2019年05月29日

奮闘記・第1082回 研修会のツボ/東京都

●2019年● 東京都足立区

足立区社会福祉協議会

【2】サービス提供責任者の仕事術
〜サ責として大切なポイントをつかみ業務へ活かす〜


足立区社会福祉協議会主催の研修は連続して2回行われており、1回目はすでに 第1081回として報告済みである(上げたてのホヤホヤ)。

今回は訪問介護の要である、サービス提供責任者向け研修のご報告である。この研修は足立区で働くサービス提供責任者及び訪問介護員を対象に、13:30〜16:30の3時間で行われた。


●参加者同士で語り合う●JPG.jpg

●参加者同士で語り合う●



サービス提供責任者の仕事術 〜サ責として大切なポイントをつかみ業務へ活かす〜



■研修で行ったこと
(1)介護支援専門員のPDCAを理解する。
(2)サービス提供事業所のPDCAを理解する。
(3)利用者支援に必要な帳票類の取り扱いについて。
(4)訪問介護計画書の作成。



今回は、日中開催であったが、サービス提供責任者は、介護支援専門員と違って、自らがヘルパーとして働かなければならないこともあり、人材不足のおり、相変わらず研修に参加したくても参加できない環境にあることもあり、参加者は12名であった。

もちろん、佐藤は、参加人数が少ないからといって手を抜いたりしない。少なければ少ないだけ、親身一体となった研修を行っている。うん?もちろん多くても手抜きはなしだ!w ということで、まずは自己紹介である。

皆さんにはいつものように1分間スピーチをして頂きつつ、佐藤は参加者の話に耳を傾けていた。

皆さんの言葉から聞こえて来たのは、なんと、サービス提供責任者になって数日しかたっていない!やら、5月になったばかり!などなど、多くのサービス提供責任者が新人のサービス提供責任者であるということがわかった。もちろん、手抜きはしない(くどい?)。

そこに、陰の声が“おいおいおいおい、そんな新人さんばかりで大丈夫なのか”。いやいや、どうしてサービス提供責任者は成り立てでも介護の経験は豊富な方ばかりだから大丈夫であろう。


はじめに簡単に介護保険制度の流れを説明した。ここで、サービス提供責任者にとって重要なことは、介護支援専門員との関係性なのだ。

多くの法人が、複数の事業所を持っており、居宅介護支援事業所と、訪問介護事業所が同居しているなんてことが少なくない。

そこで、各居宅介護支援事業所の介護支援専門員が、計画作成のルールに則り、サービス提供をしてくれていれば良いのだが・・・。

居宅サービス計画原案の作成もそこそこに、サービス担当者会議を開催してサービスがスタートしているというようなケースもまだまだ多いのである。まぁ上司も先輩もやれてないところでは、そりゃぁやりようもない。

そこで、ここからは、介護支援専門員の支援の流れと、サービス提供事業所の支援の流れについて資料をもとに説明を行った。


(1)介護支援専門員のPDCAを理解する

@受付(エントリーの段階)。
ここでは、利用者に介護保険制度と居宅介護支援について説明する。

A初回面接(利用者の選択に資する援助)。
利用者及び支援する側の双方がスクリーニング(選別する段階)を行うために、双方がお互いに必要な情報を提供し合い、吟味する。

BAにおいて、問題無し。
契約を目的とした面接に移行する。介護支援専門員は、利用者に居宅介護支援の方法(居宅サービス計画の作成法を含む)を説明し、利用料金などを伝え同意を得る段階である。

Cアセスメントを行う。
利用者情報を得て、生活全般の解決すべき課題を抽出する段階である。

D居宅サービス計画をまとめる段階。
課題・長期目標・短期目標・サービス内容・サービス提供種別を選別する。

Eサービス提供事業所に連絡を入れて空き情報を把握し、提供可能な事業所をピックアップする。
その情報を、利用者に案内して利用者が事業所を選択し、居宅サービス計画原案に事業所名が記されることになる。

Fサービス提供可能な事業所に、居宅サービス計画書原案(1)(2)(3)を提示する。

Gサービス担当者会議を開催し、居宅サービス計画書原案(1)(2)(3)について説明する。
サービス提供事業所より専門家による見地からの意見などを伺いながら居宅サービス計画の承認を受ける。

H居宅サービス計画に沿ってサービスが提供される。

I毎月モニタリングを行い計画の妥当性や、利用者の状態の変化などを把握する。

J要介護認定の期間終了前には再アセスメントを行い計画を更新する。
→Fにもどる。このプロセスは、終結まで循環して継続する。


(2)サービス提供事業所のPDCAを理解する

@受付「サービスの申込みにおける調整」を行う段階。
ヘルパーの空き情報を確認して、サービス受託の可否を判断する。

A介護支援専門員へ、サービスの可否を伝え、可能な場合には、居宅サービス計画の提示を依頼する。

B事前訪問の準備。
介護支援専門員から基本情報の提供を受け、利用者宅へアポイントをとり、事前訪問の日程を決める。

C初回面接を行う。
訪問介護の特徴について説明し、サービスの導入の意向を確認する。意向が把握できたら、契約を目的とする面談へ移行する。

契約書及び重要事項説明書・個人情報の取り扱いなどについて書面を用いて説明し同意を得る。

Dアセスメントを行う。
提供されたサービスについて、利用者のしていることや、できること、できないことなどを把握して、訪問介護員が行う援助方法などを相談したり助言したりする。

E事業所へ戻り、訪問介護計画書原案を作成する。

Fサービス担当者会議へ参加して、他の事業所と支援方法について共有する。会議録を作成する。

G可能であれば訪問介護計画書を説明し、同意を得て交付する。

Hサービスを開始する。

I定期的にモニタリングを行い、利用者状況を把握する。
介護支援専門員へ定期的に状況を報告して情報を共有する。毎月、介護支援専門員へ実績を報告する。国保連へ実績報告を行う。

J短期目標の期間終了時には、モニタリング及び評価を行い、居宅サービス計画の変更の有無を検討しその内容を介護支援専門員へ伝える。

K利用者の要介護認定の期間終了時には、モニタリング及び評価を行い、目標の達成の度合いなどについて報告をする。

L介護支援専門員の居宅サービス計画の更新に伴い、再アセスメントを行い、訪問介護計画書を更新する。
→Fへ戻る。サービスの終結までFからLを継続する。


本来は、この(1)(2)の各事業所の展開法が正しいが、現在多くの介護支援専門員がしている居宅介護支援のプロセスの多くは、サービス担当者会議の席上で「初めて」居宅サービス計画が提示されたりしている。一方のサービス提供事業所も、「事前に原案を頂き、利用者宅を事前訪問すること」を知らない方もいる・・・ふう。

まぁ、この仕組みが正しく展開しない限り、サービス提供責任者側もその責務を全うできないという現実もあるのだけれど。現状無い物ねだりに近いかな。

そうそう、一方では、国が通所介護や通所リハビリに対して、個別援助計画の加算条件として、事前に利用者宅を訪問し、調査(アセスメント)を行うことを推奨し、具体的な帳票を示してからは、通所系サービスは事前訪問をしているようではある。

でも「推奨」って便利なことばだよな・・・。

また、サービス提供責任者自身が、訪問介護の指定基準を理解していないという現実もあり、なかなか難しい所でもある。

そもそも、サービス提供責任者の業務内容については、管理者がその方をサービス提供責任者に任命する時に、しっかりと説明をする責務があるのだが、この管理者も雇われ管理者であり、その管理者自身が指定基準を十分に理解していないという可能性も否めない。

そこで、佐藤は、参加者1人ひとりが、自分がいる事業所の指定基準を把握する必要があることを伝えた。まぁこの繰り返しであるのだが、時代が令和になっても一向に変わらないだろうな。

(3)利用者支援に必要な帳票類の取り扱いについて

ここからは、利用者支援に必要な帳票類とその取り扱いについて事例を用いて説明を行った。

《利用者支援に必要な記録の種類》
(利用者ごと管理する)
 @基本台帳(フェースシート)
 A居宅サービス計画(介護支援専門員や相談支援専門員等が作成する計画)
 B訪問介護のアセスメントシート
 C訪問介護計画書
 Dモニタリングシート
 D評価表など。
 E経過記録(上に示した業務と責務を遂行したという経過がわかる記録)
 Fサービス提供票(伝票)サービス実施記録兼介護記録



これらの帳票は、利用者の要介護認定の期間毎に更新していく。
そこで、要介護認定が更新された場合には、それまでの@ABCDEFをひとまとめにして後方へ移動する(あるいは別封筒に保管)。

その上で、利用者のフェースシートを更新しファイルの前面におき、再度新たなA〜Fを作成するように伝えた(Eの経過記録は必要な情報もあるだろうから、取り扱いについて事業所で決めれば良い)。

今回の参加者は、その多くが、サービス付き高齢者住宅に訪問する、訪問介護事業所のサービス提供責任者であった。

と書くと聞こえが良い(?)が、実は、サービス高齢者住宅の職員を兼務しているサービス提供責任者なのだ。

当然、働くヘルパーも、ある時間はサービス高齢者住宅の職員として働き、個別の利用者の、居宅サービス計画に則り、排泄介助や入浴介助、家事活動の支援に入っているのである。

まあまあ、一般の訪問介護事業所の皆さんには、なかなか、難しい環境なのだが、今回は、自分の働く環境や、自分のしている事について他の方と情報を交換したり、大変さを共有することができて、新たな気づきを得ることができたようだ。

(4)訪問介護計画書の作成

ここでは、佐藤が作成した「須藤さん」事例を用いて、訪問介護計画書の作成方法について説明を行った。

平成27年の介護報酬の改訂に際して、国がサービス提供事業所に求めたのは、利用者の「生活機能の維持向上」である。

そこで、佐藤は、生活機能(心身機能・活動・参加・環境)を意識して作成した「居宅サービス計画書」を用いて「生活機能」について説明したのであった。

実は、この事例の説明は、なかなか、高度な内容で有ったのだが、研修終了後のアンケートには「ICFについて理解できた」「ICFの説明が聞けて良かった」などの感想が寄せられており、佐藤はこの説明を行って良かったと思ったしだいである(意外なところのレベルが高合ったりする)。こうなると、時代が変わることを期待したいな。


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●生活機能分類を支援に置き換え説明する●



いよいよ訪問介護計画の作成である。

ここでは、心身機能・活動・参加・環境のそれぞれに「課題(短期目標)訪問介護の目標・具体的なサービス内容・備考」の項目を設けた、訪問介護計画書の帳票を使用した。あらかじめ、佐藤が「課題と訪問介護の目標」を記載しておき、皆さんには、具体的なサービス内容を考えて頂いた。


●演習用紙を配布する●.jpg

●演習用紙を配布する●


●素敵な文章が書かれていた●.jpg

●素敵な文章が書かれていた●


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●事例を解説する佐藤●



ところがだ、ここまで皆さんが熱心に研修に参加してくださったので、介護計画の演習時間が少なくなってしまったw。それでも皆さん考えつつ、頑張って書いてくださった。

最後に佐藤が作成した、訪問介護計画書を読み上げ、今回の研修はこれにて終了である。


佐藤は、久しぶりにサービス提供責任者の業務と責務について説明を行ったが、現場のサービス提供責任者の皆さんは仕組みも自分の役割もわからないまま、仕事に就いている方が多いということを再認識した。


●参加者を見守る田嶋さん●.jpg

●参加者を見守る田嶋さん●



さて、訪問介護のサービス提供責任者は、介護福祉士か、ある一定の資格を持った方しか担当することができなくなりました。

そこで、法人では、施設や、通所介護で働く働いていた資格保持者を、サービス提供責任者に任命することが増えて来ました。

でも、その方々、介護技術の専門家であっても、いきなり在宅を訪問するヘルパーやサービス提供責任者の責務を果たせるとは限りません。そこは、法人内で、その方々働きやすい環境を整備する必要があるのでは無いでしょうか。

さてさて、これにて研修は終了です。

足りないところは、佐藤のブログ「寺子屋の休み時間」や、佐藤の書籍をひもといて頂けると(佐藤が)喜びますw。

季節外れの夏日もいったん落ちつくようです(でないと困る!)。それにしても気温の差が激しい季節。体調を崩さないようにご自愛くださいませ。ではまた!


(To Be Continued!)

posted by さとうはあまい at 15:17| 東京 ☁| Comment(0) | 研修会のツボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

奮闘記・第1081回 研修会のツボ/東京都

●2019年● 東京都足立区

足立区社会福祉協議会

【1】介護記録のポイントについて
〜記録の重要性を学び、支援記録に活かす〜



足立区社会福祉協議会では、足立区で働く介護職員へ向けて年間を通して研修を行っている。その中で佐藤は、「介護記録の書き方」「サービス提供責任者の仕事術」を担当している。

今年度は、2つの研修を連続で行ったので、2回分を一挙に連続してアップしたいと思います。

 
介護記録のポイントについて 〜記録の重要性を学び、支援記録に活かす〜
 

「記録は身を助ける…」こんな言葉を聞いたことがないだろうか? 今回の研修では、普段の業務に追われ、つい二の次になりがちな「記録」に焦点を当てて、「なぜ記録するのか?」「何を記録するのか?」「どう記録するのか?」を整理したいと思う。

この研修は、毎年訪問介護員を対象に行ってきたのであるが、今年度は、施設で働く人々にも参加を呼びかけた。17時半からの開催ということもあってか、会場には40名弱の方に集結して頂いた💛


■今回の研修で行ったこと
(1)なぜ記録するのか?
(2)何を記録するのか?
(3)どう記録するのか?



佐藤の研修の多くは、グループワーク方式をとっている。今回も1グループ6名で開始した。まずは、1分間スピーチである。

この自己紹介は、グループ内の緊張をほぐすのに欠かせないものである。また、本来介護職は話好きであるし、そうでなければ難しい職業だろう。その後、早速演習に入るのだ。

今回の研修の目的は、(1)なぜ記録するのか?、(2)何を記録するのか?、(3)どう記録するのか? である。

そこで、演習はこの3つに焦点を当てて、話を進めていく。

(1)なぜ記録するのか?では、「記録がないと困ること」をあげて頂いた。
(2)何を記録するのか?では、その「困ることを解決するために書く内容」について説明を加え考えて頂いた。
(3)どう記録するのか?では、各事業所で、「具体的な記入ほ方法を定めること」が重要とし、マニュアル化を推奨した



そして、後半では、事例をもとに介護記録を作成してみた。


●介護記録に挑戦●JPG.jpg

●介護記録に挑戦●



(1)なぜ記録をするのか ?= 記録がないと困ることがある。

@その時々の利用者の状況がわからず適切な援助ができない。
結果、利用者の情報を共有し適切に援助するため(アセスメントの記録)。
具体的には、利用者の健康状態や、日常生活動作能力(していること、できること)、家事活動への参加(協力動作の有無や意欲)意思疎通の状況(コミュニケーション能力)、認知機能の状況(理解力や記憶力)、家族の状態(家族の介護力やその状況)、関係者(関係者の有無や変化)からの連絡や相談、注意事項などなど。

A記録が無いと、前回の支援の日から、今回の支援までの利用者の状態も変化を知らないと、その時の適切な援助方法がわからない。
結果、利用者の状況の変化を把握し適切に援助するため(モニタリングの記録)。
具体的には、利用者の支援は、計画に沿って行われている。その結果、利用者のしていることやできること、したいことなどに変化が現れてくる。その状況の変化を記録し、状況の変化を把握して、計画変更の必要性を検討する。

B記録がないと介護報酬を請求できない。
結果、サービスを提供した証を残し、適切な報酬を得るため(サービス内容の記録)。
具体的には、訪問介護であれば、身体介護・生活援助・介護予防などなど。訪問介護は提供する、サービ内容によって報酬が違う。そこで、報酬に見合った働きをしたという記録を残す必要がある。

C記録が無いと、自分が提供した援助が正しいか否かの証明ができない。
結果、自分が提供した援助の正当性を証明するため(介護技術の記録)。
具体的には、その時々に提供した介護技術を具体的に残すことで、援助の正当性を証明することができる。特に、訪問介護は1人で援助を提供しているので、物損や事故には十分注意して、何か気になること(ヒヤリ・ハットを含む)がある場合には、記録に残す。

(2)何を記録するのか? その資料に基づいて説明を加え、皆さんに「何を書くのか」を考えて頂く。

「介護職員が残す記録の意義 = 利用者の有する生活機能の推移を把握するため」
介護職員の残す記録は、ずばり介護技術の記録である。介護職員は、介護技術を用いて利用者の自立を支援している。

そこで記録には、その時々アセスメント(利用者の状態)の記録、自分が提供した技術などを記録するのだ。

そもそも、利用者の有する生活機能の推移を把握するというが、この「生活機能とは何か」
それは、平成13(2001)年5月、世界保健機関(WHO)総会において採択された、「ICF(International Classification of Functioning, Disability and Health)」を指す。

ここでは、生活機能を(心身機能・活動・参加)としを、現在「していることやできること」などプラス面からみるように視点を転換し、さらに環境因子等の観点を加えている。その上で、介護職員には、利用者の生活機能の維持向上に向けた支援が求められていることを図を用いながら説明した。

さらに、佐藤は、ICFの言語である「心身機能」「活動」「参加」「環境」を介護の現場に落とし込んで説明を行った。

@『心身機能』に関すること
心身機能に関する内容:体調・服薬・痛み・歯の問題・栄養の問題・排便・排尿・飲料・嚥下・精神的なこと(悲観的・うつ傾向など)。

介護職員が利用者に対して行う心身機能の支援は、「体調把握・確認」である。あいさつをして体調を把握する。

訪問介護員の場合、その時々によって支援する内容が違うが、服薬確認が必要な利用者に対しては、訪問時に「薬を飲めているか」を伺って、薬カレンダーや薬箱等を観て、薬の飲み忘れが無いかを把握している。

また、飲めていないことを把握した場合には、「薬を飲む必要性について説明をしたり、なぜ、飲まないのか(飲めないのか)など、本人の訴えを傾聴する。その上で、必要に応じて、サービス提供責任者に収集した情報を報告しているのである。

A『活動』に関すること
活動に関する内容ADL(日常生活動作能力)である。そこにはIADL(手段的日常生活動作能力)も含まれる。

日常生活動作には、移動(起き上がり・移乗・立位・歩行に関すること)、食事(食べる行為・飲む行為)、排泄(物品準備・トイレのドアを開けて、排泄行為を行いトイレのドアを閉めるまでの一連の行為)、入浴(物品準備・脱衣所のドアを開けて、衣類を脱ぎ、脱衣室から浴室へ行き、体等を洗い、浴槽へ入り、浴槽から出て、浴室から脱衣室へ戻り、体を拭き、衣類を着て、脱衣室から出るまでの一連の行為)、口腔ケア(物品準備・義歯の取扱・清潔動作・後始末に関する一連の行為)、更衣(季節に見合った服装を選択・着脱する更衣・汚れ具合によっては他の服に着替える・日常着から寝巻へ(逆も))などがある。

手段的日常生活動作の主なものは、家事活動である。掃除(掃除に関する一連の行為)、洗濯(洗濯に関する一連の行為)、買い物(買い物に関する一連の行為)、調理(献立を考え、材料を揃え、手順に沿って調理を行い、食器に盛り付け、片づけるまでの一連の行為)、その他、電話を受けたりかけたり、必要な要件を受けたり、伝えたりする行為。必要な手続きに関する一連の行為のなど様々なのだ。

まぁ、いうなれば活動は、それぞれの行為に関する、はじめから終わりまでの一連の流れについて何ができて何ができないのかを把握する必要があり、介護の肝といえる部分なのだ。

この家事活動は、特別養護老人ホームや、老人保健施設等では、施設職員等が行っている場合が多いと思う。

また、訪問介護の場合、ヘルパーが全面的に行う家事代行は生活援助に区分されており、ここでいう活動には含まれないのだ。

B『参加』に関すること
参加は、他者との交流や、趣味や楽しみを行うことを指す。意思疎通の可否や、コミュニケーション能力も含まれる。

一方では役割を果たすことも参加である。役割には、主婦の役割・男としての役割・妻としての役割などがある。

「利用者の参加に関する介護職のサービスとは何か」
訪問介護の場合、利用者が、ヘルパーとかかわることも参加のひとつになるであろう。例えば、利用開始直後は、パジャマを着ていた利用者も、訪問介護を継続して利用するうちに、日常着に着替えたり、訪問を待っていてくれたりするようになる。これは訪問介護を通して、利用者が社会性を取り戻した行動といえる。

その他に、介護職員ならば、利用者支援の最中に必ず下記のようなことをしている。それが「役割の提供」であり、参加に関するサービス(支援)である。

「これからすることを説明し、本人の意向を把握すること」
「利用者に協力動作を求め、協力が得られたら、感謝を伝えること」
「利用者が頑張っている姿を励まし、うまくできたら、称賛したり、うまくできたことを共感すること」
「時に、頑張ったけど、うまくできずに落ち込んでしまったりすることもある。そんな時には頑張ったことに対して労をねぎらうこと」
「何かを依頼して、手伝ってくれた時には、労をねぎらい感謝を伝えること」


などなど。

えっ、そんなこと、意識してサービス支援していなかったって? おいおいおいおいおいおい(笑)。介護職が利用者のそばに寄り添い、している援助のすべては、この参加への支援「意欲の向上」への支援として肝に銘じておいて欲しい。

特に、訪問介護の場合は、『訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について』老計第10号の「身体介護1−6 」、『自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助(自立支援、ADL・IADL・QOL向上の観点から安全を確保しつつ常時介助できる状態で行う見守り等)』において、支援している内容はまさしくこの参加に関する支援となのだよ。ヘルパーさん頑張れ!

C『環境』に関すること
環境への支援は、利用者家族に対する支援だ。施設では、家族が面会に来た時に利用者の様子を伝えたり、季節の変わり目には、衣類交換を依頼したりしていると思う。

また、施設サービス計画更新時には、家族に、サービス担当者会議への参加を依頼して情報を共有しているはず。だからこそ、介護職員は、面会時に家族と話す機会を設けて、環境に向けた支援の記録を残すようにする必要があるのだ。

地域の園児訪問や、ボランティアさんとの関わりも、行事記録に残すだけではなく、個人の介護記録にも記入するように心がけよう。一方、福祉用具に関する記録も必要である。もっともこれは活動を広げるための道具として捉えるのであれば、活動の補助具として記録しても良いだろう。

(3)どう記録するのか?
ここでは、佐藤が作成した足立さん事例を読み上げて、皆さんには、介護職員の新田さんになって頂き、新田さんがした介護の記録を作成して頂いた。

あらかじめ、佐藤が介護記録の様式を配布しており、皆さんにはその様式に、ICFの視点(@心身機能・A活動・B参加・C環境)を意識して記録を作成して頂いた。こちらには、その枠組みを使用したものでは無く、白い空欄へ書く記録を掲載しておく。この記録を読んでどのような支援が行われたのか伝われば良いと思う。

2019年5月15日
本日の献立。そうめん。卵焼き、トマトの乱切り、キュウリのスライス。

@体調確認。体調良く痛いところもない。暑くなってきたので水分補給するように助言。
A排泄は済まされており、伝い歩きにて台所へ移動。転ぶことが無いようにそばに付き添い、注意を喚起する。所定の椅子に座って頂き、片手まな板を置く。本人が包丁を用いて、トマトは乱切りに、いんげんは、へたを切って、半分に切る。キュウリは受け皿付きのスライサーの使用を提案。卵はお椀に右手で割り入れる。うまく割れたことを認めると「シェフのようだ」と笑顔で話す。胡麻和えの材料をお椀に入れる。和える作業は、「疲れた」との訴えにより自分が行う。工夫したことは、いんげんは、輪ゴムを使用してばらけないようにした。スライサー使用時には切り安いように、受け皿を抑えた。C娘さんより水出し麦茶の提供があり水分補給をするように言われたとのこと。受け皿付きスライサーをひとりでも使用できるように100円均一にあるゴムの敷物の購入を提案。連絡帳にて娘に依頼する。 援助中は本人のできることを依頼し、協力動作に感謝を伝え、うまくできたことをともに喜ぶ支援を行い意欲の向上に努めた。(新田)


佐藤が事例(ダイアローグ方式)を読み上げて、足立さんの支援を可視化して行くと、会場からは、これを45分でするのは無理!との声が聞こえた(生活援助2は45分だからね)。

そうなんですよ。これは、身体介護2、つまり1時間の支援なのである。また、ダイアローグの中には、介護職員の丁寧な関わりが見え隠れしており、参加者からは、こういう介護しているかな(笑)との声もあった。

もちろん、佐藤は、皆さんはもっともっと丁寧な介護をしていると思っている。ただし、それはもう自然の所作として行われていることでもあり、意識されていないのかも知れないけれど。

介護記録の研修はこれにて終了。今後は、それらの技術を意識して伝わる記録を残してくださいませ!



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●情報を共有する●



(To Be Continued!)

posted by さとうはあまい at 14:54| 東京 ☁| Comment(0) | 研修会のツボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする