2017年08月14日

奮闘記・第1039回 研修会のツボ/新潟県

●2017年● 新潟県長岡市&新潟市


新潟県ホームヘルパー協議会

訪問介護員スキルアップ研修/意欲を引き出す関わり
〜訪問介護の専門性・介護〜



お久しぶりです。

ただいま夏休み真最中、しかもお盆ということで帰省されている方も多いかと存じます。とは言え、東京から地方へ出るとなると、そりゃまぁ車の大渋滞は覚悟となりますから、そりゃもう大変です。

私の故郷も中央道沿線ですからねぇ・・・、この時期はなるべく帰らないようにしております(笑)。今回は、7月と8月に行った新潟県での研修会の報告です。


●新潟白山神社の奇跡の蓮(でかい)●.jpg

●新潟白山神社の奇跡の蓮(でかい)●


●新潟白山神社は夏祭りであった●.jpg

●新潟白山神社は夏祭りであった●



新潟県ホームヘルパー協議会さんとは、かなり長く関わらせていただいている。通常はサービス提供責任者の研修であるが、今年度は新たに訪問介護員のスキルアップ研修の依頼をいただいた。

聞くところによれば、現場で働くヘルパーさん達は、介護保険制度と総合支援事業の狭間でご苦労され、疲弊されている方々もおられるため、「佐藤に励まして欲しい」とのご要望であった。

なるほど、確かに在宅を支えるヘルパーさんは、介護保険制度に振り回されているのは確かですね。まぁご自分で振り回されているキライもないではないが。

その原因のひとつには、介護支援専門員のアセスメント不足によるものと、サービス先行型のプランニングのあり方。もうひとつには、サービス提供責任者の説明不足が考えられでしょう。

そこで、今回は訪問介護員が抱えている課題を明らかにすること、総合支援事業等で求められている、利用者の意欲を出す関わり方に焦点をあてて研修を展開することとした。


●こちらは長岡会場●.jpg

●こちらは長岡会場●



■研修で行ったこと
(1)総合支援事業と訪問介護
(2)訪問介護のしているサービスとは
  ・自立を支援する関わり(共にする介護)とは
  ・ICFの視点を意識しよう
(3)今後自分たちが取り組むこと


1.総合支援事業と訪問介護
ますは、訪問介護の仕事について、常日頃困っていることや、要望を明らかにした。手法はKJ法(様々なデータを出し合い、それぞれ分別し解決策を見出す手法)である。自己紹介後、各グループに摸造紙、ポストイット、名前ペンを配布した。

まず導入部分はこんな文章から(私に対するお問い合わせより)。

《いつも思います。私たち訪問介護は、研修の中でアセスメントをしっかりと行い、利用者の「こうなりたい」「これができるようになりたい」という希望を聞き出して、短期目標を設定し、自立支援に向けた援助を行うということはまさにその通りであろう。》

しかし、ケアマネはどうだろうか?

《利用者より、腰痛・膝痛があり長時間の立位が困難なので、「ヘルパーさんに「調理」「掃除」をお願いしたい」という要望を受け、そのままをケアプランに落とし込み、依頼してくる。その中で私たちヘルパーはどうしたら良いのでしょうか?》

《ケアマネのケアプランが上記であっても、私たちの作る「訪問介護計画書」は細かく落とし込んでもいいのでしょうか?ケアマネがそこまで利用者にアセスメントをして了解してもらっていない現状の中で、私たちヘルパーはやりにくいと思っています・・・。》


●新潟会場の風景●.jpg

●新潟会場の風景●



さてさて、参加された皆様も多かれ少なかれこのような経験をお持ちかもしれない。そこで、ここからはこのようなことを明らかにしていきたいと思う。

(1)ヘルパーの困りごと。
(2)その困りごとをどうしたいのか、どうなりたいか。
(3)解決する手立てを考える。

ほんの一部をご紹介する。

●「困りごと」を書き出してみる●.jpg

●「困りごと」を書き出してみる●


●似た者同士を集めてみた●.jpg

●似た者同士を集めてみた●



1)ヘルパーの困りごと
@本人はヘルパー利用を希望しておらず、援助をしても文句ばかり言って困る。
A入浴介助に入るも、昼間は入りたくないと拒否されて困る
B洗濯物の中に家族の衣類も入っていることもあり困る。
C部屋がゴミ屋敷。どこから手をつけていいものやら困っている。
D子どもたちの意見がそれぞれ食い違い、ヘルパーの援助に対してそれぞれがクレームを出して来て困る。
E掃除の人が来たと言われ自分では何もしないで困る。
Fごみを野焼きしていることがあり困っている。
Gポータブルトイレへ移乗するが、機能的に難しく危険があり困っている
H訪問中お酒を飲まれていて、仕事にならなくて困る。
I介護者がそばにいて「していること」を見ていて、1つひとつ指図されて困る。

その他、写真のとおり、山のようにあった(笑)。これら様々な「困りごと」をグループ分けして、名前を付けてみた。

@家族に介護保険制度について理解がなくて困る。
Aサービス内容があっていなくて困る。
Bヘルパーの仕事を理解していないで困る。
Cヘルパー同士の連携が取れずに困る。
Dケアマネが提案などを聞いてくれなくて困る。

などなど。

2)その困りごとをどうしたいのか、どうなりたいのか
@家族にも介護保険制度について理解して欲しい。
Aサービスを見直して欲しい。
Bヘルパーの仕事を理解して欲しい。
Cヘルパー同士が話し合う場を持って欲しい。
Dケアマネに現実を知って欲しい。

などなど。

さらに、出た要望を同じような内容で「島」をつくってみた。

@介護保険制度の理解
Aケアマネ関係
Bサービス提供責任者関係
Cヘルパーの連携方法

3)解決する手立てを考える
さて、困りごとや要望を出すだけでは、「口」だけで終わってしまいがち。ここからはその意向を濃工夫するための解決策(案)を考えないといけない。

@利用者・家族に介護保険制度について理解していただくため、その都度説明する。
Aサービス提供責任者に「困りごと」を伝え、モニタリングをしていただき、ケアマネに報告して計画を見直していただく。
Bサービス提供責任者に、同行していただき、指示を仰ぐ。
Cヘルパー同士で話し合う機会を設け、工夫していることを伝え合う。

などなど。

実はこの工程で、「困りごと」を明確にする意向を出す提案(専門家の意見)するをすり合わせること=アセスメントと言う。

そうなのだ。アセスメントって、情報を収集するだけと思っていたあなた。このめんどくさい工程を「アセスメント」という、わざわざアローなんとかというものは全然不要である。

だから、ケアマネさん達も、説明を省いたり、専門家の提案を省いたり、利用者や家族の「困りごと」や「こうして欲しい」に振り回されてしまうのかもしれないなぁ・・・って共感してどうする!

ホント。それが仕事のケアマネさん達には、もっとしっかりやって欲しい、はい

そうそう、この演習を佐藤は1時間30分かけて行いました。その間、佐藤は、各グループをまわり参加者の話に耳を傾けたり、アドバイス等を順次行った。

そして、このように自分たちの現状を可視化することで、1人ひとりがいろいろな気づきを得ることができた。

2.訪問介護のしているサービスとは
さて、後半は、《ショート・スリラー》ならぬ、動画「勝浦さん事例」を見ていただき、ヘルパーのしている援助を書き出していただいた。

この動画の中で「ヘルパー」(役)の役をしている、「意欲を引き出すかかわり」についてをICFの共通言語とその内容を解説しながら講義を行った。

訪問介護の仕事は、生活援助身体介護に分類できる。生活援助では、掃除、洗濯、調理などを本人に代わって行う代行といわれるもの。代行なので、その行為を行えば援助は終了である。

もちろん、援助に入るわけなので、本人の健康状態を把握することも含まれてはいるのだが・・・。

一方、身体介護にある 「自立支援のための見守り的援助」となると、代行的に家事を行えばよいというわけではない。もちろん、本人のできることは本人にやって頂き、できない所をヘルパーが行うというような安易な援助でもない。

「本人のできる所は、本人ができるように励まし、できない所は、本人の意向を伺いながら、本人がした気持ちになれるようにヘルパーが行う」のですから。

へっ? どういうこと? わからないかなぁ(笑)。

3.今後自分たちが取り組むこと
では、具体的にヘルパーのしていることを可視化(文章)してご案内しょう。ああ、ここでもアローなんとかは不要である(笑)。

@訪問し、あいさつをして、体調をうかがう。
これは「心身機能」への支援である。具体的には体の痛みや、具合をうかがっているのだ。
A本人に本日のすることを説明して同意を得る(手順を確定する)。
これは「参加」への支援である。本人の意向を伺い、その中でご本人にできることを役割として依頼する。依頼するのだから、その行為を「して頂いた」時には、そりゃあ、もう感謝を伝える。
B排泄への気遣い、移動の支援。
これは「活動」への支援である。ヘルパーは作業に入る前に、利用者にトイレに行く必要性の有無をうかがう。そして、作業中や、屋内を移動する時には、転ぶことがないように注意を喚起し、危険がないようにそばに寄り添い、見守っている。
C洗濯物を干す支援。
これは「活動」「参加」への支援である。サービス内容に明記してある《メインテーマ》なのだ。ここでは、洗濯物を干す行為の中で、瞬時に、「できること」「できないこと」を把握し、必要な援助を行う。例えば、小さい洗濯物を自身で角ハンガーに干せるように、揺れてしまう、角ハンガーを押さえたり。あるいは、自身でピンチを開き、洗濯物を挟む行為を認めたら、「まだ、力がありますね!」「自分で干せて良かったですねぇ」などと、「している」行為を称賛するなど。
D連絡帳に記録を書く。
これは環境への「支援」である。家族への連絡帳に本人がしていたこと、できたことを記載して、安心していただこう。

つまり、ヘルパーのしている援助は、「洗濯物を干す」という行為ではなく、本人のそばに寄り添い、本人のしていることやできそうなことを継続できるように励まし、協力動作には、感謝を伝え、最後に本人が頑張ったことについて労をねぎらうという援助者として当然の行為である。

これらは、ヘルパーであれば、誰でもしている当然の行為なのであるが。それを文字化すると、「声かけ」「見守り」「安全確認」などとなるものだから、他者には伝わりにくくなる。ましてや、介護支援専門員は、ヘルパーのしていることに「意欲の向上」が含まれているなんて考えてもいないのだ(笑)。

なんせ、他者との交流は通所介護のような集団でなければ得られないと考えているのだから・・・。

ヘルパーならば誰もが知っていること。それは利用者さんがヘルパーの訪問を受けることで元気になるということであろう。はじめは、パジャマ姿であった方が、ある日は服を着替えていたり、ある日は、新聞をまとめてくれたり、ある日は玄関先で待っていてくれたり・・・。

これは利用者の中で、ヘルパーさんとの関わりを通して、社会性を取り戻し、他者を迎える楽しみや喜びを取り戻したと考えられる。

介護保険制度の改正(改悪)、総合支援事業への無資格者の参入、などなど。どうやら、ヘルパーの役割は狭まっているようだ。今こそ、自分たちヘルパーの役割を1人ひとりのヘルパーが発信すること。それが1番求められていることだと思うがいかがだろう。

さて、四季も移り変わり、箸で蝉を追いかける時期となりました。いまは百日紅が満開です。皆さん、ご自愛くださいませ。



●昼食をいただく●.jpg

●昼食をいただく●



(巨人・阿部選手の2000本安打達成に際し、DeNAの〇香選手のコメントは「(阿部さんの)打撃フォーム連続写真をおかずに何杯でもご飯を食べられる!」ってさ。〇香選手も2000本安打、頼みましたよ!To Be Continued!!)
posted by さとうはあまい at 16:23| 島根 ☁| Comment(0) | 研修会のツボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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