2018年10月21日

奮闘記・第1067回 研修会のツボ/東京都

●2018年● 東京都葛飾区


葛飾区高齢者総合相談センター

ケアマネジメント支援研修
〜 課題分析標準項目の書き方研修 〜



皆さまお久しぶりですね。気づけば、10月も20日が過ぎてしまいました。こういうのが歳をとる秘訣なんだよなwww。

佐藤はこのところの気温の変化ですっかり風邪をひいてしまったようですね。鼻声となり、しかも耳の聞こえも悪くなり(前から?)、マイクを通して聞こえてくる自分の声が聞きにくく難儀しております。

そのような中で、葛飾区で活躍している介護支援専門員の方々と関わって来ましたので早速ご報告しましょう。


【課題分析標準項目の書き方研修】
「あの、白い空欄には、いったい何を書けばいいのか?」
〜 書くことがわかれば、質問の方法もわかるというもの 〜


今回のお題は標記の通り、「課題分析標準項目」の、あの白い空間には何を書けば良いのかという研修です。

いつもどおり、亀有香取神社で必勝祈願した。ん? 境内にはおしゃれなカフェが出来ていた。ケーキがおいしいお店ですぞ。


●今日も亀有香取神社に立ち寄り●.jpg

●今日も亀有香取神社に立ち寄り●


●境内には、なんとカフェが!●.jpg

●境内には、なんとカフェが!●




それはさておき、佐藤はむかし、某県で介護支援専門員の実務研修を長らく担当していた。

某県の実務研修では、参加者は前期終了後に実習を行い、課題を作成する。その課題を決められた期日までに仕上げて、事務局へ提出することになっていた。

事務局では、提出された課題をまとめて佐藤の所に郵送し、佐藤は送られてきた課題を全件チェックして添削をしていたのだ。まぁ、良くも悪くも、参加者の作成した課題を全件チェックする講師など皆無に等しいであろう(笑)。

実はこの全件チェック、自分の講義が参加者にどのくらいわかりやすく伝わったのか? それを把握できるツールにもなっていたのだ。

そして、全件チェックをしていると、介護支援専門員の試験に合格したからといって、この課題分析標準項目がすらすら書ける物ではないということがわかった。まぁケアマネ業務もそうなのだが。

なぜあの試験ができるとケアマネ業務ができると思うのか? 国の考えもよくわからないのだが(笑)。

それはそれ。もちろん、記入方法はテキストに沿って伝えた。でも、いくら書く内容が理解できたとしても、その材料を入手しなければ書くことはできない。

その入手方法が、利用者及び家族とのコミュニケーション(相談援助や対人援助)なのだ。


●スタート前に現状把握する●.jpg

●スタート前に現状把握する●



●自分が持参した帳票を確認して頂く●.jpg

●自分が持参した帳票を確認して頂く●



■研修で行ったこと
(1)課題分析とはどうすることなのか。
(2)各項目を収集する視点について。
(3)資料を用いて書く内容を説明。
(4)参加者同士で情報共有。



研修時間は2時間。参加者は40名とのこと。主催した方々はこんなに参加することは珍しいと話されていた(昨年も全3回シリーズで研修をしたこともあり、皆さんが参加しやすかったのではとのこと)。佐藤は簡単に自己紹介の後、その後、一気に話に入った(笑)。


1.課題分析とはどうすることなのか
課題分析=真のニーズを見つけ出すということ。その手法は下記のような状態となる。重要な点は、@〜Cは重なり合っていることにある。

 @ 利用者の現状を把握する。
   A 現状においての困りごとを把握する(改善・維持・悪化の判断材料)。
     B 困りごとをどうしたいか・どうなりたいかを把握する(目標の把握)。
       C 介護支援専門員等の意見を記入する(必要な手立てを提案する)。


そこで、介護支援専門員が利用者の現在の状態を把握する時に、それぞれが偏った情報収集をしないように、国が情報収集する項目として定めた物がこの「課題分析標準項目」なのだ。


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●説明に耳を傾ける参加者●



2.各項目を収集する視点について
この課題分析標準項目は、「基本情報に関する項目」と「課題分析(アセスメント)に関する項目」とに分かれている。

まずは、基本情報に関する項目や、アセスメントにに関する項目は、どのような内容なのかをしっかりと把握しておく必要がある。そして、これからする事を利用者やご家族に、この課題分析標準項目が記載された帳票をみせて、これらの情報を伺うことを、丁寧に説明する必要がある。

断りもなくいきなり紙を出して、メモられるほど不愉快なこともない。もちろん、利用者や家族は、ここまで来る過程で、そのような失礼な取り扱いにはうんざりするほど突き合って来ている。

介護支援専門員が、帳票をみせてこのような情報を入手したいと、丁寧に依頼すれば、利用者や家族も協力してくれるだろう。なんせ、ことを早く終わらせたいのはお互いさまなのだ。

すでに住所や氏名などは、ここまでに来る段階で入手しているであろう(なきゃこれないし、それ以前の問題だが)。それらの情報は前もって転記しておくと良いであろう。もちろん、書類を開いた段階で「これは○×包括支援センターの○○さんより伺いましたが・・・」などと説明しても良いのだが。

その後は自分が知りたい情報から入手する。この時に、落としどころ(生活全体の解決すべき課題)を見極めている必要がある。そう、この落としどころこそ、自立支援の視点と生活機能分類の視点なのである。

自立支援の視点は、本人のしていることやできることを奪わないということ。

もちろん、本人や家族は「できないこと」を中心に訴えて来る。時には怒涛のように訴えてくる。なんせ、困っているのだ。

そのできないことに振り回されず、その中でも「していること」「できること」を把握すること。その上で困りごとを具体的に聞き出し、「それをどうしたいと思うか」を把握するということである。
合わせて、家族のしていることやできることも奪わないことが重要。支援をしていると、介護者(妻や夫、娘や息子)などが、それはそれは丁寧な介護をしている場合がある。そのような方は、「介護が大変だ」という方と、「自分が介護をしたいから大丈夫」という方などとそれはそれは様々なのだ。

もちろん、家族は、介護支援専門員に介護の大変さを訴える。でも、それは代わりの物品がただ欲しくて訴えているというわけでは無い(中には物品やヘルプ自体を求める方もいる)。その多くの方は、「自分のがんばりを認めて欲しい、聞いて欲しい」と思っている。

介護支援専門員は、人さまの話を伺うこと(聞くこと)も商売のうちである。

聞くということは、すなわち、傾聴・共感・受容・感情の表出を支援するということ。間違っても、初回面接時に「そんなに大変ならばショートステイを利用したらいかがでしょうか?」なんて、いきなり御用聞きに変貌してはいけない。なんでも順序よいうものがある。


◆生活機能分類の視点とは
心身機能の課題・活動の課題・参加の課題・環境の課題を意識するということ。介護支援専門員の多くは、サービスを入れ込む視点はお持っているのだが、課題を振り分ける視点となると難しいようだ(笑)。

もちろん、研修でも、「関係性がある物はまとめましょう」とは言うには言うのだが。介護支援専門員の主観も入りまくるから、課題が多かったり少なかったりしてしまう。だったら、生活機能分類の4つの視点を持つことで、情報も得やすくなるというもの。

特に着目して欲しいのが「ADL」と「IADL」だ。

「ADL」は、主に基本的日常生活動作BADL、つまりBasic ADL)。「IADL」は、手段的日常生活動作である。

基本的日常生活動作は、生活機能分類では「活動」に分類される。手段的日常制活動作は、別名家事活動ともいわれ同じく「活動」に分類されている。

ここで、介護保険制度を利用している方々は、この家事活動に不自由さが出てくるのだ。ただ、ただ、自分の思いどうりにいかない、まどろっこしさや不自由さからは他者のやることに対して「不満」が出やすくなる。

そこで、ヘルパーさん達などに「こうして欲しい」「ああやって」「違うわよ! こうして欲しいの!!」などと要望を伝えてくることになる。

そこで「賢い方」は、その要望を出すということを利用者の役割として設定するのだ。役割は、生活機能分類ではいわゆる「参加」に分類される。

当然、利用者は自分の要望を伝えるときには、ヘルパーさんの側に付いてくる。そうなると、ヘルパーは一つひとつ確認したり、時には「どうやるのですか?」と伺ってお手本を示して頂いたりする。

このような支援は、「老計第10号(訪問介護のサービスごとの区分等)」の1−6自立支援のための見守り的援助となり、報酬区分は「身体介護」となるわけだ。

一方、重度の利用者さんは、自分の身体のことでもう精一杯。だから家事活動に要望を伝えることなんぞ諦めている。

そのような方に対しての支援は、生活援助(家事代行)となるであろう。その家事代行が「生活機能分類の何処に入るか?」というと、実は何処にも含まれないのだ。

そこで、本来は家族や支援をする方がいれば、必要の無い支援であり、環境に入れても良いであろう。


●体を張って伝える佐藤(平常運転?)●.jpg

●体を張って伝える佐藤(平常運転?)●



3.資料を用いて書く内容を説明
さて、落としどころを意識することを伝えたので、ここからは資料を用いて項目に沿って説明した。

実はここの内容は、2012年に出した摂著、『ケアマネジャー最強のアセスメント力養成講座』に基づいて再校正をかけて内容を展開した。ここではその内容は省略する。

皆さんは、マイク越しに響く佐藤の声を聞きながら、時々うなずき、時々「うーん」とうなりながら最後まで静聴して頂いた。限られた時間であるから、泣く泣くはしょったが、資料は良いできだと自負している。引き続き困ったら引っ張り出して確認して頂ければ幸いである。


4.参加者同士で情報共有
さてさて、今回は皆さんに自分が使用しているアセスメント用紙を持参して頂いている。そこで、残り30分はお互いに現実どうしているのかを語り合って頂いた。

佐藤もグループ内を渡り歩き、質問を伺ったり、答えたりした。持参されたものの中には「課題整理総括表」「リ・アセスメントシート」なども散見された。ウ〜ンさすが現役のケアマネさんだ。カッコいいね。


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●グループからの質問に答えてまわる●



会場内を周りながら聞こえてきたのは、「ソフトに入っているのは、チェックを入れるだけなのよね。困りごとや、要望なんてかけないのよ」とのつぶやきや、「課題分析標準項目のシートだけでは、ニーズを引き出すことは無理よねぇ。だって現状だけでは根拠にならないもの」とか。

「すいません。別の質問なんですが、いいですか?」
「はいはい。いいですよ」
「居宅サービス計画原案は、サービス担当者会議の前に事業所に渡すと」
「はいそうですよ」
「そして、サービス事業所が、アセスメントを行うということですか?」
「はい、そうですね」
「そんなこと、相談員さんやサービス提供責任者さんができるのですか?」
「そうですね。指定基準ではそうなっているんですが」


など個別に対応。そして、残り5分になったところで、今、伺った質問内容を皆さんにもお返した。


(1)課題分析標準項目だけでは、現状把握に留まってしまう。
そこで、意図的に、困りごとや要望を聞き出して記録すること。まぁ、過去に使用した「アセスメントチェックポイントシートは使いやすかったですね」と補足した。

(2)サービス担当者会議の前に、居宅サービス計画原案を配布する事について。
各サービス事業所には「あらかじめ」利用者や家族に、サービス内容や重要事項(費用も含む)を説明の機会をとって頂く必要があること。その時には、利用者に対して「サービスの選択に資する援助をしてい頂くことが必要であることを説明しました(介護支援専門員は、居宅サービス事業所の指定基準も遵守しないと!)。

ちなみに、サービス担当者会議の前に、居宅サービス計画原案を配布することは、『八訂 介護支援専門員基本テキスト1巻 介護保険制度と介護支援』pp.204〜208にイラストで案内されているのでご確認くだされ。

さてさて、本日の研修はこれにて終了!


●さて、〆の時間です●.jpg

●さて、〆の時間です●



次回は「支援経過記録の書き方」について行います。ご自分の支援経過記録をお持ちくださいませ! くれぐれも皆さまご自愛ください。

追伸
新潟県のサ責の皆さま! 佐藤は、来週は長岡市・新潟市に研修で出没予定ですぞ! まさか雪はまだ降らない・・・ことを祈りつつ、お会いできるのを楽しみにしております!!



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●アリオのポムズファームでお昼●



(ドタキャンでもジュリーは意外と好印象。なんせ、さいたまスーパーアリーナは自分には大きすぎると事前に言ってたらしい。いろいろあるけど、ジュリーを見てケンタッキー・フライド・チキンが食べたくなったなというのがもっぱらの噂だぜ!To Be Continued!!)
posted by さとうはあまい at 16:01| 島根 ☀| Comment(0) | 研修会のツボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする