2011年08月30日

奮闘記・第749回 見聞録/富山県

●2011年● 富山県中新川郡立山町


立山カルデラ砂防博物館へ行ったぞ!

〜ここには果てしなく続く、自然と人間との闘いの記録があった〜



偶然か? はたまた、件の東日本大震災の影響か? 佐藤は、霧島連山の新燃岳が噴火、島原の雲仙普賢岳の火砕流の傷跡の地をまわって来た。


今度は、知りそうで知られていない、富山県で起きた土石流を取り上げよう。佐藤もここへ来るまでは、富山県でこんなに重大な災害が起き続けていたとは思わなかったのだ。


今年は、災害ばかりだが、やっと三陸沖の津波によって、それらの災害が「点と点」ではなく、「点と線」で結ばれてきたところだが、甘かった。いやいや、甘かったね。我々は災害に関する考え方がさ。


とある日、ANAの羽田の使い勝手の悪さや、着陸時に“ドーン!”って着陸するANAの飛行機に苦戦しつつ、富山空港に降り立った。



●今日はANA、勝手が違うなぁ●.jpg

●今日はANA、勝手が違うなぁ●


●飛行中のANAの翼(右)を確認?●.jpg

●飛行中のANAの翼(右)を確認?●



飛騨山脈(北アルプス)の北部にあるという、立山連峰が見事に映し出された写真が目に飛び込んでくる。いまだこの景色を実際に観ることは出来ていないのだが、さぞや良い景色なのであろう。


帰りに空港のレストランで食べたのだが、お店に置いてある「立山連峰がはっきりと見えた写真」がメニューと並べて置いてあった。


「どこらあたりが雄山(主峰)なんですか?」


試しに聞いてみた。それはそれは丁寧に位置を教えてくださった。何度も富山には来ているのだが、かの大伴家持も見たであろう、雄山を中心とした、あの風景が見ることが、まだないのだ。


お店の方は、いつかぜひご覧になって頂きたいですねぇなどと、慰めてくれたのだが、最後にキツイ一言。


「ここ(富山空港)に勤めている私達には見慣れた風景なんですけど(しょっちゅう見とるっちゅうこっちゃね)」


はいはい、そうでしょうとも。我々も東京スカイツリーを毎日見させてもらいまっさ(笑)。うううん。マジで見ることができないのが残念じゃ!


富山県には、西には日本海が、東には立山連峰がそびえていた。その立山には、先ほどの主峰・雄山(おやま、3,003m)、大汝山(おおなんじやま、3,015m)、富士ノ折立(ふじのおりたて、2,999m)などの峯が連なっている。


佐藤は、こちらに来たら、とにかく越中国一の宮雄山(おやま)神社を参拝する。しかも雄山神社前立社壇のほうで、中宮祈願殿ではない。同じ越中国一の宮射水神社は町中だしね。


前立社壇とは、神仏習合時代は岩峅寺(修験道ですから、お寺です)とされた。雄山神社峰本社は、冬期には雪のために登拝することができないので、里宮として前立社壇、つまり岩峅(いわくら)寺(現・岩峅雄山神社)が建立されたのだ。


今回も、雄山神社(前立社壇)を参拝して、仕事の無事を祈願した。その後、立山カルデラ砂防博物館にむかった。



●雄山神社(前立社壇)を参拝●.jpg

●雄山神社(前立社壇)を参拝●


●良い神社は、スズメバチ、熊、マムシもやってくる(?)●.jpg

●良い神社は、スズメバチ、熊、マムシもやってくる(?)●



立山カルデラ砂防博物館に着いた。いやいや、知らないというのは恐ろしい。てっきり某宗教団対策の「破防法」みたいなモンだと思っていた(ないない)。しかし、なぜ「博物館」なのだろう? 問題の博物館は、富山地方鉄道の立山駅に面した広場の中にあった。


そうそう、この鉄道こそ、映画「RAILWAYS」の第2弾の舞台となる鉄道なのだ! 第2弾主演の運転手役・三浦友和も、息子(「RAILWAYS」第1弾で準主役の運転手役)の三浦貴大に負けるわけにはいかん。


うううん、どうでもいいか(笑)。できれば、富山で観たいところであったがそれは難しそうだな。でもぜひ是非観たい映画である。



●立山駅の近くに博物館はある●.jpg

●立山駅の近くに博物館はある●



さて、広場には大型バスが連なり、登山客や、観光客が列をなして歩き、それは、それは賑やかで、立山の人気をうかがうことができた。松山さん、富山県は立山以外にも見所はたくさんあるけど、立山はやはり凄いところですよ、はい(笑)。


佐藤は、車を博物館の駐車場に置いて中に入った。この博物館は、「立山カルデラの自然と歴史」及び「砂防」の二つのテーマを「知られざるもうひとつの立山」と位置づけ、博物館活動をとおして、立山カルデラにおける人と自然の関わりを広く紹介することを目的として建てられたものだという。


中に入ると、1階にある映像ドームにて、立山の歴史が放映されるというので、3Dメガネを持ち中に入った。


上映された内容をかいつまんで紹介しょう。


この立山連峰の中ほど、立山の南西、五色ヶ原の南西には鳶山がある。鳶山には、かつて大鳶山(おおとんびやま)と小鳶山(ことんびやま)のふたつの頂きがあった。


その山が、1858年4月9日(安政5年2月26日)に発生した飛越地震によって、
鳶山崩れが発生し、大鳶山と小鳶山は大崩壊を起こした。


この大崩落により、大鳶山と小鳶山は完全に消滅し、立山カルデラの中に大量の土砂が流れ込み、その結果、山の形が、現在に近い形になった。


その立山カルデラは、火山活動と浸食作用による独特の自然をもつ日本でも有数の大規模崩壊地で、立山の自然史を解くために重要な地域となっている。


この立山カルデラには、多量の崩壊土砂が残留した結果、立山を源とする「常願寺川」流域に度重なる土砂災害をもたらしてきた。


その脅威は、現在でも続いており、今でも流出してしまうと富山平野が埋没する程の大量の土砂が立山カルデラに残っており、砂防工事が行われているのだ。


しかも、その工期はなんと無期限に続くと考えられているというのだから凄いことだ。


そうんなだよな。いったん災害が起きると、津波も原発(人災だが)も、いくら感情的に行政に突っかかっても、チャチャっとなんかはできゃしないのだ。


数十年でも、いや数百年でも腰を据えて闘わなければならないのだ。


まぁ、こういうと「東京(大都市)はいいよな、優遇されているから」という御仁がタマにいるが、東京を含めて関東が、東北で起きたような災害が直撃すれば、日本の人口の約四分の一が「被災者」になるのだ。もしかしたら、東京で国会が開催されていれば、内閣や国会も消滅しかねない。


それだけの大人数はちょっとやそっとの義援金や増税では、現在の東北にやっている支援レベルはおろか、新潟中越地震クラスの支援さえ、してもらえないであろう。そういう都市が羨ましいとはねぇ。災害は支援は受けても、結局は自分たちで、立ち直って行くしかないのだが。


さて、黙々と闘っている、富山に話を戻そう。


工期が無期限に続く、その原因は、火山灰が大量に堆積し生成された土砂の地質のため、砂防ダムを建設しても「土砂の上にコンクリートのダムを造っている」ような脆弱なものしか作れないことが原因である。大自然と闘うのはキツイ!


なにしろ、完全に流出防止をさせることは、その土砂の堆積量からも不可能とされている。さすが日本が誇る立山連峰である。


とはいえ、あちゃ〜!である。富山平野が、このような自然の脅威にさらされていることを知らなかったのだ。


映像では、安政5年2月26日に発生した飛越地震大崩落の様子と、その後、大量の雨により土石流が発生し、下流の村や町が大被害を受けた様子が放映されていく。3Dメガネを通して、観る映像は、水しぶきをあげて、土砂が迫ってきて、思わず目を閉じてしまうほどの迫力があった。


後半は、その土石流と人間との長きにわたる知恵と勇気の格闘がこどもにもわかるように解説されていった。室井滋が富山県人であるのもわかった(笑)。


人間は、自然と共存できるように、常に技術を向上していることがよくわかった。それにしても、自然とはなんとキツイ「相棒」であることよ!


博物館内には、立山カルデラ展示室とSABO展示室がある。立山カルデラ展示室には、立山カルデラのジオラマがあり、山がどのように崩れたかを観ることができる。


そう言えば、作家の幸田 文(こうだ・あや)さんが、晩年(72歳)に山々の“崩れ”に取り憑かれてしまい、各地の営林署に迷惑をかけながら、あちこちの崩れをヒステリックに書いた、『崩れ』(講談社文庫)がなかなか良い。文さんは、文豪・幸田露伴の娘であるが、父に負けずの名文家である。


本来は、対象物と距離をおいて、書いていくのが得意なのだが、そこには、完全に“対象物に狼狽している作家・幸田 文がいた。


また、SABO展示室の方は大自然に立ち向かいながら、砂防工事を行い、壊されては、また造り、壊されては造を繰り返し、現在の砂防工事に至った経緯をビジュアルと資料等で観ることができる。


また、資材を運び込むトロッコも展示されており、そこで行われている工事が並大抵のことではないことが実感できた。



●立山カルデラ砂防博物館を見学●.jpg

●立山カルデラ砂防博物館を見学●


●トロッコも展示されていた●.jpg

●トロッコも展示されていた●



佐藤は、この感動が終わらないうちに、立山駅に移動した。昭和29年に運行を開始したという。とりあ
えず、立山ケーブルカーに乗って美女平まで行ってみることにした。


この立山駅美女平駅間は1.3kmある。その標高差は、およそ500m。ケーブルカーは、この間を7分で一気にのぼっていく。車窓からは、低山帯の森林から山地帯の森林へのダイナミックに変わっていく様子を観ることができるのだ。


でも、このケーブルカー。その平均勾配24度もあり、ケーブルカーの中に入ってこの角度を体感すると、まるで天井にぶら下がっているような気分になる(笑)。


ケーブルカーは、その坂をツルベ方式で2台の車輌が昇降していく。途中には2ヶ所のトンネルと材木石の露頭しているところを見ることができる。



●ケーブルカー立山駅は立山連峰への入り口●.jpg

●ケーブルカー立山駅は立山連峰への入り口●


●ケーブルカーの内部はすんごい傾斜●.jpg

●ケーブルカーの内部はすんごい傾斜●


●美女平駅に着く●.jpg

●美女平駅に着く●



美女平(びじょだいら)駅から眺める景色はまだまだ夏真っ盛り。青々とした山並が続いていた。


道辺には、吾亦紅や桔梗などが咲き、秋がすぐそこに来ていることを示していた。コオロギがテーブルの上で困っていたので救出した。ううん、清々しい! 今回は時間の関係で、立山カルデラの入り口で、立山の素晴らしさを見せて頂いた。またいつかチャレンジしたい。さて、体力が心配じゃ。


立山は紅葉の季節。ここ、立山黒部アルペンルートは紅葉をもとめ登山客や観光客で賑わうことであろう。今年は、皮肉なことに、例年にも増して、自然災害や人間災害を考える年となってしまった。


自然が織りなす、美しい紅葉を楽しみながらも、一方では、この立山カルデラ砂防博物館を訪れて、富山にも今なお続いている「自然災害」についての認識を深めてみるのもいい。いつか自らを助けることにもなるかも知れんよ。


では、皆さん、地震や噴火にご注意くださいって、しょうがねえって! ただいま、狛江で研修中。皆様ご自愛ください。




●立山カルデラをのぞむ●.jpg

●立山カルデラをのぞむ●


●立山の山々はあっという間に雲の中●.jpg

●立山の山々はあっという間に雲の中●




立山カルデラの砂防博物館データ

所在地:〒930-1406 富山県中新川郡立山町芦峅寺ブナ坂68
TEL:076-481-1160


(新総理が、野田さんか。ただの増税内閣ですな。長妻さんと同じで最初だけ。中国や韓国に気分的外交しかできんしね。自民党も安倍さん以降はいらないが、民主党の歴代総理は日本には不要ですね!To Be Continued!!)
posted by さとうはあまい at 15:40| 島根 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 見聞録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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