山口さんが記録写真を撮る●



●さすが現役、職員役がうまい●.jpg

●さすが現役、職員役がうまい●



その後、介護記録に挑戦。書く時間は5分だ。すると、どうだろう? 皆さんは、さらさらさらさら〜と文章を作成していくではないか! これなら、大丈夫。

佐藤は、側に寄り添い、「いつもこのように書いていますか?」と伺うと、「もっと短いです」とのこと。また、このように物語が書かれていると書きやすいとも・・・。でも、物語は皆さんが常に作っていることなんですよねぇ。

ふたつの事例を用いて演習をして頂き、グループ内で書いた内容を共有して頂いた。同じ場面だけど、いろいろな書き方があることを共有できたようであった。演習終了時には佐藤の解答例を示し、解説した。


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●休み時間にも質疑応答●



4.記録の書き方指導編
いよいよ最終段階である。皆さんには、自分たちが実際書いている介護記録の帳票を持参して頂いていた。今までの演習を通して、自分の事業所の記録物を眺めて維持する必要があるところや、改善が必要な所などを考えて頂き、持参した帳票類をもとに情報交換をして頂いた。

もう、ここまで来れば、佐藤の出番はない(笑)。お互いに持ち寄った帳票を用いてそれぞれ工夫しているところや困っている所を語り合っていた。


●自分で考え他者と共有する●.jpg

●自分で考え他者と共有する●



佐藤も会場を巡り、実際の記録を見せて頂く。その内容は手書きで書いているところ、パソコン入力しているところ。すでに記録の書き方が示されており、その通りに記入している所など様々であった。

特に医療系のサービスが中心となっている事業所では、やはり医療職が必要な情報が多いという傾向が見られた。

また、中には、フォーカスチャーチング(看護記録の手法のひとつ)を用いた介護記録を書いている事業所もあった。ここからも、現場では、介護記録よりも看護に必要な記録が求められていることが伝わって来る。

看護は、医療(医師)に寄り添おうと考えた結果、本来望んでいた患者さんとの関わりを捨て、医師の行為の代行を多く担うようになってしまった。では看護の仕事は? そう、看護助手や介護職が担うのだ。

介護職がお手本とした存在していた、看護師はもはやいない。おむつ交換すらできない者もいるくらいだ。でも、介護職は、まだまだ介護技術自体が未熟な者も多い(修練時間が全然違う)のだから、看護師もどきの仕事はさせないでもらいたい。

しかし、政府が、安く、早く、育てられると勘違いしている限り、この暴挙は終わらないだろうな。しかも、そんな馬鹿げた、医療知識の特集を、介護系の出版社が、雑誌で組んでいるくらいだから、あきれてものもいえない。

さてさて、研修はこれにて終了。


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●本日のまとめをする佐藤●



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●山口さん、皆さま、いろいろ有り難うございました●



介護記録の書き方については、こうすればよいという正解はない。なぜならば、各事業所で考え、当該自治体とすり合わせて、決める。それが、その事業所の正解(ともかぎらないが)となるのだ。もちろん、不備を感じれば、修正が必要。

まずは事業所に戻ってすることとして、提案をさせて頂いた。

@介護記録実行委員会などを立ち上げること。
A各事業所に即した介護記録マニュアルを作成すること。
B業務マニュアルに、各業務内に「記録」を書く時間を設けること。

今回、皆さんに示した資料が役に立つといいなぁと思っています。

今回の研修会で、担当交代から終始ご協力頂いた、山口さん、長崎県社会福祉協議会の松本さん、甲能さん。ご協力頂きました皆さま。有り難うございました。おかげさまで無事に研修会が行えました。

そして、ご多忙のおりご参加頂きました、介護職の皆さま、ほんとうに有り難うございました。引き続き、身体が資本です。どうかご自分の身体を大切にし、ご活躍ください。応援していますよ。

皆さま、くれぐれもご自愛ください!



(どっかの国の首脳同士が、「会えない」が「会いたい」劇を演じている。でも、○スラエルと仲の良いどっかの国と、その天敵イ○ンに核技術を横流ししているどっかの国が仲良くなれるとはそうそう思いませんて!To Be Continued!!)


posted by さとうはあまい at 12:23| 島根 ☁| Comment(0) | 研修会のツボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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