2018年05月22日

奮闘記・第1056回 研修会のツボ/東京都


●2018年● 東京都世田谷区


世田谷区社会福祉事業団
世田谷区福祉人材育成・研修センター

職務別研修 サービス提供責任者研修【現任1】
「自立支援につながる訪問介護計画書」



さてさて、5月の大型連休も終わりました。各職場では、いよいよ、新しい職員がひとりだちをする頃かも知れませんねぇ(願望)。

一方、今年度は介護報酬の改定に伴い、利用料金に変化が出たことから、重要事項説明書の料金の書き換え及び利用者への説明や差し替えなどでまだまだ忙しくされている方々もいることと思います。

そのような中、世田谷区では、いち早く訪問介護のサービス提供責任者現任研修を開催しました。今回のブログは、世田谷区での研修会のお話。

この研修は、シリーズで行われており、今回は第1回目である。30名定員の会場には、何と27名の方が参加して頂いた。

佐藤が担当するサービス提供責任者向けの研修の特徴は、ひとつの事例を用いて、ケアプラン作成から各サービス計画(ここでは訪問介護計画)を作成するまでの、一連の流れを事例を用いて説明する所にある。

東京都の場合では、介護支援専門員の実務研修で利用している「リ・アセスメント支援シート」を用いて、居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、その後、サービス事業書が行うアセスメントツールを用いて訪問介護計画を示している。

ちなみに、かくいう、佐藤は、ただいま、長崎県で記録の書き方研修で熱く語っております。詳しくは、また別の機会に!


●長崎市の鎮西大社諏訪神社に参拝(大吉)●.jpg

●長崎市の鎮西大社諏訪神社に参拝(大吉)●




■研修で行ったこと
(1)訪問介護計画書の重要性(老計第10号を踏まえて)
(2)訪問介護計画書の作成手順
(3)各手順について/ICFをいかした情報把握(アセスメント生活課題の特定など)


研修は、グループ形式で行った。まずは自己紹介から。グループ内で、各自1分間の持ち時間内で、自分の所属と今年の抱負を語って頂いた。そして、場が和んだ頃に本題に入るのだ。


●研修風景(その1)●.jpg

●研修風景(その1)●



1.訪問介護計画書の重要性(老計第10号をふまえて)
ここでは、資料として、厚労省が出している「介護保険最新情報」「訪問介護におけるサービス行為ごと等の一部改正について(Vol.637)」(平成30年3月30日)を用いて説明した(一部引用抜粋)。

平成30年度介護報酬改定においては、訪問介護について、身体介護に重点を置いて、報酬を引き上げるとともに、生活機能向上連携加算の見直し、「自立生活支援のための見守り的援助」の明確化、訪問回数の多い利用者への対応を行うことにより、自立支援・重度化防止に資する訪問介護を推進・評価することとなった。

そのため、ここでは身体介護における「自立生活支援のための見守り的援助」の明確化を行うために、「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について(平成12 年3月17日老計第10号)」について、別紙のとおり見直しを行い、平成30年4月1日から適用するとしている。

そこで、改正後の「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」の趣旨及び内容が、訪問介護事業所のサービス提供責任者、居宅介護支援事業所の介護支援専門員等の関係者に周知されることが重要であるとしている。

この「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」、いわゆる『老計第10号』については、佐藤のブログや研修において、さんざん登場しているので、詳細は先の「介護保険最新情報」に譲るとして(皆さんも要確認を願いしまする)

改正前の「1−6 自立生活支援のための見守り的援助」(自立支援、ADL向上の観点から安全を確保しつつ、常時介助できる状態で行う見守り等)

改正後の「1−6 自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助」(自立支援、ADL・IADL・QOL向上の観点から安全を確保しつつ、常時介助できる状態で行う見守り等)となっている。

先のADL(Activity of daily life)(日常生活動作)のみならず、IADL(Instrumental activities of daily living)(手段的日常生活動作)、QOL(quality of life)生活の質の向上までが含まれていた。

これこそ、画期的なことなのだ。ただし、ここで言われている「自立生活支援」「重度化防止のための見守り的援助」を具体的にできないことには話にならないのは言うまでもない。

そんな、こんなで、ここでは「老計第10号」という区分があること、生活援助との違いについて説明した。

2.訪問介護計画書の作成手順
ここでは、財政制度等審議会財政制度分科会(2018年4月11日)に提出された資料を用いて説明した。

具体的には資料社会保障(p.66)「ケアマネジメントの質の向上と利用者負担について」の中で用いられている、「ケアマネジャーの業務の主な流れ」を引用して、介護支援専門員の業務とサービス提供責任者の業務を案内した。


【介護支援専門員(ケアマネジメント)のプロセス】
 @面接・面談(インテーク)
 Aアセスメント(課題抽出)
 Bケアプラン作成
 Cサービス調整
 Dサービス担当者会議
 Eモニタリング
 F給付管理業務
 G長期・短期目標の達成の評価
 H評価をふまえたケアプランの変更

ここで着目すべき点は、Cサービスの調整であろう。介護支援専門員のテキストでは、Cはサービス担当者会議になっているため、多くの介護支援専門員が、サービス担当者会議の席上で居宅サービス計画書(原案)を出しているからだ。

もちろん、佐藤は前々から、サービス担当者会議の前にはサービスの調整があり、サービス提供事業所が事前訪問を行い、利用者の「サービスの選択に資する援助」を行う必要があることを提唱しておりました。

ここに来てようやく、Cサービスの調整が明確化されたことは、画期的なことだと言えよう。さて、サービス提供責任者(介護過程の展開)のプロセス、ケアマネジメントのプロセスCからスタートである。


●研修風景(その2)●.jpg

●研修風景(その2)●



【Cサービスの調整】
 @サービスの問い合わせ(相談受付)
 Aサービスの申込みにおける調整(責務)
 B受託の可否を伝え、可能な場合には「居宅サービス計画書」を受け取る。
 C事前訪問(サービスの選択に資する援助・契約書・重要事項説明書・個人情報)を行う。
 D訪問介護計画書案作成(基本情報・アセスメント・間取り図)
 Eサービス担当者会議への準備・検討項目を把握する(生活機能分類を意識)
 Fサービス担当者会議へ参加する(居宅サービス計画書の承認・情報共有)
 G訪問介護員への説明
 H利用者への紹介(同行訪問)
 Iモニタリング(介護支援専門員へ実績報告)
 J給付管理(管理者) L居宅サービス計画更新を踏まえた、訪問介護計画書の更新
(→Dに戻る。)


●研修風景(その3)●.jpg

●研修風景(その3)●



3.ICFをいかした情報把握(アセスメント生活課題の特定など)
午後からは、具体的に事例をひもときながら解説を行った。ここで重要なことは、やはり生活機能分類(ICF)です。
なぜならば、国が居宅サービス事業所の果たす機能として、「心身機能維持・向上」「活動の維持・向上」「参加の促進」=「介護者の負担の軽減」であるとしているからだ。
躁であるならば、ケアプランはもちろん訪問介護計画書も、一定期間が経過した後で、上記の内容について評価「改善・維持・悪化」をしなけ
 K短期目標の達成の評価・居宅サービス計画書変更に対する支援
ればならない。

そこで、訪問介護計画書の具体的なサービス内容はケアプランにおいて提供されたサービスについて、「心身機能に対する具体的なサービス内容」「活動に対する具体的なサービス内容」「参加に対する具体的なサービス内容」「環境(家族や地域)に対する具体的なサービス内容」等が分類されて記載されている必要があるのだ。

まぁ、そうはいっても、各事業所では、すでに介護ソフトを利用して訪問介護計画書を作成しているので、なかなか変更することは難しいであろう。

ここに、須藤さん事例の訪問介護計画書の訪問介護の目標と具体的なサービス内容を紹介しておこう。

○心身機能に対する目標と具体的なサービス内容
目標:体重を意識しながらバランスの良い食事をとり、確実に服薬が出来るように支援します。

@あいさつ後、ヘルパー名を告げて、感染予防のための手洗いうがいを洗面所で行います(ユニットバス内)。
Aベッドサイドへ伺い、あいさつをして体調を覗います。連絡帳を確認して、他の支援者と情報を共有します。
B本日の食事内容を把握し、一緒に献立を考えます。

○活動に対する具体的なサービス内容
目標:トイレに間に合うようにお誘いし、移動時にはそばに付き添い、転ばないように支援します。

@これからする事を説明し、同意を得ます。作業に入る前には、トイレにお誘いします。
A作業をする時には、そばに付き添い転ばないように注意を喚起し、転ばないように見守ります。頑張る姿を励まし、できたことを共に喜び称賛します。

○参加に対する具体的なサービス内容
目標:一緒に掃除ができるように支援します。また、通所介護の献立などを参考に一緒に献立を考え調理します。

@床面にある品物を一緒に仕分けられるように支援します。
A冷蔵庫の食材をみながら、一緒に献立を考えます。
B献立が決まったら、折りたたみテーブルを出して、できる作業を提案します。
この時にもやり方については見本を示し、その都度説明を加えて行い協力動作に
感謝を伝え、労をねぎらいます。
C常に疲労の確認をしながら無理のない範囲でできるように支援します。

○環境に対する具体的なサービス内容
目標:他の支援者たちと情報を共有し、統一した支援を行います。

@本人にポストを開けることを説明して、ポスト中を確認します。ポストの中に入っていたものを持参し一緒に分別します。手続きが必要な書類については内容を説明し、手続きができるように支援します。
A生活の中で新たな困りごとがある場合には、関係機関に報告し、解決ができるように支援します。連絡帳にて情報を共有します。

最後の演習時間には、皆さんに具体的なサービス内容を書いていない用紙を渡して、自分だったらどのように書くのかチャレンジして頂いた。

演習時間は15分かけた。最初は何を書いて良いかわからないと嘆いた人々も、やがて時間経過と共にペンを走らせて、やがては白いスペースが文字で埋め尽くされていたのだ。中には佐藤の解答例を転記している方もいたが(笑)。まぁ、それでも良いのである。

そうやって書いているうちに自分なりの文章が浮かんで来ることもある。もちろん、佐藤は皆さんが演習をしている間には、各グループに入り、実際の悩みや困りごとを伺って、助言などもしていたのだが・・・。このかかわりの時間に「実は」が聞けて佐藤のためにもなるのだ。

さてさて、演習時間が終わった。佐藤は先ほど得た情報を皆さんと共有した。


●研修風景(その4)●.jpg

●研修風景(その4)●



【参加者から出された表現の一部抜粋】
@薬が正しく飲めているか、落薬がないかを確認します。
(飲み忘れだけではなく、薬を落としていないかを気遣うとは素敵。)
A移動する前には、移動する行程の安全確認を行います。
(これぞ、重度化予防には必要な援助ですよね。さすがである。)
B定期的に使用している歩行器のゴムの部分を点検して、劣化が認められるときには交換できるようにケアマネに伝えます。
(道具の点検を考えるなんてさすが現役素晴らしい。)


●研修風景(その5)●.jpg

●研修風景(その5)●



どうでしたか? 皆さん素晴らしいでしょう。佐藤が気づかない視点があるなぁと感心した。さてさて、これにて研修は終了である。

参加者どうし、たくさん情報交換もできたようでホッとしております。次回、現任研修IIでも会えるといいなぁ!(願望)

これからは雨の季節。在宅を訪問する皆さんにとっては大変な季節でもあります。どうぞ、ご自愛ください。暑くなってきて、けっこう危険です。皆さま、ご自愛ください。



(何度も行った、長崎市の国指定史跡・出島和蘭商館跡を久しぶりに見たら、なんと出島表門橋ができていた。この出島は、作ってほったらかしじゃない。萩市同様、古きを再現する事によって、街自体が進化しているのだな!To Be Continued!!)
posted by さとうはあまい at 14:52| 島根 ☀| Comment(0) | 研修会のツボ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする