2008年10月28日

奮闘記・第342回 読んでみた!/福島県

●本の分野● 推理小説


横溝正史・著

金田一耕助ファイル3

『獄門島』 を読む!


(2008年9月 福島県・郡山駅の改造社書店で購入)



 金田一耕助生誕の地へ行った後、まぁなんとなく横溝先生の本を読みたくなった。そこで、手に入れたのがこの本。

 なかなか読む時間をとることが出来なかったが、松江から浜田までを各駅停車で移動したので、その間に読んでみた(笑)。

 もちろん、推理小説だから、内容は書けない。プロローグで金田一耕助は、備中笠岡から南へ七里瀬戸内海のほぼ、真ん中の小島へわたる(もちろん、架空の島、岡山の真鍋島あたりがモデルともいう)。

 横溝先生はここで、獄門島の名前の由来について歴史を開陳し、いくつかの説を上げて解説していく。

 1説には、北門島と呼ばれている説。

 藤原純友(天慶の乱の首領)の昔から瀬戸内海の名物は海賊であった。この海賊の勢力については、遠く奈良朝の時代から江戸時代の初期に至るまで、連綿としてその伝説は受け継がれていた。

 なにしろ、ほぼ同時に起こった平将門の承平の乱がおよそ2か月で平定されたのに対し、鎮静化するのに2年近くかかったのだ。

 これらの海賊は伊予海賊と呼ばれ、常に伊予の海岸線から、燧灘、備後灘へかけての島嶼を根拠地としていた。

 現今の「獄門島」は、当時、彼らの一味が北の固めとしていたので、北門の名前が残り、やがてそれがいつしか転訛して、獄門となったという説。

 また1説として、江戸初期にこの島から五右衛門という、身長6尺7寸(201cm)の大男が現れ、それが全国的に喧伝されることとなった。

 それ以来、この島は五右衛門島と呼ばれるようになる。それが転訛して獄門島となった、という説。

 そして、有力な1説が有力として、この島は旧幕時代、中国地方の某大名の飛地領になっていた。住む者はみな海賊の子孫といわれる、ごく少数の漁師達の島であった。

 その島を流刑地とさだめ、それ以来、領内の罪人達のうち、死一等を減じられたものが毎年この島へ送り込まれて行った。

 そして、いつからか獄門に相当する罪人が流される島として、獄門島と呼ばれるようになったという説である。

 明治になって流人の制は止んだが、元来、島の住民はきわめて排他心が強く、環境に誓約されるところも多いために滅多に他の島々と縁組をしないらしい(だろうね)。

 だから、この島の住民はことごとく、海賊や流人の子孫といわれていた(いまなら偏見とされるが時代が時代だからねぇ)。

 さすれば、このような島で犯罪が起こった場合、かばい合いや、犯人隠匿など、捜査がどんなにやっかいなものになるのかは想像がつく。

 金田一耕助の「仕事」がいかに困難を伴うのかが暗示され、物語は始まる。

 名探偵・金田一耕助は、日本へ帰る復員船にいた。この船で仲間が亡くなるのだが、臨終の際に、彼に頼みごとをするのだ。

 そして、彼は獄門島を訪れることになる。そして、「閉じられた」島の因習や、外部とのかかわりや、誤解が連続殺人事件へと繋がっていく。

 佐藤は、一読した後に、初めに戻って、いろいろなポイントを読み返した。「な〜んだ。もうここで犯人がわかるじゃないの!」というが、それでは後の祭り。

 読んでいる途中は、ついつい、金田一耕助とともに、事件が事件を呼び、犯人に引きずり廻されてしまうのだ。まぁ、金田一耕助も事件は解明できるが、解決はしないのだ。

 最後まで犯人も理由も確定できない。もちろん、クライマックスは、金田一耕助が犯人のトリックや動機を解明していく過程である。

 見聞録でも書いたが、金田一耕助は探偵だから、事件の「解決」はしない。内田康夫先生の、名探偵・浅井光彦のような、積極的な行動はとらない。

 佐藤には犯人すらわからんから情けないが、結末の数ページを読むことにより納得ができるのだから、本のお金の元は十分とっているが(笑)。

 ううむ、この本は途中で置くことが出来ない(笑)。最後までしっかり読ませていただきましたよ。

 こうして読み終えてみると、横溝先生人間観察の奥深さには、参りましたと頭がさがる思いです。

 やはり、金田一耕助シリーズを読んでみると、先の内田先生の浅見光彦ミステリーを思い浮かべてしまう。内田先生の場合は小説の中に自分も登場して、探偵の浅見光彦がその存在を迷惑がる部分が面白い。

 まぁ、横溝先生も作中に出てくるという噂はあるが。そういえば、角川映画にはよく出てたなぁ。

 確か、映画の『金田一耕助の冒険』か、なんかで、「こんな映画に出たくはなかった」と言ってたっけ(笑)。

 皆さんも、秋の夜長。金田一耕助と一緒に謎解きの旅を楽しまれてはいかがでしょうか。そして機会があったら、推理小説にかかわらず、その舞台となった地を歩くことをお勧めします。

 研究所内には、いくつも読みかけの本が「いい加減に読んでくれ〜」と転がっている本が叫んでいる気がする、トホホ。ではでは!



【本データ】

横溝正史・著

『金田一耕助ファイル3 獄門島』

 角川文庫、580円(税込)、1981年


●『獄門島』と佐藤●.jpg

●『獄門島』と佐藤●


(この項は終わり!To Be Continued!!)
posted by さとうはあまい at 14:39| 島根 ☀| Comment(0) | TrackBack(1) | 読んでみた! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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