2010年09月28日

奮闘記・第635回 見聞録/広島県

●2010年● 広島県廿日市市宮島町



宮島の奥深さを体感する!

嚴島神社・大願寺・大聖院を参拝

〜宮島で辻村寿三郎先生の作品に遭遇〜





残暑が続く9月初旬、広島空港から廿日市市に向かった。お目当てはいきつけの宮島である。この日は、あいにく、というか宮島ではよく遭遇する曇り空。時折雨も降っている。宮島口で港に向かい、宮島松大汽船に乗る。ゆるゆると宮島に渡った。この安芸国一の宮・厳島(嚴島)神社には、3年連続して訪れている。


その度に、見える光景は引き潮がほとんど。行き帰りに見てもなかなか海上に浮かぶ厳島神社を観られない。なんと、この日も、潮が引いていた。ううん、なんかついてない。


宮島に上陸し、船着き場の待合室から出ると、そこに、水色の登り旗が揺れていた。うん? よく見ると、そこには「辻村寿三郎人形展」の文字が躍っていたのだ。


「にゃにいぃいー。うん、いや寿三郎先生の人形展が開催されているとぉぉぉー! んんん、大聖院?」


これは、観ないで帰るわけにはいかない。さて、運気上昇といきますか! まずは、恒例の厳島神社参拝からだ。厳島神社は世界文化遺産に登録されている。だからかどうか、観光客は後を絶たない。この観光客をひきつれて、ガイドするお嬢さんたちがにぎやかである。となりに、江島神社宝厳寺と併せて三大弁財天とされる大願寺(市杵島姫命だけ、神仏習合し、弁財天となっている)がある。


本日は平日のせいか、観光客の出足が遅いようだ。朝早いせいか閉まっている店もけっこうある。「今日は島が休みの日なのか?」




●今年もまたまた厳島神社にやってきた●.jpg

●今年もまたまた厳島神社にやってきた●




やや不安が残る。美術館ではないから、休館日などは調べてこないのだ。やはり厳島神社の近辺はさすがに混んでいる。参拝券を手に、中に入った。天照大御神様の娘さんで、宗像大社にもいらっしゃる(厳島神社はここから勧請したのだが)。三人の女神さまたちに挨拶した。


三人の女神様とは、もちろん、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)、田心姫命(たごりひめのみこと)、湍津姫命(たきつひめのみこと)である。


佐藤は、再び広島へ来ることができたお礼と、明日からの研修の無事を願う。そして、おみくじを引いた。結果は見事に「」(爆笑)。何が気に入り、何が気に入らないのか、ここ厳島神社ではがまことによく出る。ちなみに、8月に寄った福岡の宗像大社大吉だった。同じ神様なんだけどねぇ……。




●おみくじ結果は“凶”引きなおしても、“特変なし”●.jpg

●おみくじ結果は“凶”引きなおしても、“特変なし”●




そこで、佐藤は、おみくじ台にあった、4つのおみくじ箱すべてに挑戦することにした。こりゃほとんどアホである(笑)。



じゃらじゃらじゃら………××番  【半吉】

じゃらじゃらじゃら………××番  【小吉】

じゃらじゃらじゃら………××番  【 吉 】




結局、大吉は出ない。ここでは凶が出るのはいいことなのだ。……それはわかっている。今回の凶は「これ、死ぬんじゃないのか?」というすさまじい内容の凶だが気にはならない。行った後にいいことあるんだ、いつも。ははは。


ただ、ただ、今回は無性に大吉が欲しいだけなのだ(笑)。佐藤は、粛々とこれらのおみくじはおみくじを結ぶ棒に丁寧に結び付けたのは言うまでもない。へへんだ。


さて、気を取り直して、大願寺に移動。こちらの弁天様はまことに優しい(笑)。このころから天気は一転。上空には太陽が輝き、なんとも暑い一日が復活していた。




●大願寺の宮島弁財天様へも参拝●.jpg

●大願寺の宮島弁財天様へも参拝●





【亀居山放光院大願寺】

大願寺は、亀居山放光院大願寺(ききょざんほうこういんだいがんじ)というんだそうだ。宗派は、真言宗だ。開基は不明という。ただ、真言宗と言えば、空海さん。安芸国造は佐伯氏。佐伯氏は空海さんの実家であったはずだ。ならばだいたい想像はついちゃいますな(笑)。


空海さんの故郷は讃岐(香川県)でそんなに遠くはないものね。もちろん、ただの想像である。史実では、宮島と空海さんとの関係について記された資料は、何もない残っていないという。


開基はともかく、中興祖としては、僧の了海(りょうかい)によって、鎌倉時代(1201〜1203年)に再興されたと伝えられているとか。ご本尊は龍神様。この龍神様は公開されていないが、境内には、その分祠が池の中に祀られている。


この、分祠がなんともすがすがしい。佐藤は引き寄せられるようにして、分祠を参拝した。ムニャムニャムニャ。


その後、本堂に移動。ここには、国の重要文化財である仏像が四体あるという。中でも、薬師如来坐像は、あの弘法大師(もちろん、空海さんのこと)の作と伝えられている(キタ〜)というのだから素晴らしい。


また、先ほど述べたように、宮島の大願寺の宮島弁財天は江島(鎌倉江ノ島)、竹生島(琵琶湖)とともに、日本三大弁財天の一つに収まっている。


うん、日本三大弁財天には江ノ島(厳島の場合もあるが稀)の代わりに、天河弁財天を入れるひともいる。まぁ、あれは素晴らしい神社であるが、ちょっと毛色が違う。あの神社だけ弁天様なのに「山」に祀られている。それにご由緒の割に社格は郷社でしかない。


神仏習合でもやはり、弁財天は海や湖のほとりにあるのがいい気がする。だから、天河弁財天は、いい神社でも三大弁財天には入れないほうがいい気がする。それに宮島を除けば、後の二社は……。やめときましょう(笑)。


佐藤は、参拝後、おみくじをひいた。マエハタガンバレ!マエハタガンバレ!マエハタガンバレ!……って、違う。やったやったやったやったやったやったやったやったやったやったやったやったやったやったー、結果は大吉!!ひゃ〜い、だ。


本堂の隣には、明治時代に焼失した護摩堂が平成18年4月に140年ぶりに再建され、一丈六尺(4m)の総白檀の本尊不動明王半迦座像がご鎮座されている。お不動様は、佐藤の守り本尊である。だから、ご機嫌取りにこちらにも参拝。もう、気分は最高じゃ!


そのテンションのまま、辻村寿三郎先生の人形展が開催されている大聖院へ向かう。けっこう歩くのだ、これが。なんせバスまで有るくらいだ。この大聖院、宮島桟橋からは15分くらいの島の南側の奥に位置している。佐藤は厳島神社を背にし、坂道を登って行った。


すると、あの水色の登り旗が、一段と数を増している場所があった。旗を目印にいくと、そこが大聖院の入口であった。




【多喜山大聖院水精寺】

ここからは、大聖院のホームページによりかかろう。だってよく知らないもん(笑)。真言宗御室派の大本山とされ、多喜山大聖院水精寺(たきやま・だいしょういん・すいしょうじ)と号する、関西屈指の名刹である。歴史的にみれば、遥か遠く鳥羽天皇勅願道場とされて以来、近くは明治18年明治大帝の御行在もあり、歴代皇室との因縁が深いと言えそうだ。



●旗に導かれ大聖院へたどり着く●.jpg

●旗に導かれ大聖院へたどり着く●




明治維新までは十二坊の末寺を有し、厳島神社の別当寺として祭祀を行っていた宮島の総本坊だ。また、京都にある仁和寺と大聖院は、本山と末寺という結びつきであるが、それ以前に脇門跡、仁和寺院室、厳島御室などの称号を賜った深い関係があるという。


佐藤は、神門を守っている仁王様にご挨拶をして、階段を登った。御成門をくぐり、中に入ると境内には、様々な表情をしたお地蔵さまがあちこちに置かれていた。


その表情はなんともかわいくて、思わず頬ずりしたくなるよう。また、社務所前には、「ぐち聞きわらべ」さんというかわいいお地蔵さんが鎮座されていた。


佐藤も、そばに近寄り、おもわず愚痴を聴いてもらった。


グチグチグチグチグチグチグチグチグチグチグチグチグチグチグチグチ…………。


あ〜ぁ、すっきりした。この後、ぐち聞きわらべさんの表情が暗くなったのはいうまでもない(笑)。




●社務所にあったぐち聞きわらべさん●.jpg

●社務所にあったぐち聞きわらべさん●





この勅願堂は、鳥羽天皇勅願道場で、豊臣秀吉が朝鮮出兵の文禄の役(1592〜1596)の折、
海上安全を祈るため軍船宝丸の守護仏とした波切不動明王座像が祀られている。


また、観音堂には、行基・作と伝えられている「十一面観音菩薩像」が祀られており、明治維新までは厳島神社の後園にあった本地堂に祀られていた本地仏だという。


佐藤は境内を散策後、いよいよ辻村寿三郎人形展の会場に入った。




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●神社であろうと、寺院であろうと……●





【辻村寿三郎人形展 宮島大聖院即身成仏縁起】

パンフレットによれば、即身成仏ということばは、あの空海が長年にわたり、苦悩の末に到達した、一大哲学の四文字だという。地上の生き物の中で、人間だけがイメージを高める頭脳を与えられている(と思いたい)。


パンフレットには、ジュサブロー(辻村寿三郎)先生からのメッセージがあった。


《空海は空をみることから生まれたのである》


大日如来を美しい花とたとえると、先ず種があって、それが芽をだし地中に根をはり、幹や枝を伸ばし、葉を茂らせてはじめて花が咲くのであろう。


ひとの身体の成り立ちも、まずは足の機能、胴の機能、手の機能そして頭脳がそろってはじめてひとりの人間が成りたっている。


苦しい長い時間をかけて、その原理を悟るまでには、血の出るような辛い思い、想像もつかない寂しさを味わったことだろう。


今もって、四国の遍路みちでは、空海に出会う瞬間があるという……。

 −辻村寿三郎−




展示会場には、先生独特の面をもったお人形たちが静かに迎えてくれている。その中で先生が作り出した空海はほんの握りこぶしくらいの大きさしかない。


その空海は、回転台にたち、空を眺めながら静かにまわっていた。入り口では、1991年制作、初の回顧展「ジュサブロー展」に出店した12星座シリーズの12体の人形が賑やかに並んでいる。


また、2009年に制作され、平家物語縁起で展示された、「常盤と今若・乙若・牛若」
「後白河院・西光・成経」や、東寺観頂院にて人形仏「大日縁起」で発表された「不動明王」や、
「大日如来」などが展示されている。


もちろん、佐藤にとってみれば、すべてが初物。


常盤と今若・乙若・牛若


源 義朝の愛妾である常盤は、義朝が平治の乱で敗北すると、3人の子供を連れて大和国の山中を逃亡する。その山中にある祠に身を寄せているその姿をあらわしている。人形たちからは、なんともいえない憐れみが伝わってくるのだ。


また、後白河院・西光・成経らが、京都東山鹿ヶ谷の僧・俊寛の山荘で、平家打倒の密儀がおこなわれた。その内容は、密儀と言うよりは、憂さをはらす宴会にすぎない。


人形たちは、その宴会の模様を面白おかしく描かれていて、観る者に笑みをつくらせるのだ。史実としては、この宴会での様子が平清盛に密告され、関係者はすべて過酷な制裁をうけることになる(いわゆる鹿ヶ谷の陰謀)。


だが、これら反乱、とまでは言えないが、こういう動きが、平家のおひざ元で行われたことが、他の地域に衝撃を与えた。こういう会合は数年前まで考えられなかったからだ。


「この分だと平家も倒れるのもそう遠くはないかもしれん」と。地方で大した恩恵を受けられない、地方の平家が、やがて源氏を棟梁に祭り上げて、傀儡政権をつくらせ、執権政治を行うことになるのである。


佐藤はひとつひとつの作品をながめながら、足の機能、胴の機能、手の機能、そしてひとつひとつの人形の魂が込められている面の機能を堪能していった。


佐藤が、辻村先生の作品に出会ったのは今年の4月(奮闘記・第584回)。その後、辻村先生のアトリエを訪問(奮闘記・第593回)そして、今回である。これも、アトリエ以外は「たまたま」なのである。


出雲大社の神職さんたちが語るように、まさに“縁があった”のであろう。次々と行く先で出会うのだ。棟方志功先生しかり。


佐藤は、今回の作品を通して、多くの作品をあるテーマで観ることができたので、辻村寿三郎先生作品の醍醐味に触れることができた。


気がつけば、お土産コーナーにて、花うさぎが描かれた大風呂敷を購入していた。やはり佐藤には大風呂敷が似合うのかも(笑)。


そういえば、辻村先生がつくられた「空海」さん人形もその手に風呂敷を握りしめていた。移動が多い佐藤だから……、大風呂敷が、またよい縁を招き寄せてくれるかもしれない。




●強烈な達磨さんと記念写真だぁ●.jpg

●強烈な達磨さんと記念写真だぁ●




その後、佐藤は大聖院を後にし、宮島四季の宿 わたなべの、「千代乃庵」に入った。店内は町屋をイメージして天井が高くなっている。


佐藤は、ここで“あなご丼(小どんぶり)”を所望した。いやはや、これが絶妙な味付けでまことにうまい! 

  
何よりも、丼そのものが熱いのだ。だから、おのずと、ご飯とあなごをガシガシと口に放り込む(椎名 誠ふう)。次に吸い物を頂く。中には大アサリが開口し、汁にその旨みを出していた。




熱い! 美味い! はふっ!

熱い! 美味い! はふっ!

熱い! 美味い! はふっ!

熱い! 美味い! はふっ!

熱い! 美味い! はふっ!



と繰り返し、やがて丼は空になったのであった。ごちそうさまでした。お店を出て、宮島桟橋を目指して歩く。すると、厳島神社周辺は、潮が満ち久しぶりに海に影を映す大鳥居を観ることができた。




●千代乃庵にて、あなご丼を頂く●.jpg

●千代乃庵にて、あなご丼を頂く●



●宮島の神社の境内で猫背のたぬきさんを発見!●.jpg

●宮島の神社の境内で猫背のたぬきさんを発見!●



●まぁ、アイスクリームですだ●.jpg

●まぁ、アイスクリームですだ●



●いつの間にか空は晴れ、潮が満ちていた●.jpg

●いつの間にか空は晴れ、潮が満ちていた●




宮島の他の神社の境内でたぬきさんを見つけた。帰り道でアイスクリームも食べた。でも、なぜ日本三景のひとつは「安芸の宮島」は大鳥居だけで、神社の景観は入らんのだろう? いやはや、何はともかく、宮島は奥が深かった。ではまた!

(浜田の研修もまずは無事終了!でもすぐにまた浜田から研修だー。浜田の皆さん、有り難うございました!To Be Continued!!)
posted by さとうはあまい at 21:30| 島根 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 見聞録 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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