2014年12月10日

奮闘記・第950回 研修会のツボ/千葉県

●2014年● 千葉県千葉市

千葉県社会福祉協議会 社会福祉研修センター

居宅ケアマネジャースキルアップ研修
ケアプラン作成点検演習
〜なるほど!ザ・アセスメント〜



皆さま、お元気でしょうか。

今回は千葉県での研修会のお話です。

千葉県社会福祉協議会 社会福祉研修センターさんでは、介護支援専門員(ケアマネジャー)向けの研修として、スキルアップ研修を行っている。

しかし、介護支援専門員は、国が定めた研修も少なからずあるせいか、法定研修に出ることで精いっぱい。スキルアップ研修を企画してもなかなか集まらないと伺っていた。

今回は「介護支援専門員の旬な話題を」ということで、「課題整理総括表と評価表」の書き方及び使用方法に着目した研修を行うことにした。

多くの方に参加して頂こうと、事務局の方々の頑張りもあり、定員を超えての応募があったという連絡を頂いた。

当日は、いつものように、研究所の愛車・やぼちゃんで千葉に向かった。まず、千葉神社を参拝。その後、ゆるゆる(笑)と会場入りした。


●千葉神社を参拝●.jpg

●千葉神社を参拝●


●ロイヤルホストで朝食●.jpg

●ロイヤルホストで朝食●


■研修で行ったこと
(1)ケアマネジメントのプロセスを再確認
 〇課題分析標準項目の記入内容と生活機能について。
 〇課題整理総括表の記入方法を理解する。
  (ICFの視点を用いてニーズをまとめる。)
(2)チャレンジ課題整理総括表
  (長期目標・短期目標の作成方法を理解する。)
 〇モニタリングの視点から。
  (評価表の書き方を理解する。)


●参加者は定員超え●.jpg

●参加者は定員超え●


(1)ケアマネジメントのプロセスを再確認
はじめに、資料をもとにケアマネジメントのプロセスを振り返った。そして、介護支援専門員が行うアセスメントと、サービス事業所が行うアセスメントとの違いを再確認した。

続いて、厚生労働省が平成26年6月17日に出した、「課題整理総括表と評価表の手引き」を読み込み、どのような経緯でこの帳票ができたのかを解説していった。

ここからは、佐藤が作成した事例をもとに、課題分析標準項目の記入方法と、アセスメントから課題を導き出す方法を説明した。

なぜならば、「課題整理総括表」を作成するには、その前段階として、きちんとアセスメントをしておく必要がある。まぁ、皆さんからすれば、各事業所のソフトに必要事項をインプットさえすれば、課題らしきものが、いくつもいくつも、抽出できるかも知れないが。

さて、いよいよ、課題整理総括表の記入方法についてである。まずは、項目に沿って利用者の現在の状態に該当する箇所に○印を付ける。

その際、「自立」および「支障なし」以外に〇印がついた場合には、なぜ、自立や支障なしではないのか、その自立および支障なしではない要因を上部にある「自立した日常生活の阻害要因」欄に記入する。

さらに、この「自立した日常生活の阻害要因」は、疾病名ではなく、心身の状態や環境等を加味した要因を記入する必要がある。

例えば、@長期入院による筋力低下。あるいは、A娘がさせない。または、B妻の急死による意欲低下。C生活習慣としてしたことがない。

などなど。要因は、6マスあるが、増やしても良いとしている。次に介護支援専門員として、今後、サービス利用等により、現状が、改善されるのか、維持されるのか。それとも悪化するのか。その可能性について「改善・維持・悪化」のあてはまる項目に〇印をつける。

備考欄には、状況や支援内容等を記入する。問題は、この備考欄だ。この欄は、空白のスペースが広がっている。この白いスペースをみると「見本」などがないといったい何を書いて良いの分からないかも知れない(と言うのも困りもんだが)。

厚労省が出した「手引き」(と呼ぶのはいささか甘やかし過ぎのような気もするが)には、「項目別に状況を記入する。」と書かれているが、それをいざ書こうとすると、今度はスペースが狭くて行をはみ出してしまうのだ。

そこで、佐藤はこちらに記入する項目を目立たせるために【  】などを用いて、自分なりに整理して記入してみるように説明した。

【  】を使うことで、読み手には、何の項目が記入されているかが、ひと目でわかる。

次に、この帳票のキモである、「見通し」欄について。ここも、白いスペースが広がっているだけ。何をポイントにして記述したら良いのかわからない(それがねらいなのか?)。

ここで、佐藤は「ICFの枠組み」について説明し、今後の見通しを考えるための視点として

「心身機能」の見通し。
「活  動」の見通し。
「参  加」の見通し。
「環  境」の見通し。

として、項目立てをすることにより、生活機能を網羅した計画ができることを説明した。

そういうわけで、佐藤が示した課題整理総括表には、

【心身機能】【活動】【参加】【環境】
の4つの課題が分類されて出ているのだ。ここまで、説明すると、会場からは、

「なるほど、そう考えればいいんですね」
「手引きを読んだだけでは分からなかったことが、ストンと理解できました」

などなどの感想が漏れ、聞こえてきたのであった。


●昼食にお弁当をを頂く●.jpg

●昼食にお弁当をを頂く●


●事例を用いて解説●.jpg

●事例を用いて解説●


●インプットとアウトプットの関係性●.jpg

●インプットとアウトプットの関係性●


●ICFの枠組みについてその捉え方を説明●.jpg

●ICFの枠組みについてその捉え方を説明●


(2)チャレンジ課題整理総括表
(長期目標・短期目標の作成方法を理解する。)
午後からは、各自が持参した事例をもとに、課題整理総括表の記入にチャレンジして頂いた。作成時間は30分。

皆さん、現状については、難なく○印を付けることができた。ただし、「自立を阻害している要因」となると、何と記入すれば良いのかわからない様子であった。

「認知症」「糖尿病」「脳梗塞後遺症」などなど、病名が並んでしまうのだ。

そこで、佐藤は、そばに寄り添い、ささやく。

「認知症からくる何が問題で自立できないのかしら?」

「ええと、忘れてしまうんですよね」
「ということは「記憶力の低下」があるということかしらね?」
「なるほど、それをここに書けばよい、と」

また、別の方の場合には、

「この方は「糖尿病の何が問題」なのかしら?」
「食事療法ができなかったり、低血糖を起こしたりするのです」
「なるほど、ということは自立を阻害している要因は「血糖コントロールができない」ということかしらね?」
「なるほど、そうか!」

佐藤が、問いかけることによって、病名ではなく、阻害要因を見つけることができたようであったが、さてさて、次の問題は、備考欄である。

皆さんは、利用者の現在の状況を把握していますが、このような白いスペースに文章を埋めるときの傾向として、

「〇〇のために××ができない」

あるいは、

「△のために、〇〇している」

など、全てに理由をつけて記入したくなる傾向がある。それでは、記入するスペースが足りなくなる恐れがあるだろう。そこで、なるべく状況がストレートに理解できるくらいにあっさり書くように伝えた。

最後の難関は、見通し欄である。

ここは、ICF(生活機能分類)が示す言語の意味を理解していないと、分類すること、そのものが、難しくなるかも知れない。さらに、ここでは、自分の考えをまとめて、文章にする能力、すなわち文章力が必要になる。

その結果、皆さん個々の職業的文章能力の差が歴然と出てしまった。主任ケアマネであろうと思われる人々は、さすがに、すらすらと書くことができていた。要は慣れであろう。

一方、経験年数が短い人や、しばし、介護支援専門員の職から離れていた人々は、かなり苦戦されている様子が伺えた。

時間内にでき上がった方たちからは、

「この方法だと、利用者に必要な援助が網羅されるからわかりやすい」
「自分が支援する人々、全件をこの帳票で書いてみようと思います」

などなど、前向きの意見を聞くことができた。

しっかり、記入できた方は、他の事例でもしてみることを推奨したい。残念ながら、時間内でできなかった方も、再度、落ち着いて帳票と向き合ってみてほしい。

「自分にはできない」と諦めるのではなく、「してみることが重要」である。

しなければ、できないが、してみれば、できることは間違いない。いや、できるまでやるのがプロである(笑)。

〇モニタリングの視点から
(評価表の書き方を理解する。)

さて、研修も終盤を迎えていた。

ここからは、先ほどの事例から、個別サービス計画(訪問介護計画)を導き、一定期間サービスを実施したあとに作成した「評価表」を紹介した。

介護支援専門員が作成する、「居宅サービス計画」ICFの視点で作成されれば、その延長線上にある「個別サービス計画」ICFの視点で作成されてくる。そうなれば、短期目標等が重複せず、評価もしやすいというものであろう。

佐藤が作成した評価表では、「サービス提供責任者が記入した想定」となっている。ただし、手引きでは、評価表はあくまでも介護支援専門員が、各サービス担当者から情報を収集することになっている。

そのため、皆さんは、自分が関わっている事業所等には、これらの帳票を示して、協力を求めるのが良いと思う。

これら帳票を示すことで、サービス事業所も、モニタリングがしやすくなるだろうし、何よりも利用者の生活機能の全てを網羅した情報収集が可能になると思う。

本日の研修はここまで!


●評価表の使用方法について解説●.jpg

●評価表の使用方法について解説●


●皆さん最後まで熱心に参加してくれた●.jpg

●皆さん最後まで熱心に参加してくれた●


課題整理総括表も、評価表も、「使用しなくて良い」と放置するのではなく、どんな使い勝手があるのか、自分なりに興味を持ち、チャレンジする気持ちが大事であろう。そのうち、「絶対使え」と言われることもあるかも知れないし、気分(新たな利権?)で別の新・帳票類を押し付けてくるかも知れないが(まるで宇宙人の侵略対策みたいだが)。

現在行われている、社会保障審議会介護給付費分科会では、介護支援専門員が、居宅サービス計画に位置付けた指定居宅サービス等の担当者から個別サービス計画を求めること、として、運営基準の見直しが行われている。

今更であるが、居宅サービス事業所が作成する個別サービス計画は、介護支援専門の居宅サービス計画に沿って作成することになっている。

介護支援専門員は、居別サービス計画が作成しやすいような心遣いをする必要があると思うのだが、いかがであろうか。

さてさて、師走に入りました。

「冬来たりなば、春遠からじ」
(If winter comes,can spring be far behind.)


得意(?)の詩人・シェリーの詩のフレーズですが、暗く、寒い冬や夜でも、必ずや開けるときが来る(はず)。

皆さま、今年も恐らく忙しい日々が続くと思いますが、お互い1日1日を有効に過ごしましょう。とは言え、やはり寒い。くれぐれもご自愛ください。!


●ドンペンちゃんがお出迎え(笑)●.jpg

●ドンペンちゃんがお出迎え(笑)●


(もうすぐ選挙であるが、●民党や民△党は、もう少し「冬の時代」であったほうがいいかも、国民にとってはね。でも問題は、その他にろくな政党がないってことかな!To Be Continued!!)

posted by さとうはあまい at 13:54| 島根 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ケアマネジャー(介護支援専門員) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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