2017年09月02日

奮闘記・第1041回 研修会のツボ/長崎県

●2017年● 長崎県長崎市

長崎県社会福祉協議会 福祉人材研修センター

「記録の書き方研修」


お久しぶりです。良く分からないうちに気温が下がっていましたね。皆さま、いかがお過ごしですか。さて、今回は、先日伺った長崎県の研修報告ですよ。

今年春、長崎県社会福祉協議会の研修担当・山崎さんより、佐藤のブログ等や書籍をもとに、介護記録の書き方(初級・中級)や、施設編や居宅編なども講義していることを知り、ぜひ、佐藤に講義を!という熱い連絡を頂いた。

依頼内容は(初級編)として、書き方の基本的なことをとのこと。長崎県は特養・デイ・グループホームなどの高齢者施設が7割で、3割程度は生活介護などの障害者施設の介護職や支援員の参加者が多い傾向となっているらしい。

プログラムは、昨年の静岡県社会福祉協議会さんで開催した、「介護記録の書き方講座(施設編)」と同じくらいの内容でお願いしたいとのこと。

まぁ、さすがは人材育成機関というべきか。なかなかのリサーチ力である。佐藤の長文ブログを読み(笑)、その上で、このような文面を頂ければ、そりゃあこちらも嬉しくなりますわい。もちろん、快諾したのは言うまでもない。

研修前に、山崎さんとメールにて入念なやり取りを行い、当日を迎えた(今回は「ひゃ〜参謀」も同行)。

●長崎空港に到着!●.jpg

●長崎空港に到着!●



ひとつでも多くの研修風景を紹介し、介護職が頑張っているということを伝えたいですからねぇ。

当日は、前日より借りている、レンタカーにて、以前にも来た、鎮西大社諏訪神社を参拝してから会場入り。ちなみにおみくじ結果は、「ひゃ〜参謀」大吉であるが、その他は不詳であった(笑)。まぁ、長崎はこの日も朝から、太陽がまぶしい。天照大御神さま、今日もよろしくお願いしますよ。


●研修前に鎮西大社諏訪神社に参拝●.jpg

●研修前に鎮西大社諏訪神社に参拝●


●諏訪神社から見る長崎の街●JPG.jpg

●諏訪神社から見る長崎の街●



【介護記録の書き方研修】
■主な内容
1.介護記録の必要性とその根拠。
  それぞれの業務を通して記録を考える。
2.アセスメントモニタリングを意識した記録の書き方。
3.利用者のしていること、できていることを記録に残そう。
4.個人ワーク・グループワーク:生活場面ごとの事例をもとに記録を書いてみよう。

■研修で行ったこと
・自己紹介(グループ内含む)。
・講義介護記録の必要性とその根拠マニュアルを作成しよう。
  介護過程の展開(生活機能分類を意識した計画及び記録)。
  アセスメントとモニタリングとは何か。
  事例紹介。
・演習ものがたりを共有。介護記録に挑戦。
  グループ発表発表。
  解説・解答例。
  情報共有(今後すること・したいこと)。

まずは、佐藤の研修では定番となっている自己紹介から。各グループ内で各自に1分間スピーチで自己紹介をして頂く。他者の話を聞き、自分の思いを伝えるのだ。このたった1分間という時間が、参加者同士の距離を縮め、緊張感を和らげることになるのだ。だから、たかが1分といって、いい加減にやってはいけない。


●国際生活機能分類について説明する●.jpg

●国際生活機能分類について説明する●



午前中は、講義中心に行った。まずは「介護記録の必要性とその根拠。マニュアルを作成しよう」である。

今回、ここで話す内容は、「佐藤が求める」介護記録であり、必ずしも皆さんの事業所が求めている内容ではないかもしれない。私は、介護職が残す「介護記録」は、医療職が求めるだけの記録になってはならないことを説明した。

そして、ICF(国際生活機能分類)の概念図が示すところの「心身機能の記録」「活動の記録」「参加の記録」「環境(家族や地域)の記録」を意識し、分類することで、効果的な記録を残せることを、事例を用いて解説していった。

さて、宣伝にもなってしまい、好都合(笑)だが、この内容は、中央法規出版のさわやかなwww月刊誌、「おはよう21」10月号(平成29年8月26日発行)特集記事に、佐藤が書かせて頂き、より具体的に書き方についても掲載されている。ご興味のある方は、一読三嘆(笑)して頂ければ幸いである。

ここで、取り上げたのは施設入所されている「千野さん事例」である。

@基本情報、A課題整理総括表、B施設サービス計画書、C個別援助計画書、D個別援助計画書評価を用いて、介護過程の展開を説明した。ここでは、介護職員が作成する「個別援助計画書」の必要性について詳細に説いた。

参加者は、山崎さんからの事前情報のとおり、介護施設はもちろん、通所介護や訪問介護、障害者施設での生活介護などで活躍している方々であった。

佐藤が事例を解説していくと、時として、あまりポジティブではない方々から、自分は○○(よーするに門外漢)だからこのような事例はわからない等の否定的なエクスキューズを頂くこともある(ならなぜ参加したのかは不明だが)。

今回の参加者の方々は、それはそれは佐藤の説明に熱心に耳を傾けて聞いて頂けた。つまり、「大人」なのだ。「私の頭にすべて入っているから細かい記録は不要」とのたまった、どこかの「お子さん」とはわけが違う(笑)。この積極的な関わりは、最後まで崩れることはなかった。素晴らしい。

●お昼はお弁当を頂く●.jpg

●お昼はお弁当を頂く●


●控室にはメッセージも・・・●.jpg

●控室にはメッセージが・・・●



午後からは、演習「介護記録に挑戦」である。演習は、もちろんダイアローグ形式(語り合い)の物語である。最近またにわかに流行ってきた(笑)。佐藤はずーっと前からやってまっせ!(笑) これはもちろん、参加者の方に職員役を演じて頂き、佐藤が利用者その他解説を行うもの。


●参加者に応援を依頼する●.jpg

●参加者に応援を依頼する●


●4人のお手伝いを選抜する●.jpg

●4人のお手伝いを選抜する●


●「現役」は演じるのがうまい●.jpg

●「現役」は演じるのがうまい●



まずは、やり方について。そして、心身機能の物語を題材に説明。その後、4名の方にお手伝いを頂き、「心身機能に対する援助場面」「活動に対する援助場面」「参加に対する援助場面」「環境(面会家族)に対する援助」を朗読する。

はじめに個人ワークをして頂いた。タイムは15分。佐藤は、皆さんが個人ワークをしている間に、会場をリサーチした。

個別に質問に答えたり、今している演習について説明をして歩いたのでした。やがて、「ブタさんのキッチンタイマー」が時間が来たことを知らせる。

皆さんからは、もう少し時間が欲しいとの声。おお、素晴らしいではないか。では、もう10分。会場には、参加者が走らせるペンの音が静かに流れていた。それにしても、皆さん真面目である。


●話し合った内容を記述する●.jpg

●話し合った内容を記述する●


●こちらのスペースにも書いてください●JPG.jpg

●こちらのスペースにも書いてください●


●文章が作成できた●.jpg

●文章が作成できた●



皆さん、1人ひとり、事例をかみしめたところで、次にグループで取り組んで頂く場面を選択して頂いた。ホワイトボードには、1グループは活動、6グループは参加などを書き入れていく。バランスよく担当が決まったところで、グルーープワークがスタートする。

ここでは、先、話し合った内容を、ホワイトボードに書いて頂く方を決めてから、取り組んで頂いた。そして、約30分後、ホワイトボードは各グループでまとめていった、介護記録で埋め尽くされていく。

皆さんは、この時間的空間を経てから、

(1)一人ひとりが物語に向き合い内容を理解できたこと。
(2)自分が書きたい内容を書くあるいは思い描くことができたこと。
(3)自分と他者との考えが同じ、あるいは違いがあることに気づき、意見をすり合わせる必要があることなどを体験できたようである。

最後は、佐藤から、一連の物語の「介護記録」の解答例を読みあげた。実はこの介護記録には、「ですます調」のみで記載したもの、加えて、尊敬語や謙譲語を用いて記載したものと、両者を示した。


●解答例を披露する●.jpg

●解答例を披露する●



もちろん、利用者や家族が読んで心地よいのは、医師や医療関係者のように患者側が「ある種の忖度」をもって許容しない限り、尊敬語や謙譲語を用いた記録である。悲しいかな、行政や介護・福祉関連の人間がこの態度をやれば、いきり立たれる場合も少なからずある。まぁ、人間の扱いが「雑」に見られますからね。

ただし、どうしても長文になってしまうのは否めない。したがって、記録を書く時間がない。あるいは記載するスペースがない等の場合であれば、このような記録を残すのは難しい。個々人としては、である。

その場合、重要となるのが、ズバリ事業所及び組織の取り組みなのだ。介護職員が残す記録を医療職員が読みやすいように「簡潔な記録」を求めたり、介護報酬において、求められている記録のみを書くように指導したりしていると、介護職は、自分の仕事を客観的に捉えることができなくなる。

だから、上層部から求められるような、利用者さんにも技術向上にも、もちろん、何か「有事」の際にも、さして(ほとんど)役に立たない記録を書くようになってくる。書くのが楽だからね。

介護記録は誰のため(なんのため)の記録なのか?

私の個人的な考えでは、「その方が、要介護状態となっても、そこに存在し、我々と同じように喜怒哀楽を表現し、その人らしく成長している証となるもの」と捉えている。なんせ、それがそのまま、自分を守る記録にも、自分の技術を進化させる記録にもなるのだから。

もちろん、介護記録といっても、介護職員はローテーションで働き、その場での関わりの「部分的な記録」に過ぎない。でも、それを振り返って読んでみると、その方の生きてきた道のりが紡がれて物語として残っているのだ。どう対応し、どう成功したか、また失敗したかも残っていることであろう。

最期の時を迎え、その看取り後に行われるグリーフケアにおいて、各介護職員の行ってきた介護(介護技術)を振り返り、お互いを励まし合うことができる記録であること。そんなことが重要なのではないかと考えている。後で呼んでも、何をやったかも、よくわからない記録なんて・・・・ね。

佐藤は、介護職が胸を張り、「これが自分たちがしている介護である」「これが自立支援に必要な記録です」と言える、できる(もうできているところもある)日を目指し、これからも奮闘しますよ(笑)。


●閉会を告げる山崎さん●.jpg

●閉会を告げる山崎さん●



今回の長崎県の研修で関わって頂いた、社協の皆さま、研修参加者の皆さま、有り難う! 季節が変わっても皆さま引き続きご自愛ください。

帰りは幕末好き「ひゃ〜参謀」の要望でシーボルト記念館に寄り、大村市で紙月夢兎(ペーパームーン)にて、美味しい本場の長崎チャンポンを頂き、長崎空港から帰りました。いや今回も楽しかった。カステラも美味しかったし(笑)。

さて、明日は、トンネル抜ければ〜、おれの話を聞けぇぇぇの横須賀で研修です。ではまた!



●シーボルト記念館に立ち寄る●.jpg

●シーボルト記念館に立ち寄る●


●締めは長崎チャンポンですわ●.jpg

●締めは長崎チャンポンですわ●


(襟裳の春は何もなかったかもしれないが、夏は某国のミサイルが通過した。そのうち、「⤴ この上空をミサイルが通りました」という立看板が立つかも知れない。さすが北海道人、強いな!To Be Continued!!)
posted by さとうはあまい at 21:48| 島根 ☁| Comment(0) | 研修会のツボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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