2017年06月16日

奮闘記・第1036回 研修会のツボ/静岡県

●2017年● 静岡県静岡市


静岡県社会福祉協議会 静岡県社会福祉人材センター

「平成29年度 介護記録の書き方講座(入居・入所編)」



研修の目的:施設内の他の職員と情報を共有し、チームケアを実践するには、何をどう書けばいいか・要点をどうまとめて書けばいいのか。そんな悩みを解消し、「伝わる記録」をかうためのポイントを学ぶ。

さてさて、昨年(2016年)に引き続き、やってきました静岡県!本日の天気は梅雨の合間の晴れ。ただし、梅雨には変わりなく、富士山は雲に隠れて勇壮な姿をみることはできない、残念!!

佐藤は例のごとく、前日から研究所・マツダのデミオ、コードネーム、“カナメイシ君”(空は飛ばない)に、「ひゃ〜参謀」を押しこみ、静岡入りを果たしている。

もちろん、この間あちこち見聞したのだが、その報告は後日機会があれば・・・ということで、今回のブログは、静岡県で活躍している介護職員の方々との関わりを報告したい。

まずは朝の《猪出没注意》の張り紙のある、静岡浅間神社から参拝(まぁ、わが故郷の諏訪大社などは熊出没注意ですよ、ハハハ)。

朝から大吉をいただきました。あ、佐藤は、ですよwww。

●静岡浅間神社を参拝!●.jpg

●静岡浅間神社を参拝!●



さて、静岡県社会福祉人材センターさんでは、様々な、それはそれは研修を企画・運営している。佐藤が受け持ったのは、「介護記録の書き方(入居・入所編)」であった。ちなみに居宅編は8月に開催する予定となっている。

研修に先立ち、担当者と研修内容に対して、新担当者と相談を重ね、下記内容を行うこととした。

@アセスメントとモニタリングを意識した記録の書き方。
A利用者のしていること、できていることを記録に残そう。
B活動・参加・環境に対する支援も記録に残そう。
C終末期・ターミナルを迎えた方に対する支援と記録(多職種協働)。


■研修で行ったこと
【自己紹介】(グループ内含む)
1.ワーク:利用者の援助を行うために必要な情報とは何か
 「どのような情報を知っている必要があるか」
  自分で考え。グループでまとめる。
  グループで出された内容 を分析してみよう。
2.講 義:介護過程の展開・アセスメントとモニタリングとは何か
3.ワーク:介護記録に挑戦
  事例をひもとき、介護場面をダイアログで再現。介護を記録に残す演習。
  自分で考え。グループで考え。発表する。
  解説:解答例を案内。
4.講 義:終末期・ターミナルを迎えた方に対する支援と記録
5.ワーク:現状把握(持ちよった帳票と記録の書き方を共有)

研修は、最初からグループ方式で行う。この日は1グループ6名とした、A〜Gまでのグループができ、総勢42名の参加である(有り難うございました)。

はじめに各グループ内で自己紹介を行う。1人1分間である。自分の名前を案内した後で、上半期に起こった思い出深い出来事を伝えていただく。

そして、皆さんがお互いの事を知ることによって、徐々に緊張がとけていくのだ。なんせ、これからグループワークを行うのだから、互いの自己開示が必要なのですよ、ええ。


●援助に必要な情報を書き出した●.jpg

●援助に必要な情報を書き出した●



1.ワーク:利用者の援助を行うために必要な情報とは何か
介護職員が、利用者に必要な支援を行うためには、事前にその方がどのような人なのを知っている必要がある。そこで、まず皆さんに、支援に必要な情報とは、いったいどのようなモノなのかをワークシートに書き出して頂きました。

その手法は、まず自分で考え、その後、他者と情報を共有し、どのような内容が出されたかを分析するという方法である。

佐藤はいつものごとく《かえるくん》のタイマーを片手に、会場を歩き回る。そして、5分経過したのち、他者と語り合い、情報を共有するように伝えます。

ここからは、グループメンバーの積極性に関わってくる。多くは、最初にメンバーの中で口火を開いた者が、そのままグループのリーダーとなることが多い(笑)。もちろん、そのような人がいないグループでは、お互いの顔を見つつ、最終的にはジャンケンで役割を決めていたようです(笑)。

その10分後には、グループで出た内容をA3用紙にまとめていただいた。ただし、この用紙は、項目を以下4つに分けている。

@健康についての情報。
Aしていることやできることについての情報。
B他者との交流や、楽しみについての情報。
C地域や家族とのつながりについての情報。


まぁ、いうなれば、「ICF」(国際生活機能分類)概念図に当てはめていただいたわけですから。


●グループで説明する佐藤●.jpg

●グループで説明する佐藤●



その結果、各グループとも、4つの項目を埋めることができた。情報量として、

@健康についての情報。
Aしていることやできることについての情報。
B他者との交流や楽しみについての情報。
C地域や家族とのつながりについての情報。


となり、@に対して、Bが少ないという結果となった。実は、ここに挙がった内容は、即、常日頃の「介護記録の傾向」につながっており、皆さんの介護記録では、健康状態の記録が多いことがうかがえた。

2.講義:介護過程の展開・アセスメントとモニタリングとは何か
10分の休憩をはさんで、後半は、講義を行った。ここでは、施設サービス計画の作成法について簡単に説明し、アセスメントとモニタリングの違いについて説明しました。
アセスメントとは、「課題」=「ニーズを把握する」こと。

@利用者の現状を把握すること。
Aその現状においての困りごとを明確にすること。
Bその困りごとをどのようにしたいと思っているのか(要望)を明確にすること。


この結果が、課題(ニーズ)となる。


例)現 状:自分で車いすを操作してトイレへ行っている。
  困りごと:1人で便座に移れない。
  要望  :1人で便座に移れるようになりたい。
  ニーズ :トイレに行って用を足せる。
  目標@ :訓練室へ行き、移乗方法を体得する。
  目標A :生活リハビリを実施する(訓練を実践で活かす)。

こうして、介護職員は、この目標に向かって必要な援助を提供しているはずなのだが・・・。ご存知のように、利用者の生活状況も日々様々である。

計画作成時には、自分でトイレに行って、便座に移りたいと思っている人でも、いざ実践となると、あちこち痛いし、うまくできないし、めんどくさい。目標に向けた支援が難しいときもあるでしょう。

そんなときにも、1人ひとりの介護職員は、「それぞれが持つ対人援助技術」によって、なんとか対応しているのだ。

この「それぞれが持つ対人援助技術」とは、「説明方法,励まし方、感情の受け取り方、共感方法」など様々であるが、これらを記録として残しておく必要があるのだが・・・。そして、モニタリングとは、一定期間、計画に沿って援助を提供した結果である。

@利用者の現状が前回とどのように変化したか。
Aその現状においての困りごとがどのように変化したのか。
B要望がどのように変化したのか。


@〜Bを調査すること。

その結果、「改善・維持・悪化」の評価が可能となる。

@よくなった場合は「改善」。
A変化がない場合は「維持」。
B悪くなった場合は「悪化」。


そして、こられの情報をまとめるときに、先に示した「ICFの視点」でまとめると、なんとまぁ、まとめやすい(笑)ということを説明したのである。


●昼食になかなかのお弁当をいただく●.jpg

●昼食になかなかのお弁当をいただく●



3.ワーク:介護記録に挑戦
昼食後は、いよいよ事例を使用して、介護記録に挑戦していただいた。ここでは、佐藤が作成した「施設サービス計画」(ICFの視点で作成)をもとに、ご存じ物語(ダイアローグ形式)を作成。皆さんは、その場面に登場する介護職員になりきり、その介護を行ったことを想定して記録を書いていただいた。

今回「登場」した方は、要介護4の石山さんである。脳梗塞後遺症、右麻痺。

課題は(この方の)

@「心身機能」に対する援助の記録。
A「活動」(日常生活動作)に対する援助の記録。
B「参加」(他者との交流)に対する援助の記録。
C「環境(家族との関わり)に対する援助の記録。


である。佐藤は、ダイアローグ形式の演習課題を案内するときに、職員役を参加者から募集した。まぁ、そうはいってもどこでも、なかなか、たまにしか、手は上がりませんねぇ(笑)。

そこで、ジャンケンで勝った方に協力を依頼した次第です。4名の方々ご協力ありがとうございました。一通りの台本読みが終了した時点で、各グループに記録を書く「場面」を決めてもらった。各ループが挑戦する場面が決まったところで、いよいよ、記録を書いていただく。

なお、記録の書き方(マニュアル)には、記載方法を、適時、尊敬語や謙譲語で、丁寧に書くこと。利用者を「本人」、介護者を「自分」と記載すること。特記事項に気づきを記載することが定めてあると想定した。

自分で考える時間は当初5分と決めたが、5分では無理無理無理無理無理無理(笑)ということで、さらにサッカーのロスタイム的(笑)に5分追加してまとめていただく。

次にグループでまとめる。ここでは、研修担当・後藤氏の協力を得て、グループのまとめをA3用紙に記載する。グループでのまとめは、約15分。この間、自分たちの帳票を見せ合いながらのデスカッションが弾む。

その結果、各グループの介護記録が出そろった。いやいや、皆さんしっかりと書くことができているではないですか。

佐藤は、1枚1枚読んでいったが、尊敬語や謙譲語で示された記録は、読んでいても気持ちが良い。最後に佐藤が作成した解答例を配布し、解説した。


4.講義:終末期・ターミナルを迎えた方に対する支援と記録

ここでは、佐藤伸彦・著、『ナラティブホームの物語』(医学書院)を取り上げ、終末期を生きることへの支援で大切なこととして、「1人の人間の人生として、ものがたられる《いのち》を記録に残すこと」を案内しました。


●参加者の協力を得て物語をつむぐ●.jpg

●参加者の協力を得て物語をつむぐ●


●会場の雰囲気もよかった●.jpg

●会場の雰囲気もよかった●



そして、最後に「グリーフケア」(悲嘆の介護)という考え方について案内した。

グリーフケアとは、身近にいた人を亡くしたことで、出現する深い悲しみへの介護を指す。施設でも、死別後、遺族が悲嘆の過程を通過していくために、故人について語り合ったり、自分の感情を制圧せずに表現できるように促すような働きかけをしているところも多い。

もちろん、施設では、利用者が亡くなると、その時点でケアは修了するわけであるが、皆さんがすでに行っているこれらのグリーフケアもその方の「介護の記録」として、残すように心がけましょうと伝えた。これにてちょうど終了。

さてさて、今回の研修も皆さんの協力のもと、無事に終了することができました。どうもありがとう。皆さまどうぞ、お元気で!!


●介護記録の出き上がり!●.jpg

●介護記録の出き上がり!●


(某先進国の高層ビル火災は他人ごとではない、ひどすぎる。あれじゃまるで《ローソクビル》だものなぁ。・・・実際に火事や地震が来ないと防火システムが動くかどうかは神のみぞ知るだ!To Be Continued!!)
posted by さとうはあまい at 14:19| 島根 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 研修会のツボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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